VoIPに関わる研究・開発に従事しているのですが、VoIPにおける体系的な勉強を今一度したいと考え「VoIPアドバイザ試験」を2014年2月に受けました。VoIPアドバイザ試験は選択問題(4択がほとんど)でPCで受講します。試験対策の研修を受けることが通例ですが、私は時間がなかったので研修なしで受講、合格しました。
ここではVoIPアドバイザ試験に向けた対策(自主勉強のみ)を3つ書いておきます。
①試験対策本を購入する
オフィシャルな試験対策本は残念ながらありません。ただし、試験を作成しているIPTCPが推奨する「NGN時代のIP電話標準テキスト」に沿って問題が8割程度出ている印象でした。
そのため、何はともあれ「NGN時代のIP電話標準テキスト」を購入し、熟読しましょう。特に章末問題を何回も解くことで、弱い部分を何度も読み直しましょう。
計算問題はVoIP音声帯域ぐらいです。パケット送信間隔やコーデック等の条件を変えても簡単に答えられるように問題に慣れておきましょう。
なお、VoIPの知識や業務経験はあまりないという方は①をさらっと読み、③の勉強をしてから再度①を行いましょう。
②対策試験サイトで腕試し!
「VoIPアドバイザ プレ?試験」という、試験対策用の問題を解くことができるサイトがあります。
計算問題やひっかけ問題もあり、まさに本番の試験と同じような感覚です。
このサイトを利用することで、自分の弱点がわかるようになります。
よく間違える問題は試験対策本や③で紹介する本を読み直しましょう。
③VoIP関連技術を書籍で復習
7〜8割の問題は①,②に沿った問題です。しかし、残りの問題は必ずしも対策本の内容から出題されるとは限りません。
そのため、「ネットワーク」「SIP、NGN」の知識を改めて復習しましょう。
◇ネットワーク
TCP/IP関連の本、あるいはCCNA/NWスペシャリストのようなNW系資格の教科書を購入するとよいでしょう。特に「イーサネット/IP/UDP」「NAT」「無線LAN」「セキュリティ対策」に関わる内容はすでに学習済みでも、再度振り返っておいたほうがよいでしょう。
◇SIP、NGN
SIP、NGNの基本的な用語やシーケンスは一通り確認しておきましょう。
SIPのシーケンスや①でわからないところを「次世代SIP教科書」で確認する、という使い方が良いでしょう。また、「電話はなぜつながるか」も合わせて読んだ方が良いでしょう。
■結果について
お陰様で一発合格です。90点以上のスコアを取得しました。
学習期間は3週間でうち2週間は対策本の読み込みと章末問題を解くことでした。
VoIP開発に携わってない方はもう少し長めに対策期間を取ったほうがよいでしょう。
■終わりに
VoIPの開発に携わっているためVoIP技術には日々慣れ親しんでいたものの、この試験対策による勉強を通して、自分の知識の曖昧さや漏れの多さに改めて気づかされました。その意味でVoIPの知識を体系的に学びなおすことができた良い機会だったと思います。
VoIPに携わる方は技術者だけでなく、営業の方も一度は受けたほうが良い学習効果の高い資格だと思いました。CCNA VoIPと異なり、機器の操作手順の問題がないことや資格の有効期間がないこともよいと思います。
VoIPに関連した仕事をされる方は是非試験を受けてみてください。試験を受ける気がない方も①の本は熟読をお勧めできる良書です。