うどんこ病とは? わかりやすく解説

うどんこ‐びょう〔‐ビヤウ〕【××飩粉病】

読み方:うどんこびょう

植物の表面が、うどん粉振りかけたように白くなる病害子嚢菌(しのうきん)類のウドンコ病菌によって起こり、やや乾きぎみの天候のときに発生する。白渋(しらしぶ)病。白粉(しろこ)病。


うどんこ病

新芽新葉、つぼみなどの表面白い粉まぶしたようになり、その部分変形した枯れたりする。うどんこ病により起こり白渋病ともいう。春や秋、夜間の湿度高く昼間乾燥する発生しやすい。バラキュウリなどに目立つ。窒素肥料控えめにし、通風を図るとかかりにくい。

うどんこ病

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/18 17:27 UTC 版)

うどんこ病

うどんこ病(うどんこびょう)は子嚢菌の一種であるウドンコカビ(ウドンコカビ目ウドンコカビ科に属する菌類)によって被子植物に生じる植物病害の総称[1]。ウドンコカビは被子植物の絶対寄生菌であり、裸子植物シダ植物への感染例は報告されていない[1]

概要

うどんこ病(Powdery mildew)はべと病Downy mildew)などとともに糸状菌病に分類される[2]。なお、Mildewは一般的にカビのことも指す[3]

被子植物の約1万種に寄生することがわかっており、その宿主のほとんどは双子葉植物で、単子葉植物では麦類に限定的に確認されているに過ぎない[1]。病気が出やすい野菜として、カボチャキュウリエンドウナスイチゴニンジンなどがある[4]

盛夏を除く、春から秋(6 - 11月ごろ)に多く発生する[4]。病原菌により、葉や茎がうどん粉をかけたように白いカビが広がる症状が出る[4]

うどんこ病菌の分生子は他の糸状菌よりも豊富に水分を含み、しかも吸湿性が良いため乾燥条件でも発芽できる。他の糸状菌と同様に高湿度下でよく増殖する。しかし分生子は過剰に水を含むと膨張し、原形質膜が破れて死ぬ事があり、発芽率が低下する[5]

予防・防除法として、土中の窒素が多いと発病しやすいため[4]、窒素肥料は少なめにし、日当たりと株・葉の間を開けて風通しをよくする[4]。また、発生した葉を取り除くといった方法がある[4]

種類

ブドウうどんこ病
ブドウにみられるものでブドウうどんこ病菌(Uncinula necator、分類体系の見直しではErysiphe necator)やブドウ・ノブドウうどんこ病菌(Erysiphe necator var. necator)によって生じる[6]
ムギうどんこ病
ムギにみられるものでBlumeria graminisによって生じる[7]。防除対策として耐病性の強い品種の栽培、発病初期の薬剤散布などが行われる[7]
モモうどんこ病
モモにみられるものでSphaerotheca pannosaによって生じるほか、リンゴうどんこ病菌(Podosphaera leucotricha)でも生じる[8]。防除対策として防除薬剤の散布などが行われる[8]
イチゴうどんこ病
イチゴにみられるものでSphaerotheca aphanisによって生じる[9]。防除対策として薬剤の予防散布などが行われる[9]
トマトうどんこ病
トマトにみられるもので外部寄生性のOidium neolycopersiciによって生じる表生型と、内部寄生性のOidiopsisLeveillulaによって生じる内生型がある[10]。防除対策として予防的な薬剤散布などが行われる[10]
キュウリうどんこ病
キュウリにみられるもので外部寄生性のSphaerotheca cucurbitaeによって生じるものと、内部寄生性のOidiopsis siculaによって生じるものがある[11]。防除対策として薬剤の予防散布が行われるほか、軟弱徒長の生育や窒素肥料の過多が発病につながるとされており適切な施肥を行う[11]
バラうどんこ病
バラにみられるものでPodosphaera pannosaSphaerotheca pannosaによって生じる[12]。防除対策として薬剤散布のほか、施設バラ栽培では夜間の暖房や昼間の換気が行われる[12]
クワ裏うどんこ病
クワにみられるものでクワ裏うどんこ病菌(Phyllactinia moricola)によって生じる[1]

脚注

  1. ^ a b c d 高松 進、宮本 拓也「うどんこ病菌による病害の発生生態と防除」『植物防疫』第73巻第1号、日本植物防疫協会、2019年、53-58頁。 
  2. ^ 白石 美樹夫「ブドウにおける病害抵抗性育種 ̶ 素材開発の現状 ̶」『植物防疫』第57巻第2号、日本植物防疫協会、2003年、80-83頁。 
  3. ^ 用語集”. 一般社団法人日本医真菌学会. 2024年2月18日閲覧。
  4. ^ a b c d e f 金子美登『有機・無農薬でできる野菜づくり大事典』成美堂出版、2012年4月1日、242頁。ISBN 978-4-415-30998-9 
  5. ^ 2. 胞子発芽時の形態と生理」 『日本植物病理学会報』 1964年 29巻 4号 p.214-218, doi:10.3186/jjphytopath.29.214, , 日本植物病理学会
  6. ^ 井上 幸次、山本 秀夫、那須 英夫、粕山 新二「岡山県におけるブドウ及びノブドウうどんこ病菌の完全世代について」『岡山県農業総合センター農業試験場研究報告』第22号、岡山県農業総合センター農業試験場、2004年7月、29-33頁。 
  7. ^ a b 病害虫図鑑 ムギうどんこ病”. 愛知県農業総合試験場病害虫防除室. 2024年2月18日閲覧。
  8. ^ a b モモうどんこ病は落花10日後頃の薬剤防除によって効率的に抑制できる”. 福島県農業総合センター. 2024年2月18日閲覧。
  9. ^ a b 病害虫図鑑 イチゴうどんこ病”. 愛知県農業総合試験場病害虫防除室. 2024年2月18日閲覧。
  10. ^ a b 作物名:トマト、病害虫名:うどんこ病”. 宮城県. 2024年2月18日閲覧。
  11. ^ a b 作物名:きゅうり、病害虫名:うどんこ病”. 宮城県. 2024年2月18日閲覧。
  12. ^ a b うどんこ病”. 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構. 2024年2月18日閲覧。

外部リンク


うどんこ病

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 05:09 UTC 版)

「パンジー」記事における「うどんこ病」の解説

Oidiumという子嚢菌感染で起こる。の縁と裏側に灰紫色の粉が出る。間隔十分にとらない植え付けた個体同士蒸れる発病しやすい。薬剤スプレーすればある程度抑制できるが、根絶することは難しい。特にの裏側の退治しにくい。

※この「うどんこ病」の解説は、「パンジー」の解説の一部です。
「うどんこ病」を含む「パンジー」の記事については、「パンジー」の概要を参照ください。

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