ソニーは、2013年度第3四半期(2013年10~12月)の連結決算を発表した。デバイスを除くエレクトロニクス4分野の業績改善と金融分野の好調などにより、対前年同期比で増収増益になった。
具体的には、売上高が対前年同期比23.9%増の2兆4128億円、営業利益が同94.6%増の903億円だった。なお決算発表と同時に、エレクトロニクス分野の収益向上に向けて、パソコン事業の譲渡とテレビ事業を分社化して完全子会社として運営することを発表した(Tech-On!関連記事)。
エレクトロニクス5分野のうち、イメージング・プロダクツ&ソリューション分野は、デジタルカメラとビデオカメラの販売台数が市場縮小の影響で大幅に減少したものの、為替の好影響によって増収と損益改善につながった。売上高は対前年同期比6%増の1981億円、営業損益は前年同期29億円の損失から150億円増の121億円の利益になった。
ゲーム分野は、「プレイステーション3」の本体の販売台数が大幅に減少したものの、2013年11月に発売した「プレイステーション4」のハードウエアとソフトウエアの販売好調と為替の好影響で増収増益となった。売上高は対前年同期比64.6%増の4418億円、営業利益は同292.1%増の180億円だった。
モバイル・プロダクツ&コミュニケーション分野は、パソコンの販売台数が大幅に減少したものの、スマートフォンの販売台数の大幅な増加や平均販売価格の上昇、為替の好影響などにより、増収と損失の縮小につながった。売上高は対前年同期比44.8%増の4615億円、営業損失は前年同期の213億円の損失から、126億円の損失に改善した。
ホームエンタテインメント&サウンド分野は、高付加価値モデルの導入による液晶テレビの製品ミックスの改善と販売台数の増加、為替の好影響などで増収と損益改善につながった。売上高は対前年同期比24.8%増の4040億円、営業損益は前年同期の80億円の損失から、64億円の利益になった。
デバイス分野は、為替の好影響があったものの、ゲーム向けSoCの減収などにより、売上高は横ばいだった。また電池事業において321億円の長期性資産の減損を計上したことで、損益が悪化した。売上高は対前年同期比0.6%減の2160億円、営業損益は前年同期の97億円の利益から、238億円の損失になった。