2016-09-18(Sun)
ラブライブ!サンシャイン!! #12 はばたきのとき
自分だけの景色を探します。

みんなといっしょに、自分たちの足で。

やる事やったら結果を待つのみ、というわけで前回チャレンジしたラブライブ予備予選の結果がさっそく発表の運びに。こういう発表もスマホ経由って辺り今どきであります。普段は呑気なみなさんもさすがに緊張の波が高まり、そわそわ落ち着かない子、紛らわせるためパンを食べまくる子(これはいつもか)、空気に耐えきれずランニングに出掛ける子などなど…の中で燭台に火を灯し、道端に描かれた陣にて儀式を始める善子の妙なテンションに笑う。ひものトラック許すまじ(笑。そして風に煽られたセーラー裾からチラチラ覗く肌色がナントモ。
「アクアのアですわよ! ア! ア! ア!」
ほどなく合格発表が始まり曜のスマホに群がるみなさん、超テンションで食い付くダイヤさんの言葉を受けつつ固唾を呑んで発表画面を確認すると最初に表れたのは「イーズーエクスプレス」! 先に「イ」が来ちゃったらもう終了じゃん! まさかの予備予選落ちに一同ガックリ真夏の寒風が吹きすさび…と思いきや発表はエントリー番号順だったというベタなコントを挟みつつ、発表画面をドキドキスクロールすると無事にAqoursの名前があっておめでとうございます。オーマイガー!

最初のハードルを無事突破したAqoursのみなさんは部室に集って軽く祝宴。ジョシコーセーの集まりに舟盛りってのはどうなんだろ?(笑。ともあれさすが予備予選突破グループだけあってPVの再生数もコメント数もうなぎパイ昇り…158,372回の再生数も大したものですが、それより注目すべきは「全国ランキング:16位」の表示です。これは前回チラリと示されたSaint Snowの順位「28位」を大きく上回るもので、これまでの経緯(両グループの力量差)を鑑みるとどうにも納得しづらいランキングではあります。ちなみにSaint SnowのPVは前回の時点で再生数:185,296回、つまり後のUTXでのやり取り(PV再生数が云々)に齟齬が生じちゃっていますね。あらら。ってなトコへ東京の梨子から電話が入り、お互いの健闘を讃え合ってとりあえず一件落着。手前に詰まれた楽譜の山はブランクを克服する練習の大変さを演出…しているのかと思ったら(笑
「じゃあ次は九人で歌おうよ! 全員揃ってラブライブに!」
梨子のリベンジ達成を知った曜は張り切ってみんなに声を掛け、その様子を嬉しそうに見つめる千歌。こちらのすれ違いも完全に解決したようで何よりであります。などなどラス前第12話の時点でこんな順風満帆だと逆に不安になるもので、そんな気分を見透かしたように懸念材料が投下されるのでした。
「きっと今回の予選で学校の名前もかなり知れ渡ったはず」
「そうね、PVの閲覧数からすると説明会参加希望の生徒の数も…」
本来の目的であった浦女存続カツドウの手応えに盛り上がったトコで、鞠莉さんが意気揚々と開いた申込者数はまさかの「0人」、またゼロか!

「はぁ…またゼロかぁ」
次の瞬間 千歌が同じ事を呟いてちょっと笑った。いくら人気が上昇しても入学希望は別の話、そりゃどんだけ見事なPVを見ても、どんだけ素敵なアイドルがいるとしても、沼津の片田舎へ引っ越してまで入学したい!なんて酔狂はなかなか難しいでしょう。とはいえせめて沼津市在住の中三生が一人くらい釣れても良さそうなもので、ここまで完全否定してしまうと本作の骨子部分をも否定する事になっちゃいそうな。ううむ。もちろんこれとて「ゼロから云々」の話に絡めた筋書きでしょうけど、この段階で希望者ゼロはさすがに演出過多(筋書きありき)を感じてしまう。
ともあれ非情な現実に打ちのめされる千歌は予選後の出来事を頭に浮かべ…サインを求められ、チェキを求められ、握手を求められる大人気っぷりは何だったのか? 追いかけているファンはパッと見高校生で、つまり高校生に人気があってもダメって事かも。それはそうとAqours以外のスカートがみんな膝丈でちょっと笑った。やっぱり浦女の制服は短すぎるって。
「μ'sはこの時期にはもう廃校を阻止してたんだよね」
「差あるなあ…」
「仕方ないんじゃないかな。ここでスクールアイドルをやるって事はそれほど大変って事」
「東京みたいに放っといても人が集まる所じゃないんだよ」
これ以上どうしたらいいのか判らないトコへμ'sの実績を示されますます落ち込む千歌。まあμ'sの場合は対象者に直接アピールできたからなあ。さらに果南によって地域格差を突き付けられ…地方の不利は承知の上、それでも何か方法があるはず! やおら立ち上がった千歌はかき氷をかっ込むと家へ駆け出し一人で再考。きーん。
「何が違うんだろう…」
部屋に転がりμ'sのポスターを見上げて「自分たちとの違い」を考える千歌。なかなか凄いアングルです(笑。μ'sも同じ「普通の女の子」だったはずなのに、しかし実際にスクールアイドルをやってみるとこれほどの差があって、溜息混じりにあれこれ考え…姉ちゃんが入って来ても気付かないほど没入した千歌は突然パッと立ち上がり――
「もう考えててもしょうがない! 行ってみるか!」
みんなに電話を掛けて「違い探しの旅」へ誘うのでした。そんな思い付きでパッと東京へ行けちゃうなら以前の東京行きでのドタバタは何だったんだ? と思うけれど最近行って慣れたとすればまあいいか。パッと映った曜の部屋に布地ロールや裁縫台があってなるほど、そして黒澤姉妹の揃いのネグリジェ&お下げがかわいすぎ。仲良いなあ。
「私は一日帰るの延ばせばいいけど…」
在東京の梨子も日程調整で承諾。しかし様子がちょっとおかしい? と思ったら、先に「山積みの楽譜」と思ったものの正体ががが! ちょっと目を離した隙にこんな買い込んだのか!(笑。しかし梨子のこの設定は今後活かされる日が来るのだろうか?

Bパート冒頭は早々に東京駅丸の内口へ降り立ったみなさん。妙に東京を敵視しているダイヤさんは先のアイドルイベント絡みかと思いきや…小さい頃のトラウシもといトラウマによるものとか。ごちゃごちゃの路線図を前に「ピギィ~!」と泣く小っちゃいダイヤさんはかわいいけれど、これまでの話の流れ上「そうじゃないだろう?」と思わなくなくも。あれほど「東京に負けた」事を強調していたキャラの根源がこれではコメディにもならない。
「梨子ちゃん? 何入れてるの?」
「おみやげとか…おみやげとか…おみやげとか…」
「え! おみやげ!」
「あ゙~~~っ!」
一方梨子は待ち合わせ前にコインロッカーへ怪しい紙袋(笑)を詰め込み、ってなトコへみなさんが来てしまってさあ大変です。おみやげと聞いて食い付く千歌、ますます慌てる梨子、すると例の紙袋がドサッと落ちて…絶叫しながら千歌の目を塞ぐ梨子が切実すぎてナントモ。それにしてもしいたけネタにせよ同人誌ネタにせよ梨子をどうしたいのかよく判らない。真面目な子が崩れる様はたまにやれば笑いを誘いますがこの扱いだと単にキャラ下げしているだけのような気がする。

「まずは神社、実はねある人に話を聞きたくてすっごい調べたんだ。そしたら会ってくれるって! 話を聞くには打って付けの凄い人だよ!」
「東京…神社…」
「凄い人…まさか…」
「「まさか! まさか! まさか!」」
パンダの如く手の跡を付けた千歌の言葉に大盛り上がりの黒澤姉妹。スクールアイドルマニアの二人が誰を思い浮かべたか大抵予想が付き、まさか! まさか! の声に合わせてシーンは神田明神に進み、本殿に立つ影に私もまさか!?と思いつつ、ってなトコで振り返った姿は――
「お久しぶりです」
「「な~んだ~」」
「誰だと思ってたの?」
まあこんな事だろうとは(笑。それは良いとしてSaint Snowはこのためにわざわざ北海道から出てきた? 都内在住ならそんな邪推も要らないだろうになぜわざわざ道民に設定したのだろう。
シーンはそのままUTX学院のカフェスペースへ。生徒用だったはずのスペースに当然のように入り込んでいるって事は、つまりSaint Snowの母校はUTX学院の姉妹校(?)なのかな。ここで北海道予選の件を褒める梨子&鞠莉さんを不躾にかわし、「再生数はあなたたちの方が上」と言い放つ聖良。ここは笑顔で謙遜するルビィがかわいかったけれど…前述のとおりSaint Snowの方が再生数多いんですよね。あの後1日で抜かれたってなら聖良の言うとおりだろうけど、ならばヒトコマでいいから比較画面を入れたらいいのに。
「でも決勝では勝ちますけどね」
不敵な笑みを浮かべて必勝宣言の聖良を口火に両者のラブライブへのスタンス差が描かれ始めます。何としても勝ちに拘るSaint Snow、憧れのA-RISEやμ'sと同じ高みに登る事が憧れた相手との差・違いを見通す道であると。
「勝ちたいですか?」
「勝ちたくないなら何故ラブライブに出るのです?」
一方千歌はその姿勢に疑問を抱き、しかし聖良の強い言葉に言い返せず思考はぐるぐるするばかり。この時点では「勝ち」への拘りに違和感を覚えつつも自分の答えが見つかっていないのですね。。なーんてやってるうちに恒例の「ラブライブ決勝大会発表」が迫り、みんな一斉にUTXビルの大モニタ前へ出て発表を待ちます。この後まだSaint Snowとの絡みが続くと思ったらあっさりと出番終了、つまり道民二名はこの短いやり取りのために北海道から上京したのか…。

Love Live! FINAL STAGE
AKIBA DOME
ほどなく発表された決勝開催地、アキバドームでの決勝を知ったみなさんは今から大ステージの空気に呑まれて不安顔を浮かべています。結成してまだ数ヶ月、ライブ経験は学校の講堂と東京イベントと予備予選会場程度の田舎チームが「ドーム開催」と聞いたら及び腰になっちゃうのも道理でしょう。するとそんな胸中を察した梨子は――
「ねえ、音ノ木坂行ってみない?」
不安に圧されるみんなを音ノ木坂へ誘うのでした。ピアノリベンジを果たした事で音ノ木坂へ行けるようになった。むしろ行ってみたい。どんな気持ちになるか確かめてみたい。そう語る梨子へみなさんは賛成の声を上げ、μ'sの母校を見れば何か思う事があるかも?と前向きな姿勢も見せつついざ音ノ木坂へ!
「ここがμ'sのいた…」
「この学校を守った…」
「ラブライブに出て奇跡を成し遂げた…」
見覚えがある大階段をダーッと登って辿り着いた茶色い校舎。ああ懐かしい。校舎を見たみんなは口々に感動を語り…ってなトコへ現れた短髪娘によってμ'sのその後が語られます。
「μ'sの人たち、何も残していかなかったらしいです」
自分たちのものも優勝の記念品や記録も解散と共に全て引き揚げ去っていった。勝ち負けの結果よりもそこへ至った思いこそが大切であり、その思いは物が無くとも伝わるはずであると。見慣れたドアに「アイドル研究部」の札が貼られている辺りμ'sスピリッツは今も受け継がれているのでしょう。ってなトコへ突然現れた穂乃果クリソツの女の子、大きなジャンプから手すり滑りまで自由すぎる行動もマンマコピーでありました。チラリ映った母親は穂乃果ではないようなのであくまでイメージ上のキャラっぽい。
「どう? 何かヒントはあった?」
「うん。ほんのちょっとだけど。梨子ちゃんは?」
「うん。私は良かった。ここに来てはっきり判った。私この学校好きだったんだなあって」
謎少女の言葉と自由幼女からAqoursの在るべき姿のヒントを得た千歌、逃げ出した母校への気持ちに改めて気付いた梨子。すると千歌は校舎に向かって頭を下げ、それに続いてみなさん一斉に頭を下げて「ありがとうございました!」…先駆者へ礼を向けながら、この時点でみんなの気持ちは無意識に決まっていたのかもしれません。そんな様子を見届けて姿を消した謎少女は劇場版のストリートシンガーを思い出します。迷える後輩への導き手みたいな。

「学校は救いたい、けどSaint Snowの二人みたいには思えない」
帰りの電車で東京での成果を話し合う三年生組。勝ちに拘りすぎて周りに牙を剥く姿を見て自分の一年生時代を思い出した果南、これはこれでそれっぽいけれど具体例が何も描かれていないため言葉に深みを感じられず残念だったり。正直言って果南はいろいろ描写不足すぎました。それはそうと果南の成長をわしわしで表す鞠莉さんってば少しは場所を考えましょう(笑。訴えるよ!
「ねえ、海見ていかない? みんなで!」
一方夕陽に照らされ東京での出来事を反芻していた千歌はパッと答えが閃いてみんなを海へ誘います、というか有無を言わさず電車を飛び出します(笑。降り立った駅は言わずと知れた寝屋川駅で、前作2期12話にてμ's解散が描かれた浜にてAqoursの新しい道が示されるとは…ベタっちゃベタな舞台設定ですがなかなかクるものがありました。この時点では。
「比べたらダメなんだよ、追いかけちゃダメなんだよ」
誰かと競うのではなく自分たちが思うまま自由にまっすぐ駆け抜けた。だからμ'sは飛べた。だからμ'sみたいに輝くためには自分たちの気持ちに従って自由に走る事が大切と語る千歌。事あるごとに描かれてきた「μ'sへの憧れ」ともすれば「呪縛」とも言えるほどの過剰な道標はこれにてようやく役割を終え、Aqours独自の道を探り歩む運びとなりました。まあこの流れは九分九厘最初から判りきっていて、正直まだかまだかと待っていたけれど、今となってはこのタイミング&このシチュで行う事に意義があったと思います。ただこれがAqoursの新たなスタートとすれば内浦の海でやった方がそれっぽいとも思え、なのにあえて寝屋川で行ったのは前作への決別を強調するためだった?とすら思えたり。メタ的な意味でも。
私自身μ'sにそれほど思い入れがあるわけではないのでこの程度の認識ですが、熱烈なμ'sファンにとって今回の描写は(ラストのポスター含め)結構寂しい思いをするのではなかろうか。千歌がアイドルを目指すきっかけ作りやその後の描写意図は判りながらも、こういう使われ方をするならμ'sを過剰に担ぎ上げない方が良かったかもしれないと(私レベルのファンでも)思ったり。
「指、こうしない?」
ともあれAqours独自の道を歩み始める決意の円陣へ。すると曜は「0から1へ」の意味を込めたLサインの円陣を提案。ハンドサインの意味としてはμ'sのVサインと同じって辺りミソかもしれない。田舎チョキみたいなものというか(笑。そんなこんなで合わせた指を天に突き上げ、夕陽をバックに高らかに飛んでシーンのキメ。続いて駅のホームで電車を待つシーンは学年ごとに固まる様子がいかにもですが、こういうのを見ると縦の繋がりが感じられなくて少々寂しいかも。実際本編中でも学年を越えた繋がりがあまり感じられないため、2期にはその辺の掘り下げを期待したいところ。
ラストシーンの襖は意識変化の表現として判りやすいとはいえ、μ'sのファンである事を辞めたわけでもあるまいし、ポスターを剥がした跡に背中を向けて寝ているカットは見方によっては「用済み」みたいにも思えるため、正直言って(私レベルのファンでも)あまり気分が良くなかった。μ'sへの憧れとAqoursの独自路線はまさに「それはそれ、これはこれ」であって択一では無いはず。せっかく締めのヒトコマを入れるならそういうニュアンスを含めてほしかった。
さて次回(とりあえず)最終回はどんな形で締めるのか? まあ二期が来るのは判りきっているので最終回前の寂しさもほとんど無く…今回が予備予選だったので次回は地方予選? いろいろあってライブを終えてさあ予選結果は!?→続きは二期で! なーんてなったら最高にストレスだけど私がライターだったらそうするかもしれない(笑
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みんなといっしょに、自分たちの足で。

やる事やったら結果を待つのみ、というわけで前回チャレンジしたラブライブ予備予選の結果がさっそく発表の運びに。こういう発表もスマホ経由って辺り今どきであります。普段は呑気なみなさんもさすがに緊張の波が高まり、そわそわ落ち着かない子、紛らわせるためパンを食べまくる子(これはいつもか)、空気に耐えきれずランニングに出掛ける子などなど…の中で燭台に火を灯し、道端に描かれた陣にて儀式を始める善子の妙なテンションに笑う。ひものトラック許すまじ(笑。そして風に煽られたセーラー裾からチラチラ覗く肌色がナントモ。
「アクアのアですわよ! ア! ア! ア!」
ほどなく合格発表が始まり曜のスマホに群がるみなさん、超テンションで食い付くダイヤさんの言葉を受けつつ固唾を呑んで発表画面を確認すると最初に表れたのは「イーズーエクスプレス」! 先に「イ」が来ちゃったらもう終了じゃん! まさかの予備予選落ちに一同ガックリ真夏の寒風が吹きすさび…と思いきや発表はエントリー番号順だったというベタなコントを挟みつつ、発表画面をドキドキスクロールすると無事にAqoursの名前があっておめでとうございます。オーマイガー!

最初のハードルを無事突破したAqoursのみなさんは部室に集って軽く祝宴。ジョシコーセーの集まりに舟盛りってのはどうなんだろ?(笑。ともあれさすが予備予選突破グループだけあってPVの再生数もコメント数もうなぎパイ昇り…158,372回の再生数も大したものですが、それより注目すべきは「全国ランキング:16位」の表示です。これは前回チラリと示されたSaint Snowの順位「28位」を大きく上回るもので、これまでの経緯(両グループの力量差)を鑑みるとどうにも納得しづらいランキングではあります。ちなみにSaint SnowのPVは前回の時点で再生数:185,296回、つまり後のUTXでのやり取り(PV再生数が云々)に齟齬が生じちゃっていますね。あらら。ってなトコへ東京の梨子から電話が入り、お互いの健闘を讃え合ってとりあえず一件落着。手前に詰まれた楽譜の山はブランクを克服する練習の大変さを演出…しているのかと思ったら(笑
「じゃあ次は九人で歌おうよ! 全員揃ってラブライブに!」
梨子のリベンジ達成を知った曜は張り切ってみんなに声を掛け、その様子を嬉しそうに見つめる千歌。こちらのすれ違いも完全に解決したようで何よりであります。などなどラス前第12話の時点でこんな順風満帆だと逆に不安になるもので、そんな気分を見透かしたように懸念材料が投下されるのでした。
「きっと今回の予選で学校の名前もかなり知れ渡ったはず」
「そうね、PVの閲覧数からすると説明会参加希望の生徒の数も…」
本来の目的であった浦女存続カツドウの手応えに盛り上がったトコで、鞠莉さんが意気揚々と開いた申込者数はまさかの「0人」、またゼロか!

「はぁ…またゼロかぁ」
次の瞬間 千歌が同じ事を呟いてちょっと笑った。いくら人気が上昇しても入学希望は別の話、そりゃどんだけ見事なPVを見ても、どんだけ素敵なアイドルがいるとしても、沼津の片田舎へ引っ越してまで入学したい!なんて酔狂はなかなか難しいでしょう。とはいえせめて沼津市在住の中三生が一人くらい釣れても良さそうなもので、ここまで完全否定してしまうと本作の骨子部分をも否定する事になっちゃいそうな。ううむ。もちろんこれとて「ゼロから云々」の話に絡めた筋書きでしょうけど、この段階で希望者ゼロはさすがに演出過多(筋書きありき)を感じてしまう。
ともあれ非情な現実に打ちのめされる千歌は予選後の出来事を頭に浮かべ…サインを求められ、チェキを求められ、握手を求められる大人気っぷりは何だったのか? 追いかけているファンはパッと見高校生で、つまり高校生に人気があってもダメって事かも。それはそうとAqours以外のスカートがみんな膝丈でちょっと笑った。やっぱり浦女の制服は短すぎるって。
「μ'sはこの時期にはもう廃校を阻止してたんだよね」
「差あるなあ…」
「仕方ないんじゃないかな。ここでスクールアイドルをやるって事はそれほど大変って事」
「東京みたいに放っといても人が集まる所じゃないんだよ」
これ以上どうしたらいいのか判らないトコへμ'sの実績を示されますます落ち込む千歌。まあμ'sの場合は対象者に直接アピールできたからなあ。さらに果南によって地域格差を突き付けられ…地方の不利は承知の上、それでも何か方法があるはず! やおら立ち上がった千歌はかき氷をかっ込むと家へ駆け出し一人で再考。きーん。
「何が違うんだろう…」
部屋に転がりμ'sのポスターを見上げて「自分たちとの違い」を考える千歌。なかなか凄いアングルです(笑。μ'sも同じ「普通の女の子」だったはずなのに、しかし実際にスクールアイドルをやってみるとこれほどの差があって、溜息混じりにあれこれ考え…姉ちゃんが入って来ても気付かないほど没入した千歌は突然パッと立ち上がり――
「もう考えててもしょうがない! 行ってみるか!」
みんなに電話を掛けて「違い探しの旅」へ誘うのでした。そんな思い付きでパッと東京へ行けちゃうなら以前の東京行きでのドタバタは何だったんだ? と思うけれど最近行って慣れたとすればまあいいか。パッと映った曜の部屋に布地ロールや裁縫台があってなるほど、そして黒澤姉妹の揃いのネグリジェ&お下げがかわいすぎ。仲良いなあ。
「私は一日帰るの延ばせばいいけど…」
在東京の梨子も日程調整で承諾。しかし様子がちょっとおかしい? と思ったら、先に「山積みの楽譜」と思ったものの正体ががが! ちょっと目を離した隙にこんな買い込んだのか!(笑。しかし梨子のこの設定は今後活かされる日が来るのだろうか?

Bパート冒頭は早々に東京駅丸の内口へ降り立ったみなさん。妙に東京を敵視しているダイヤさんは先のアイドルイベント絡みかと思いきや…小さい頃のトラウシもといトラウマによるものとか。ごちゃごちゃの路線図を前に「ピギィ~!」と泣く小っちゃいダイヤさんはかわいいけれど、これまでの話の流れ上「そうじゃないだろう?」と思わなくなくも。あれほど「東京に負けた」事を強調していたキャラの根源がこれではコメディにもならない。
「梨子ちゃん? 何入れてるの?」
「おみやげとか…おみやげとか…おみやげとか…」
「え! おみやげ!」
「あ゙~~~っ!」
一方梨子は待ち合わせ前にコインロッカーへ怪しい紙袋(笑)を詰め込み、ってなトコへみなさんが来てしまってさあ大変です。おみやげと聞いて食い付く千歌、ますます慌てる梨子、すると例の紙袋がドサッと落ちて…絶叫しながら千歌の目を塞ぐ梨子が切実すぎてナントモ。それにしてもしいたけネタにせよ同人誌ネタにせよ梨子をどうしたいのかよく判らない。真面目な子が崩れる様はたまにやれば笑いを誘いますがこの扱いだと単にキャラ下げしているだけのような気がする。

「まずは神社、実はねある人に話を聞きたくてすっごい調べたんだ。そしたら会ってくれるって! 話を聞くには打って付けの凄い人だよ!」
「東京…神社…」
「凄い人…まさか…」
「「まさか! まさか! まさか!」」
パンダの如く手の跡を付けた千歌の言葉に大盛り上がりの黒澤姉妹。スクールアイドルマニアの二人が誰を思い浮かべたか大抵予想が付き、まさか! まさか! の声に合わせてシーンは神田明神に進み、本殿に立つ影に私もまさか!?と思いつつ、ってなトコで振り返った姿は――
「お久しぶりです」
「「な~んだ~」」
「誰だと思ってたの?」
まあこんな事だろうとは(笑。それは良いとしてSaint Snowはこのためにわざわざ北海道から出てきた? 都内在住ならそんな邪推も要らないだろうになぜわざわざ道民に設定したのだろう。
シーンはそのままUTX学院のカフェスペースへ。生徒用だったはずのスペースに当然のように入り込んでいるって事は、つまりSaint Snowの母校はUTX学院の姉妹校(?)なのかな。ここで北海道予選の件を褒める梨子&鞠莉さんを不躾にかわし、「再生数はあなたたちの方が上」と言い放つ聖良。ここは笑顔で謙遜するルビィがかわいかったけれど…前述のとおりSaint Snowの方が再生数多いんですよね。あの後1日で抜かれたってなら聖良の言うとおりだろうけど、ならばヒトコマでいいから比較画面を入れたらいいのに。
「でも決勝では勝ちますけどね」
不敵な笑みを浮かべて必勝宣言の聖良を口火に両者のラブライブへのスタンス差が描かれ始めます。何としても勝ちに拘るSaint Snow、憧れのA-RISEやμ'sと同じ高みに登る事が憧れた相手との差・違いを見通す道であると。
「勝ちたいですか?」
「勝ちたくないなら何故ラブライブに出るのです?」
一方千歌はその姿勢に疑問を抱き、しかし聖良の強い言葉に言い返せず思考はぐるぐるするばかり。この時点では「勝ち」への拘りに違和感を覚えつつも自分の答えが見つかっていないのですね。。なーんてやってるうちに恒例の「ラブライブ決勝大会発表」が迫り、みんな一斉にUTXビルの大モニタ前へ出て発表を待ちます。この後まだSaint Snowとの絡みが続くと思ったらあっさりと出番終了、つまり道民二名はこの短いやり取りのために北海道から上京したのか…。

Love Live! FINAL STAGE
AKIBA DOME
ほどなく発表された決勝開催地、アキバドームでの決勝を知ったみなさんは今から大ステージの空気に呑まれて不安顔を浮かべています。結成してまだ数ヶ月、ライブ経験は学校の講堂と東京イベントと予備予選会場程度の田舎チームが「ドーム開催」と聞いたら及び腰になっちゃうのも道理でしょう。するとそんな胸中を察した梨子は――
「ねえ、音ノ木坂行ってみない?」
不安に圧されるみんなを音ノ木坂へ誘うのでした。ピアノリベンジを果たした事で音ノ木坂へ行けるようになった。むしろ行ってみたい。どんな気持ちになるか確かめてみたい。そう語る梨子へみなさんは賛成の声を上げ、μ'sの母校を見れば何か思う事があるかも?と前向きな姿勢も見せつついざ音ノ木坂へ!
「ここがμ'sのいた…」
「この学校を守った…」
「ラブライブに出て奇跡を成し遂げた…」
見覚えがある大階段をダーッと登って辿り着いた茶色い校舎。ああ懐かしい。校舎を見たみんなは口々に感動を語り…ってなトコへ現れた短髪娘によってμ'sのその後が語られます。
「μ'sの人たち、何も残していかなかったらしいです」
自分たちのものも優勝の記念品や記録も解散と共に全て引き揚げ去っていった。勝ち負けの結果よりもそこへ至った思いこそが大切であり、その思いは物が無くとも伝わるはずであると。見慣れたドアに「アイドル研究部」の札が貼られている辺りμ'sスピリッツは今も受け継がれているのでしょう。ってなトコへ突然現れた穂乃果クリソツの女の子、大きなジャンプから手すり滑りまで自由すぎる行動もマンマコピーでありました。チラリ映った母親は穂乃果ではないようなのであくまでイメージ上のキャラっぽい。
「どう? 何かヒントはあった?」
「うん。ほんのちょっとだけど。梨子ちゃんは?」
「うん。私は良かった。ここに来てはっきり判った。私この学校好きだったんだなあって」
謎少女の言葉と自由幼女からAqoursの在るべき姿のヒントを得た千歌、逃げ出した母校への気持ちに改めて気付いた梨子。すると千歌は校舎に向かって頭を下げ、それに続いてみなさん一斉に頭を下げて「ありがとうございました!」…先駆者へ礼を向けながら、この時点でみんなの気持ちは無意識に決まっていたのかもしれません。そんな様子を見届けて姿を消した謎少女は劇場版のストリートシンガーを思い出します。迷える後輩への導き手みたいな。

「学校は救いたい、けどSaint Snowの二人みたいには思えない」
帰りの電車で東京での成果を話し合う三年生組。勝ちに拘りすぎて周りに牙を剥く姿を見て自分の一年生時代を思い出した果南、これはこれでそれっぽいけれど具体例が何も描かれていないため言葉に深みを感じられず残念だったり。正直言って果南はいろいろ描写不足すぎました。それはそうと果南の成長をわしわしで表す鞠莉さんってば少しは場所を考えましょう(笑。訴えるよ!
「ねえ、海見ていかない? みんなで!」
一方夕陽に照らされ東京での出来事を反芻していた千歌はパッと答えが閃いてみんなを海へ誘います、というか有無を言わさず電車を飛び出します(笑。降り立った駅は言わずと知れた寝屋川駅で、前作2期12話にてμ's解散が描かれた浜にてAqoursの新しい道が示されるとは…ベタっちゃベタな舞台設定ですがなかなかクるものがありました。この時点では。
「比べたらダメなんだよ、追いかけちゃダメなんだよ」
誰かと競うのではなく自分たちが思うまま自由にまっすぐ駆け抜けた。だからμ'sは飛べた。だからμ'sみたいに輝くためには自分たちの気持ちに従って自由に走る事が大切と語る千歌。事あるごとに描かれてきた「μ'sへの憧れ」ともすれば「呪縛」とも言えるほどの過剰な道標はこれにてようやく役割を終え、Aqours独自の道を探り歩む運びとなりました。まあこの流れは九分九厘最初から判りきっていて、正直まだかまだかと待っていたけれど、今となってはこのタイミング&このシチュで行う事に意義があったと思います。ただこれがAqoursの新たなスタートとすれば内浦の海でやった方がそれっぽいとも思え、なのにあえて寝屋川で行ったのは前作への決別を強調するためだった?とすら思えたり。メタ的な意味でも。
私自身μ'sにそれほど思い入れがあるわけではないのでこの程度の認識ですが、熱烈なμ'sファンにとって今回の描写は(ラストのポスター含め)結構寂しい思いをするのではなかろうか。千歌がアイドルを目指すきっかけ作りやその後の描写意図は判りながらも、こういう使われ方をするならμ'sを過剰に担ぎ上げない方が良かったかもしれないと(私レベルのファンでも)思ったり。
「指、こうしない?」
ともあれAqours独自の道を歩み始める決意の円陣へ。すると曜は「0から1へ」の意味を込めたLサインの円陣を提案。ハンドサインの意味としてはμ'sのVサインと同じって辺りミソかもしれない。田舎チョキみたいなものというか(笑。そんなこんなで合わせた指を天に突き上げ、夕陽をバックに高らかに飛んでシーンのキメ。続いて駅のホームで電車を待つシーンは学年ごとに固まる様子がいかにもですが、こういうのを見ると縦の繋がりが感じられなくて少々寂しいかも。実際本編中でも学年を越えた繋がりがあまり感じられないため、2期にはその辺の掘り下げを期待したいところ。
ラストシーンの襖は意識変化の表現として判りやすいとはいえ、μ'sのファンである事を辞めたわけでもあるまいし、ポスターを剥がした跡に背中を向けて寝ているカットは見方によっては「用済み」みたいにも思えるため、正直言って(私レベルのファンでも)あまり気分が良くなかった。μ'sへの憧れとAqoursの独自路線はまさに「それはそれ、これはこれ」であって択一では無いはず。せっかく締めのヒトコマを入れるならそういうニュアンスを含めてほしかった。
さて次回(とりあえず)最終回はどんな形で締めるのか? まあ二期が来るのは判りきっているので最終回前の寂しさもほとんど無く…今回が予備予選だったので次回は地方予選? いろいろあってライブを終えてさあ予選結果は!?→続きは二期で! なーんてなったら最高にストレスだけど私がライターだったらそうするかもしれない(笑
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