Facebook、従業員にログイン情報を求める企業を非難

自社の従業員や採用を予定する志望者に対して、FacebookのアカウントIDとパスワードを要求する企業の動きが波紋を呼んでおり、Facebook側ではこうした行動をとる企業を非難している。
Facebook、従業員にログイン情報を求める企業を非難

あなたの上司はあなたのFacebookアカウントにアクセスしたがってはいないだろうか。(写真:Scott Beale/Laughing Squid)

自社の従業員や採用を予定する志望者に対して、FacebookのアカウントIDとパスワードを要求する企業の動きが波紋を呼んでおり、Facebook側ではこうした行動をとる企業を非難している。

「企業がFacebookユーザーのプロフィールやプライヴェイトな情報に不適切にアクセスしようとしていると、従業員や志望者から報告されるケースがこの数ヶ月増えてきており、これは由々しきことだ。こういった行為は、ユーザー自身とその友人両方のプライヴァシーやセキュリティの問題に関わることであり、雇い主は想定外の法的責任を問われる可能性にさらされる可能性もある」。Facebookのチーフ・プライヴァシー・オフィサーであるエリン・イーガンは23日付のブログ記事のなかでそう述べている。

「Facebookのユーザーは、自分のパスワードを誰かと共有したり、誰かに自分のアカウントにアクセスさせることは絶対にすべきではない。また、アカウントのセキュリティを危険にさらしたり、友人のプライヴァシーを侵害する可能性があることに関しても同様だ」(イーガン氏)

企業などの雇用者側がこうした動きに出る例は、以前から報告されている。たとえば2009年の6月には、モンタナ州のボーズマンという市で、自治体側が求職者に対し、FacebookやTwitter、YouTubeなど、さまざまなサービスで登録しているIDとパスワードの記載を求める入力欄を応募フォームに設けたことが話題になっていた。また今年はじめには、メリーランド州の公衆安全矯正事業部(Maryland Department of Corrections)が、ある男性の復職面接においてFacebookのIDとパスワードの提示を求めたことに対し、米国自由人権協会(American Civil Liberties Union)が非難したとの報道もあった。さらに、今週もカナダで同様の問題をCalgary Heraldが報じたばかりだ。

Facebookのイーガン氏はブログのなかで、同社がユーザーのプライヴァシーやセキュリティを守るために、政治家への働きかけや法的措置を取る可能性もあるとしており、その一環としてプライヴァシーを侵害するような応募フォームの停止なども求めていくとしている。

なお、求人応募者のログイン情報開示を求める雇い主を相手にFacebookが法的措置を講じる可能性については、同社は「現在のところ特定の雇用者に対してすぐに法的措置をとる予定はない。ユーザーのプライヴァシー保護を強化するため、政治家や他の利害関係者らと協力を進めていく」と回答している。

TEXT BY Caleb Garling
TRANSLATION BY 中村航

WIRED NEWS 原文(English)