2016年6月26日日曜日

Counterfly – Glazed



Release Information
[Artist]Counterfly
[Genre]Electronica, Dance, Funky
[Release Date]April 1, 2016
[From]Broque
[CAT number][brq110]
[Tracks]5 tracks (12:21)
[Price]Free


今回は、ドイツのレーベル”Broque”より出された"Counterfly"(Soundcloud)と言う名義で活動されている、若干20歳のLorenzo Olivieri氏による5曲EPをご紹介したいと思います。ジャンルはElectronica/Danceといったところ。

合計5曲のEPで、1曲あたり3分前後と短い作品ですが、Counterflyの表現力の豊かさを垣間見ることができる良い作品です。ジャズと電子音楽を聞いて育ったと言う、まあもう最近ではごく一般的な感じのCounterflyですが、好きなスタイルをそのまま1曲に様々な要素を詰め込んでアウトプットできるのは素晴らしい才能で、それを思う存分堪能できる作品です。

スタイルとしてはElectronica/Danceをど真ん中行っているバランスです。特にM1は表題曲だけあって、VocalもサンプリングされたどこかJuke/Footworkなドラムパターンで、とてもキャッチーで好みです。続く2曲は、影響されたアーティストを感じることができます。M2なんかはFour Tetの曲とのつなぎとしても全く遜色ない出来の4つ打ち曲で、カッコいい。M3はジャジーな曲の中にすんなりと収まっているクラシカルなピアノのメロディフレーズがドビュッシーを感じられてとても心地いいです。

他にもLuke VibertやDabryeなどに影響されたというCounterfly。偉大なアーティストたちに影響されながら、自分のものにしていく若干20歳の今後が楽しみな、才能あふれるEPです。要チェックです!


Tracklist


Download Album Counterfly - Glazed

2016年6月18日土曜日

Artist Guide: IJO


今日は、最近単調気味だった記事更新に違ったリズムを投入したいと思います。”Artist Guide”と言うことで、その名の通り、私が今まで聞いた中で特に好きなアーティストをざっくり紹介していくコーナーであります。

記念すべき1回目は、"リトアニア産のRichard D. James"ことIJOでございます。

僕のIJOとの出会いは、老舗のネットレーベル”Sutemos”から出された”The Driw Play EP [Sutemos005]”だったと思います。”Sutemos”自体は、ネットレーベル界イノベーターやアーリーアダプターたちのブログ(kaiの判別式さんやMusic Forestさん)を読み漁ってたころ、名盤コンピ”Intelligent Toys [Sutemos002]”を聴いてネットレーベルに衝撃を受け(今でも外付けハードディスクの埃の被ったフォルダから取り出しては聴くことがあります。)、続けて出されたIJOのこの”The Driw Play EP”がいわばセカンドインパクトでありました。Squarepusherの”Feed Me Weird Things”のような、キャッチーでJazzyな、アーメンまみれのドラムンベース。コーンウォール一派の音楽を知ったばかりの自分には、IJOを好きにならないわけがありませんでした。

そんなIJOさんですが、非常に多作なアーティストでありまして、Discogsを見るとアルバムだけでも7つ、EPは20を超えています。 とてもじゃないけど全部を紹介するのは生産的なものではないので、特筆すべきものだけをピックアップしてみました。



1. 28 Remakes By IJO (2012)


Release Information
[Genre]Remix, Electronic, Vocal
[Release Date]October 16, 2012
[From]Blikmuzik
[CAT number][BLIK010]
[Tracks]28 tracks (2:12:10)
[Price]Name Your Price

Preview: Ruxpin - Her Body Smells Of Cinnamon (A Remix By IJO)

まずはIJOの多才ぷりを思う存分に味わえるアルバムとして、Remix集を紹介したいと思います。

当リリースは合計28曲もあり、2003年から2012年までの作品群となっていて、いわばIJOの集大成な感じになっています。なのでBreakcore(M6,M8,M9など)から繊細なVocalモノのRemix(M6, M25とかホント良いんですよ)、Dubstep(M4など)や得意のBreakbeats(M14など)、果てにはAmbientまでと、、、とりあえずElectronicなジャンルでしたら何でもありなアルバムですので、間違いなく好みの曲は一つは見つかると思います。

とりあえず、まずはこれを聴いてIJOの魅力に掴まれてください。

Download Album 28 Remakes By IJO




2. Delay Preform (2010)


Release Information
[Genre]Chill, Ambient, Breakbeats
[Release Date]August 23, 2010
[From]Blikmuzik
[CAT number][BLIK001]
[Tracks]8 tracks (37:27)
[Price]Name Your Price

Preview: Tier Valley

お次に紹介したいのは2010年のDelay Preform。1つ目とは違ってこのアルバムは完全オリジナルとなっていて、美メロクリエイターとしてのIJOが楽しめる作品になってます。

また音の空間処理の才能も感じ取ることができ、とても上品で力作なElectronicaアルバムとなっています。

幻想的なAmbient, Electronica好きにはオススメしたい一作です。

Download Album Delay Preform


3. The White Out EP (2009)


Release Information
[Genre]Ambient
[Release Date]August 9, 2009
[From]Resting Bell
[CAT number][rb065]
[Tracks]5 tracks (19:26)
[Price]Free

Preview: Tenses

Beatlessな、完全Ambientな作品を堪能したいなら、このWhite Out EPがオススメ。

浮遊する電子音から、しぐれ聞こえてくる断片的なメロディがとても美しいです。雨の音みたいなField Recordingも使われていたりと、深く聞き入るとかなり心打たれます。

老舗ネットレーベルResting Bellを知るきっかけとしても良い作品です。SAW2とか好きな人には間違いなくオススメです。

Download Album The White Out EP


4. The Driw Play EP (2004)


Release Information
[Genre]Chill, Jazzy, Breakbeats
[Release Date]January 1, 2004
[From]Sutemos
[CAT number][sute005]
[Tracks]4 tracks (14:10)
[Price]Free

Preview: Ummpse

最後に紹介したいのは、冒頭でも紹介した、SutemosからのThe Driw Play EPを紹介したいと思います。

わずか4曲の小さいEPではありますが、IJOを一躍有名にさせた(?)EPでもあり、IJOの魅力が詰まっています。1曲目と2曲目はLaid BackなJazzy Breakbeatsで、彼の代名詞的なサウンドが楽しめます。哀愁感じるギターサウンドとベースの交わりがとても良いです。

変わって3曲目は一番キャッチーなAmenまみれのJazzy Breakcore。やはり彼の得意とする分野でしょう。2004年リリース当時は、Squarepusherが”Ultravisitor”とかリリースしていたBreakcore全盛期とも言える時期で、このようなサウンドがNetlabelからリリースされたことが衝撃だったのかと想像されます。

最後に飾るのは、電子的なAmbient/Glitchなピース。この曲だけ他の3曲に比べて異色ですが、初期の作品からもIJOの違った顔を垣間見ることができます。

Download Album The Driw Play EP





以上、ざっくり4つほどIJOのリリースを紹介してみました。

他にもデビュー・アルバムのAmbient作品”Melancholika”だったり、Sutemosからの2作目”Computer Pop EP”だったりと、まだまだオススメしたいものはあります。が、やはり長くなってしまうので、最後は一番ワイルドでRaveな曲として、レーベル”Bit-Phalanx”(IJO主催のレーベルでもあります)の”The Welcoming Committee”コンピに収録されている曲なんかもかなり印象深かったので、紹介して終わりにしたいと思います。

って、この記事を書いている間にも早速新作”Retrodiziac LP”が発表されたそうで…今後もIJOから目が離せません!