第53回:ヨーロッパのカーデザインをブッタ切る(前編) ―安直なドイツ・イタリア万歳主義に物申す―

2025.01.15 カーデザイン曼荼羅 渕野 健太郎清水 草一
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アウディ最新の電動SUV「Q6 e-tron」の、強烈なご尊顔。ヨーロッパのカーデザインは、今でも世界の“お手本”といえるのだろうか?
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クルマ好きが憧れ、カーデザイン界でも模範とされてきたヨーロッパ車の造形美。しかし最近は、ちょっと様子がヘンじゃない? ドイツ車やイタリア車は、今でも日米韓中のクルマより美しいといえるのか? 世にはびこる、安易な欧州信奉をブッタ切る!

webCGほったが、「これはいいなぁ」と思った歴代欧州車の例。左上がE34世代の「BMW 5シリーズ」、左下がW124世代の「メルセデス・ベンツEクラス」、右上が2代目「ランドローバー・レンジローバー」、右下が「プジョー106」。 
ほった「昔は確かに、ワタシにも『これはスゴい!』って思える欧州車がたくさんあったんですけど……」
webCGほったが、「これはいいなぁ」と思った歴代欧州車の例。左上がE34世代の「BMW 5シリーズ」、左下がW124世代の「メルセデス・ベンツEクラス」、右上が2代目「ランドローバー・レンジローバー」、右下が「プジョー106」。 
	ほった「昔は確かに、ワタシにも『これはスゴい!』って思える欧州車がたくさんあったんですけど……」拡大
2024年7月に発表された「フィアット・グランデパンダ」。
2024年7月に発表された「フィアット・グランデパンダ」。拡大
「グランデパンダ」の元となったコンセプトモデルの「コンセプト シティーカー」。読者諸氏の皆さんは、どう思います?
「グランデパンダ」の元となったコンセプトモデルの「コンセプト シティーカー」。読者諸氏の皆さんは、どう思います?拡大
2017年のロサンゼルスショーより、webCGほったに衝撃を与えた「キア・スティンガーGT」。「BMW 3シリーズ」などと同じDセグメントに属する、ワイルドな5ドアモデルだった。
2017年のロサンゼルスショーより、webCGほったに衝撃を与えた「キア・スティンガーGT」。「BMW 3シリーズ」などと同じDセグメントに属する、ワイルドな5ドアモデルだった。拡大

みんな盲信してない?

webCGほった(以下、ほった):今回もまた、多方面に火の粉が降りかかる物騒なお題にお付き合いいただこうと思います。このテーマについては、個人的に思うところがありましてね……。

清水草一(以下、清水):思うところあって、ブッタ切るんだね!(笑)

ほった:左様です(笑)。周囲はみんな敵で、理解者ゼロなんですけど。

あらためまして、インポーターのなかにも知り合いが多いので言いづらいんですが、実はワタシ、『webCG』の読者さんや執筆陣の皆さんほど、今のヨーロッパ車のデザインがいいと思ってないんですよ。webCGっていうメディアの特性もあると思うんですが、ライターさんからいただく原稿や読者さんの感想に対して、違和感があるんですよね。読者の方は中国・韓国のデザインをこき下ろすし、ジャーナリストは日本車のデザインを下に見てる。

清水:クルマ好きが基準とするヨーロッパ車に対してね。

ほった:でも、たとえば諸先生方が絶賛しているフィアットの「グランデパンダ」なんかを見ても、ワタシなんかは「『ヒョンデ・インスター』とそんなに違う?」って思っちゃうわけですよ。昔はね、ヨーロッパ車のほうが断然上ってこともあったかもしれないけど、今は決してそんなことはないんじゃないかと。

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