エチレンとは? わかりやすく解説

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エチレン【ethylene】

読み方:えちれん

二重結合をもつ炭化水素の一。無色可燃性気体プロピレンとともに石油化学工業重要な原料で、ポリエチレン塩化ビニル酢酸などの合成利用また、植物ホルモン一種で、果実熟成促進するが、傷害などによっても産生され成長抑制作用もある。分子式C2H4 示性式CH2=CH2 エテン


エチレン

分子式C2H4
その他の名称エチレン、エライル、オレフィアントガス、Elayl、EtheneEthylene、Olefiant gas、Acetene、アセテン
体系名:エテン


物質名
エテン
慣用名
エチレン
英語名
Ethene
化学式
C2H4
原子量
28.05
融点(℃)
-169.15
沸点(℃)
-103.9

気体無色で、甘い臭いと味を持つ。アルコール混合する溶ける引火性持ち、熱にさらすと燃え上がる危険性が高い。火炎にさらすと爆発する危険もある。490℃で自然発火する。

エチレン

英訳・(英)同義/類義語:ethylene

二重結合を持つ炭素2個から成る不飽和炭化水素果実熟成促進するC2H4

エチレン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/14 10:19 UTC 版)

エチレン
識別情報
CAS登録番号 74-85-1
KEGG C06547
特性
化学式 C2H4
モル質量 28.0 g mol-1
外観 無色気体(常温常圧)
相対蒸気密度 0.98
融点

−169.2 °C, 104 K, -273 °F

沸点

−104 °C, 169 K, -155 °F

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

エチレン(ethylene、IUPAC命名法では エテン (ethene) )は、分子式 C2H4構造式 CH2=CH2 で、二重結合で結ばれた炭素2個を持つ炭化水素。もっとも単純なアルケンである。二重結合エチレンはこの化合物に高度な反応性を持たせ、化学工業で使用されるエチレンの体積は他の有機化合物よりも大きい[1]

構造

エチレンの分子モデル
エチレンの構造

エチレンの炭素‐炭素間の二重結合はσ結合π結合からなる。sp2混成した電子が正面から結合し、σ結合を作る。また、混成していないp軌道の電子が側面から結合を作る事によって生じるのがπ結合である。σ結合は切れにくい強い結合であるのに対し、π結合は切れやすい結合である。エチレンは二重結合を持つので、エタンのように炭素鎖を回転をすることは出来ない。そのため、1,2-ジクロロエチレンなどのエチレン誘導体はシス-トランス異性体を生じうる。

エチレンは平面構造を取り、二つの炭素原子がsp2混成軌道を取るため、すべての結合角は約120゚である。

性質と反応

かすかに甘い臭気を有する無色の気体で、強力な酸化剤と反応しやすく、また引火しやすい。

チーグラー・ナッタ触媒重合するとポリエチレンになる。反応性が高く、様々な化合物の原料として用いられている。例えばアセチレンはエチレンをハロゲンと反応させて1,2-ジハロエタンを作り、水酸化カリウムでハロエテン、水素化アルミニウムリチウムで還元して作られる。エタノールを 160–170 ℃ 程度で脱水して得ることも出来る(分子内脱水)。

ワッカー酸化により、アセトアルデヒドを生成する。

水和

水和反応によりエタノールが生成されるが、高温高圧環境[2]が必要である。工業的な合成アルコール(エタノール)の生産方法のひとつである[3]

  • 直接水和法
アメリカ合衆国 2,355 21.3 2 中国 1,024 9.3 3 韓国 707 6.4 4 日本 688 6.2 5 カナダ 428 3.9 ‐ 世界計 11,048 100.0

日本国内にはエチレン生産設備が12基ある(石油化学工業協会の資料から作製)。茨城県(三菱ケミカル)、千葉県(丸善石油化学、丸善石油化学と住友化学、三井化学、出光興産)、神奈川県(ENEOS(2基))、三重県(東ソー)、大阪府(三井化学)、岡山県(旭化成と三菱ケミカル)、大分県(レゾナック)、山口県(出光興産)[9]

出典

  1. ^ ETHYLENE”. 2023年6月20日閲覧。
  2. ^ 久郷昌夫, 栗林浩、「エチレンの水和によるエタノールの合成に関する研究 冷エチレン注入式固定床反応器」 『化学工学』 1967 年 31 巻 9 号 p. 928-929,a1, doi:10.1252/kakoronbunshu1953.31.928, 化学工学会
  3. ^ 合成アルコールの製造方法 日本合成アルコール株式会社
  4. ^ 経済産業省生産動態統計年報 化学工業統計編
  5. ^ 高等学校の有機化学の誤りを正す アセチレンからエチレンへ”. 香川高等専門学校. 2022年12月19日閲覧。
  6. ^ 兵藤宏、「エチレン生合成の調節」『化学と生物』 1984年 22巻 5号 p.339-344, doi:10.1271/kagakutoseibutsu1962.22.339
  7. ^ a b 管野浩編 『雑学おもしろ事典』 p.32 日東書院 1991年
  8. ^ 地理 統計要覧 2014年版 ISBN 978-4-8176-0382-1 P,100
  9. ^ エチレン生産設備、集約向け動く各社 人口減で需要低迷・中国では増強:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞. 2024年6月18日閲覧。

関連項目


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