エゾウコギ
エゾウコギ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/02 06:23 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動エゾウコギ | ||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
分類 | ||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||
学名 | ||||||||||||||||||||||||
Eleutherococcus senticosus (Rupr. et Maxim.) (1859) | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
エゾウコギ(蝦夷五加) |
エゾウコギ(蝦夷五加、学名:Eleutherococcus senticosusシノニム Acanthopanax senticosus (Rupr. et Maxim.) Harms)はウコギ科の落葉低木。薬用植物で根皮を薬用として用いる。
特徴
北海道・樺太に自生することから、北海道・樺太(蝦夷地)の五加(ウコギ)ということで、この名で呼ばれる。他にロシアのアムール州、中国の黒竜江省、吉林省にも分布する。高さは2〜3m。
利用
これは、刺五加(しごか)または五加皮(ごかひ)という生薬名がある。
シベリア人参(Siberian Ginseng)とも呼ばれるが、トチバニンジン属の植物ではなく、代表的な薬用「人参」であるオタネニンジンとの類縁関係は薄く、有効成分も異なる。
歴史
1960年代、オタネニンジンと同じウコギ科の植物であることから、旧ソ連の科学アカデミーが、薬用としての研究を開始したとされる。1962年に強壮剤としての使用が承認され、1964年にエキス剤の生産が開始された。 1980年のモスクワオリンピックでは、ソ連がこれを選手団の強化に利用していたとして、話題になった。
日本では、古くアイヌ民族が民間薬として用いていたが、北海道の開拓を進めた和人はその価値を知らず、棘が固く邪魔な雑草として、見つけると片端から駆除を行っていた。「ヘビノボラズ」と俗称されるほどの嫌われようだった。
有効成分と作用
数種類のエレウテロシドと呼ばれるサポニンを含有し、オタネニンジンが含有するジンセノサイドとの類似性が指摘される。他にクロロゲン酸、イソフラキシジンなどが有効成分といわれる。
動物実験によって報告されている有効作用[1]は、抗ストレス作用[2]、抗疲労作用[3]等があり健康保持食品に含有していることがある[4]。
薬物相互作用
薬物代謝酵素のCYP3A4やen:CYP2C9に対する薬物相互作用が報告され[5][4]服用の際は、医師や薬剤師への相談が必要とされている[6]。
抗てんかん薬[5]、ワルファリン[5]への悪影響や血圧上昇との関連性が認められており高血圧治療中の患者には注意を要する[7]。
脚注
- ^ 溝口亨、加藤葉子、久保田仁志 ほか、実験動物におけるエゾウコギ根抽出物の機能性 日本栄養・食糧学会誌 2004年 57巻 6号 p.257-263, doi:10.4327/jsnfs.57.257
- ^ Fujikawa T, Yamaguchi A, Morita I, et al. Protective effects of Acanthopanax senticosus Harms from Hokkaido and its components on gastric ulcer in restrained cold water stressed rats. Biol Pharm Bull 1996; 19: 1227–1230., doi:10.1248/bpb.19.1227
- ^ Nishibe S, Kinoshita H, Takeda H, et al. Phenolic compounds from stem bark of Acanthopanax senticosus and their pharmacological effect in chronic swimming stressed rats. Chem Pharm Bull (Tokyo) 1990; 38: 1763–1765., doi:10.1248/cpb.38.1763
- ^ a b 高橋恒久、佐藤隆司、渡辺一弘、【原著】食―薬間相互作用:薬物代謝酵素 (CYP2C9) 活性に対するエゾウコギの影響(第 2 報) 日本補完代替医療学会誌 2014年 11巻 1号 p.9-15, doi:10.1625/jcam.11.9
- ^ a b c 高橋恒久、五十嵐将樹、佐藤隆司 ほか、【原著】―薬間相互作用:薬物代謝酵素 (CYP3A4, CYP2C9) 活性に対するエゾウコギの影響(第 3 報) 日本補完代替医療学会誌 2014年 11巻 1号 p.17-24, doi:10.1625/jcam.11.17
- ^ エゾウコギ - 「健康食品」の安全性・有効性情報(国立健康・栄養研究所)
- ^ Rasmussen CB, et al. J Clin Hypertens (Greenwich). 2012 Jul;14(7):467-71.
外部リンク
- エゾウコギ - 「健康食品」の安全性・有効性情報(国立健康・栄養研究所)
固有名詞の分類
- エゾウコギのページへのリンク