【情報システム】【医療】医療情報インフラの提案
先日のBlogでも書いたとおりだが、薬局での薬の情報の提供に非常に感心したので、もっと包括的な医療情報インフラを作るとどうなるのか考えてみた。
もちろん、個人情報保護法や医療制度などの課題により今回の提案が全て受け入れられるとは思えないが、みなさんの建設的な意見を基にブラッシュアップさせていきたい。
まず、どのような情報を流通させるか?それには以下のように分類できるだろう。
タイプ1:医者⇔医者間のみ流通させる情報(レントゲン写真、電子カルテなど)
タイプ2:医者⇔薬局間で流通させる情報(薬の指示についての情報、電子カルテの一部)
タイプ3:医者、薬局、利用者間で流通させる情報(薬の効用、薬の投与歴、今までの通院歴)
(タイプ4:会社等の健康保険センタ、保険会社が閲覧できる情報?薬の投与、医療点数?:適切に医療が行われているか監査するため)
もし、足りない情報等があればコメントを頂きたい。上記のように情報はランク付けされており、それらによって見られる情報は制限されている。
さて、これらの情報を勝手に見られると大変に困る。そこで以下のような対策をする。
対策1:情報の蓄積、サーバの設置等は公的な機関(またはそれに準ずるもの)で行う。
対策2:上記公的機関はPKIを兼ねても良いが、既存のGPKIを利用しても構わない。今回はこの公的機関がPKIのルートCAになることとしよう。公証局を兼ねていればベターだろう。
対策3:医療関係者、薬局関係者、利用者にはICカードを渡す。ただし、それぞれの役職において情報の利用権限等は異なる。
対策4:全ての情報流通にはICカードが必要である。例えば、医療スタッフが情報閲覧する際にもICカードが必要で、そのときにサーバにログが残る。例えば薬局の場合、通常利用では利用者の利用歴がない(あるいは利用者の個人カードを貸してもらえないと)個人情報を閲覧できないなどが考えられる。
対策5:サーバに蓄積されたログについては定期的にチェックをし、不必要な閲覧等や情報漏えいの可能性がないかチェックを行う。
対策6:PKIを利用する際、情報については改ざんできないように電子署名をする。例えば医療カルテなどに電子署名をする。
対策7:個人がICカードを利用する際にはPINを入力する必要がある。
対策8:情報にはランクを設け、適したスタッフが適したレベルの情報を見る事ができる。
こんな感じだろうか。医療スタッフ等の情報管理はICカードでなくても指紋認証などのバイオメトリックスで良いかもしれない。
このようなインフラを作れば、全ての病院、薬局は、今までの患者の投与歴や病歴等を考慮しながら数々の判断ができる。またそれだけでなく、患者は薬の効能や投与歴をWEBで見る事もできるし、なによりもICカードを他の病院の先生にもってくることによって、自分の電子カルテから他の医療機関からアドバイスを受ける事も出来る。
(このようなアドバイスを受ける事をセカンドオピニオンと呼ぶ。)
風通しのよい情報流通は風通しのよい医療制度を整えるのに一役買うことだろう。病院と薬局、そして患者が求めていたシステムがここにはあるのかもしれない。
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コメント
床屋にカルテが欲しいです。
どこの床屋に行っても、それを渡せば、その通りに散髪してくれる。
「基本的にはこの髪型だけど、全体的に短めで」とか注文したり、
「今回の髪型は気にいったので、次回からのデフォルトにする」とかできる。
投稿: | 2004.08.28 23:49