雇女
- 大阪辺にて時間制にて需めに応じて客に侍り又は遊山の同伴などを為す女。芸者に似たるもの。
- 料理店や宿屋に雇はれて来て客の相手をする女のことをいふ。一寸三味線もひき、端唄もうたひ、床もとる。雇女の義から来たもの。〔花柳語〕
- 関西にて料理店や宿屋に雇はれて来て客の相手をする女のことをいふ。一寸三味線もひき、端唄もうたひ、床もとる、雇女の義から来たもの。
- 料理店又は飲食店に雇はれて居て客の酒席に出て、三味線も引き唄もうたひ又床もとる女のことをいふ。
- 時間制で客の需めに応じ好みの風俗をして客席に侍り、又外出の同伴等をする女。転じて必要ある毎に呼ばれる雇仲居のこと。
- 料理屋や宿屋に雇われてきて客の相手をする女のことをいう。一寸三味線もひき、端唄もうたい、床もとる。〔花柳界〕
- 料理店、飲食店に雇われて客席に出て三味線をひき、唄もうたい、売淫もする女。やとなかい(雇仲居)の省略。〔俗〕
- 〔花〕料理屋や宿屋に雇われてきて客の相手をする女のことをいう。一寸三味線もひき、端唄もうたい、床もとる。
やとな
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/16 18:21 UTC 版)
やとな(ヤトナ、雇女、雇仲居とも)は、明治末期に京阪地方に現れた臨時雇いの仲居のことで、料理屋・待合・宿屋などに雇われて客の相手をし、しばしば売春もした[1][2]。配膳・跡片づけから、安い花代で酒席の接客もすることから重宝され、数年後には東京にも広まり、第1次世界大戦後に最盛期となった[3][4][5]。派生語に「やとな芸者」(日雇い芸者)、「やとな倶楽部」(やとなを派遣する会)などがある[1]。女性の雇われ人(従業員)を単に意味する一般用語の「雇女」とは異なる。
- ^ a b 雇女Weblio辞書
- ^ ヤトナとヤトジュウ『酔醒禅』虚心窟主人 (文禄堂, 1906)
- ^ 雇女(読み)やとなコトバンク
- ^ やとな(雇女∥雇仲居)(読み)やとなコトバンク
- ^ a b 雇仲居の活動『女百面相 : 当世気質』山村愛花 (日本書院, 1918)
- ^ 京都『やとな』淫騷の一幕『女魔の怪窟 : 昭和奇観苦心探険』墨堤隠士 (啓仁館書房, 1932)
- ^ 上方名物やとな『日本歓楽郷案内』(談奇群書 ; 第4編) / 酒井潔 著 (竹酔書房, 1931)
- ^ a b 中性の水商賣やとな『商売うらおもて. 続』大阪朝日新聞経済部 編 (日本評論社, 1926)
- ^ 『ドン底の闇から』p12-14村島帰之 著 (サンデー・ニュース社, 1926)
- ^ 雇仲居、雇仲居置屋營業取締規則(拔萃) 大正五年三月縣令第十一號『救護法関係法規』(神戸市社会課, 1935)
- ^ 雇仲居倶楽部『京都商工人名録. 昭和15年度』
- ^ 夫婦善哉 織田作之助青空文庫
- ^ それでも私は行く 織田作之助青空文庫
- ^ 素人屋で散財しても遊興税を申受ける大阪朝日新聞 1921.1.27 (大正10)
- ^ a b ドキュメンタリー映画『ある映画監督の生涯 溝口健二の記録』新藤兼人、1975年
- ^ a b 新開地雇仲居の慘死『捜査と防犯 : 明治大正昭和探偵秘話』 (兵庫県防犯研究会, 1937)
- やとなのページへのリンク