第893回:「ルノー5 E-Techエレクトリック」が販売店にやってきた!

2025.01.16 マッキナ あらモーダ! 大矢 アキオ
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クルマもワインもショーでは不可能

2025年欧州カー・オブ・ザ・イヤーが1月13日に発表され、電気自動車「ルノー5 E-Techエレクトリック」およびそのスポーツモデル「アルピーヌA290」が選ばれた。「キアEV3」「シトロエンC3/ë-C3」などを抑えての受賞だった。

ルノーは2024年にも、新型「セニック」で欧州カー・オブ・ザ・イヤーに輝いている。同一ブランドによる連続受賞は、1995年「フィアット・プント」と1996年「フィアット・ブラーヴォ」以来、史上2度目である。

筆者自身についていえば、ルノー5 E-Techエレクトリックは、何度かショー会場で展示車に接する機会があった。しかし、そうした場所では、実はゆっくりと観察できない。イタリア屈指の著名ワイン「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」を手がける醸造学者は、かつて筆者にこう告白した。「ヴィニタリー(筆者注:イタリアを代表するプロ向けワイン見本市)の騒がしく混雑した会場で、正当な評価などできません」。クルマのデザインを鑑賞するのも同じである。静かな環境がよい。

まずは、ルノーの資料に記されているストーリーを紹介しよう。2020年7月2日木曜日、前日にルノーグループの新CEOに就任したばかりのルカ・デメオ氏(同氏については、本サイト2020年2月5日のデイリーコラムを参照)は同社技術センターに赴いた。そのとき施設の片隅で奇妙なモデルを発見する。再解釈されたルノー5だった。彼はその蛍光オレンジのモデルに一目ぼれした。この瞬間こそがルノー5 E-Techエレクトリック開発のスタートだったという。ここからは筆者の考えだが、デメオ氏の脳裏には、彼がフィアット時代に手がけて大成功を収めた2007年「500」があったのは明らかだろう。ついでにいえば、アバルトを復興させた彼のこと。アルピーヌA290もすでにひらめいていたかもれしない。

「ルノー5 E-Techエレクトリック」。2024年1月、5つある車体色のなかで「ポップグリーン」と名づけられたものである。シエナのルノー販売店「パンパローニ」で撮影。
「ルノー5 E-Techエレクトリック」。2024年1月、5つある車体色のなかで「ポップグリーン」と名づけられたものである。シエナのルノー販売店「パンパローニ」で撮影。拡大
ヘッドランプ・ユニットの上部にはトリコロールが。
ヘッドランプ・ユニットの上部にはトリコロールが。拡大
フロントフードの「5」の文字は、ドアを開けるたび点灯する。
フロントフードの「5」の文字は、ドアを開けるたび点灯する。拡大
展示車はバッテリー容量52kWh、最高出力150PSの「コンフォートレンジ」。ほかに40kWh/120PSの「アーバンレンジ」も用意されている。満充電からの最大航続距離(WTLP複合モード)は、前者が410km、後者が312km。
展示車はバッテリー容量52kWh、最高出力150PSの「コンフォートレンジ」。ほかに40kWh/120PSの「アーバンレンジ」も用意されている。満充電からの最大航続距離(WTLP複合モード)は、前者が410km、後者が312km。拡大
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