お客様に長く愛されているお店ってどんなお店だろうか。
私の住む街の近くに一軒の美容室がある。
創業40年くらいの街の小さな美容室。
ここには近くの60歳から70歳くらいのお客様が毎月通っている。
年々ほんの少しずつお客様の数は減ってしまっているが(引越しや病気などのやむを得ない理由が多いと思う)、毎月お客様の顔ぶれはここ10年くらい変化がない。
ほとんどのお客様が毎月通ってくるので、美容室特有の季節による売上差が少ない。
これって結構すごいことだと思う。
お店一軒が成り立つくらいのお客様を確保して、何十年もそれを維持し続けるなんて、何かしら経営的に工夫や努力をしていないと出来るわけがない。
もちろん、昔からある床屋や美容室はこういった傾向があるのは充分承知しているが、ここ10年くらいの出店ラッシュの影響で既存店の廃業も増えているのは事実。
そういう時代の中で、お客様に愛され続けるのはなかなか出来ることではないと思う。
一度このお店を訪れたことがある。
地域調査を行った時、このお店の名前が住民から多く挙がったからだ。
(認知度、来店度、固定客確率などの調査)
私は地域調査の一環として、訪問させていただき、インタビューを試みた。
何か秘訣があるのかと思い、質問に力がこもる。
「これだけ地域の住民の方々から愛されている秘訣は何ですか?」
という質問に対し、この美容室の美容師さんは、
「お客様のことを深く知っているからだと思うよ。深く知らなければ、良いスタイルは作れないし、お客様が本当に喜ぶことも出来ないしね。」
と言ってくれると、奥からファイルのようなものを持ってきて私に見せてくれた。
「これカルテなんだけど、何十年もあるとこんなに分厚くなっちゃって・・・。」
ファイルには何十枚もの紙の束とノートが何冊かあった。
「これが1人分のカルテなんだよね。昔はパソコンとかコピーなんかもそれほど普及していなかったから、管理が大変だった。」
中身をよく見てみると、来店時のスタイルの詳細や会話内容、何かこちらから提案したこと、新たに入った情報などをずっと書き綴ってあって、1回1回の来店時の情報が半端じゃない。
「若い時は結構覚えられたんだけど、10年位前から書かないと覚えられなくて・・・。」
パソコンやコピーなどがなかったころのページは、全部手書きでひな形を作って書き込んである。
並の努力ではなしえない威圧感をそのカルテから感じた。
「お客様のことをよく知って、よく理解しようとするからお客様のことが大好きになれる。関心を持ってもらえば、お客様の方も私や私の店に関心を持ってもらえるようになるんじゃないかな。関心があれば、何かあれば気になるし、少しでも顔色が悪かったりすると心配してくれたりする。家族みたいなもんだと思う。」
自分やお店に関心を持ってもらうには、自分からお客様に関心を持たなければならない。お互い関心がなければ、普通の関係で終わってしまう。
何十年もお客様に愛され続けてきたお店の美容師さんが言った言葉に凄みを感じた。
お客様に長く愛され続けるお店への一番のヒントになるだろう。
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2010/02/03 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ |こんばんはkazuhairです。
この記事を見て改めてカルテについて考え直しました。
明日から早速カルテ記入細かくやっていきます。
長い間、愛されるお店になるために。
kazuhairさん、おはようございます。
いつもご訪問ありがとうございます。
情報量が増えてくると、今度は管理が大変になってくると思います。
カルテ一枚に書ける情報は限られてくるので、プラスアルファの何かが必要になりそうですね。頑張ってください!
※ホームページ拝見しました!ご自分で作成されたんですか?すごい!
> こんばんはkazuhairです。
> この記事を見て改めてカルテについて考え直しました。
> 明日から早速カルテ記入細かくやっていきます。
> 長い間、愛されるお店になるために。
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