恵みのゆえに・PHILIPPINES　2020年12月

2020.12.2119:40

愛のともし火を

ある日、マザー・テレサは一人の老人の家を訪問しました。
しかし、そこは家とは言えないほど汚く、荒れ果てたテントのようなところでした。
吐き気がするような臭いが充満し、ほこりだらけの布団や服が散らかっています。
テレサは老人に言いました。

「私が部屋の掃除をしましょう」

老人は何の返事もせずにテレサを見つめていましたが、彼女はすぐに掃除を始めました。
服と布団を洗い、汚れた場所を消毒しました。
彼女が一生懸命に掃除をしていると、部屋の中にほこりだらけの小さなランプを見つけました。

「これは何ですか」
「お客さんが来る時につけるランプです」
「あまり使ったことがないようですね」
「何年も使ったことはありません。私みたいな老人のところに誰が来ようとするでしょう」

この老人は家族も友人もなく、何年も独りでさびしく生きてきたのでした。
テレサは言いました。

「これからは私が来ますので、私のためにこのランプにともし火をつけてください」

その後、彼女は老人の家に毎日のように行って奉仕しました。自分が行けない時には、同労者を送りました。
すると、老人の家には毎日ランプの火がともるようになりました。
2年後、老人は奉仕に来ていたシスターに言いました。

「マザー・テレサに伝えてください。彼女は私の人生にともし火をつけてくれた人であったと」

イエス・キリストの愛で周囲の人々に仕えた彼女は、多くの人の人生に神の愛のともし火をつけたのでした。

もうすぐクリスマスです。イエス様が、私たちの人生に愛のともし火を与えるために来てくださいました。
私たちも今週、このともしび火を誰かの心にともしませんか。