塩の長司
塩の長司
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/22 00:50 UTC 版)
塩の長司(しおのちょうじ)は、江戸時代の奇談集『絵本百物語』にある馬憑きの奇談。塩の長次郎(しおのちょうじろう)とも。 加賀国(現・石川県)に塩の長司という長者がいた。彼は自宅に300頭もの馬を飼っていたが、常々悪食を好み、死んだ馬の肉を味噌漬けや塩漬けにして、毎日のように好んで食べていた。 馬肉が尽きたある日、長司は役に立たなくなった老馬を打ち殺して食べた。その夜、長司の夢の中にその老馬が現れ、長司の喉に食いついた。 その日から、長司が老馬を殺した時刻になると、長司のもとに老馬の霊が現れて口の中に入り込み、腹の中を荒らし回る日々が続いた。その苦痛は相当なもので、長司は苦し紛れに悪口雑言し、自分が今までに仕出かした悪事やありとあらゆる戯言を吐き、苦しみ続けた。 医療や祈祷など様々な手段を試みたものの一向に効果はなく、百日ほど経って遂に死んでしまった。その死に様は、まるで重い荷物を背負った馬のような姿だったという。
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