ワルテルと天使たちと小説家

群れに

　アイトールを迎えて２週間がすぎた。

　今では産まれた時から家にいたかのように振る舞っている。

　父ちゃんと母ちゃんとアイトールで、新しい群れになったんだなあ。

　最初はおっかなびっくりだった散歩も今は大好き。
　父ちゃんが玄関に行くだけでどこにいようとすっ飛んでくる。
　散歩の間はいつもにっかにかだ。

　へそ天で寝るようにもなった。
　安心の形。
　みているこっちもほっこりする。

　先週から、父ちゃんが仕事部屋にいくとついてくるようになった。
　父ちゃんが仕事をはじめると、おとなしく足もとで眠っている。この３０年、毎日そうであった光景が復活した。
　マージもワルテルもソーラもアイセもマイテも、日中は父ちゃんの足もとで寝て過ごしていたんだ。

　愛おしいワンコが仕事中、足もとで安心して眠っている。
　ただそれだけのことがとても幸せだ。

お下がり

　先週の水曜日、病院に行って体重を計ってもらった。
　ジャスト30キロ。

　おいおい、まだ生後五ヶ月だぜ。
　アイセが36キロぐらいだったから、すぐに追い越しちゃうなあ。

　翌朝は雨。これからどんどん大きくなるのに新しい服やコート買ってもしょうがないので、アイセのレインコートを借りて着せた。

　ＨＡＩＺＥと名前が刺繍されたレインコートを見たら、胸の奥がぎゅっとなった。

　アイセ、おまえのレインコート、借りるぞ。
　そういえば、アイトールに使ってるリードもおまえのお下がりだ。
　ありがとうな。

ひとりっ子

「食べ物で簡単に釣れますから」
　アイトールを連れて帰る時、犬舎のスタッフにそう言われた。

　なるほど。
　ご飯やおやつで釣ると、お座りも待てもすぐに覚えたぞｗ

　マージ以外の我が家のワンコたちには必ず先住犬がいた。
　ワルテルにはマージ。
　ソーラにはワルテル。
　アイセにはソーラ。
　マイテにはアイセ。

　先輩たちが犬のあれこれや我が家のルールを教えてくれたから、人間は楽ができた。

　アイトールにはその先輩がいない。
　マージの時のことを思い出しながらやらないとなあと思っていたのだが、それが思い出せない。
　三十年も前のことだもんなあ。

　どうしようと心配だったのだが、アイトールは覚えが速いので楽ちんだ。

　ただ、留守番させられるようになるのはもっと先かなあ。
　マイテなんて、アイセがいてくれたから速攻で留守番させたもんだがｗ

　今はまだ軽井沢も蒸し暑いので、朝の散歩も３０分が限界。
　来週から一気に下がるみたいだから、そしたらもっと歩いてもっと遊ぼう。

　それにしても軽井沢、蒸し暑すぎる。

アイトール、降臨

　９月５日に浦河から軽井沢に戻り、いろいろ雑用を片づけてから、昨日、９月１２日、静岡の犬舎まで車を走らせて
アイトールを迎えに行った。

　二ヶ月ぶりに会うアイトールはさらに増量していたｗ

　でも、可愛い。とっても可愛い。

　軽井沢へ戻る車中は、さすがにずっと緊張していた。群れから引き離されてｒ、知らない人間と知らない場所に向かっている
んだもの、当然だよな。

　でも、途中、清里の道の駅で降ろしてやると、破顔して楽しそうに歩きはじめた。

　初めての段差に戸惑ったり、トラックの立てる音に驚いて横っ飛びしたり、生まれて初めての散歩は驚きの連続だったよう。

　でも、歴代のワンズもみんなそうだった。
　毎日散歩に行っていろんなこと経験して大人になり、人間との絆を深めていく。

　散歩、いっぱい行こうな、アイトール。

　昨夜、軽井沢は酷い雷雨に見舞われた。
　家の周りはどろどろ状態だったので、朝は家族みんなでアウトレットモールに行って散歩した。

　父ちゃんの左を歩くこと。
　まずそこから教える。当然ながらなかなか上手く行かない。
　それでも、一度たしなめたら、リードを引っ張ることはしなくなった。賢い子だ。賢くて可愛くて優しい。

　いきなり親馬鹿炸裂だなｗ

　それにしてもよく食うし、ウンチの量も半端ない。
　どれだけでかくなるのかなあ……