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俺は頑固じじいになる

コメントにも少し書きましたが、やっぱりきちんと書いていた方がいいと思って、記事にする事にしました。

若いということは素晴らしいことだ、と言う人がいるけど、全くそうは思わない。おじいちゃんもおばあちゃんもおっさんもおばさんも、僕も、かつてはみんな若かったし、ピチピチ(若い事を表す擬態語。肌がぴちぴちしている様子からこの言葉が生まれたと思っている。今はもはや死語?)だったのだ。僕はいまでも若者のつもりだけど、もっと若かった時代、たとえば学生時代の事を考えると、まくらを抱えて足をばたばたさせたいくらい恥ずかしい。失礼なこともしたし、失敗も山ほどしたし、大切な人を傷つけて取り返しがつかなくなった事もあるし、元気がよすぎて羽目を外しすぎて迷惑をかけたこともある。若いということは恥ずかしいことだ、と思う。

だから、今の若者だって恥ずかしく生きていればそれでいいと思う。若者だからといって何でも許される訳でもないが、叱られたり怒られたりしながら無茶をすればいいと思う。

そんな学生さんや若い先生からこのブログを通じてメールをもらう事が増えた。ありがたいことだと思っている。将来の相談、進路の相談、留学の事、心臓外科医の世界の事への質問など、熱意のあるまっすぐな学生さんや若い先生のメールには、しばしば感動させられるし、考えさせられる事も多い。もちろん、返事は一生懸命書いている。普通に社会人に対するよりむしろ、言葉を選び内容を吟味しながら何度も修正を加えて返事をしている。学生さんや若い先生の気持ちは大切にしたいし、わらにもすがる思いで書いてくれたメールかもしれないから。礼には礼を尽くしたい。それは、このブログの根幹を支える気持ちの一つであって、それが学生さんだからといって変わりはない。

しかし、学生さんや若い先生の態度というか礼儀には疑問に思う事が少なくない。『最近の若者は~』という気はさらさらない。変な大人だってたくさんいるし、失礼な奴はむしろそっちに多い。しかし、正直言うと、学生さんや若い先生とのメールのやりとりや彼らの態度で気分の悪くなる出来事が続いていて、怒っているというよりも、落ち込んでいる。残念で仕方がない。

彼らの態度とか無礼は、本人の責任で本人が悪いに決まっている。そこに釈明の余地はない。しかし、きっと、彼らの周りの大人にも原因があるのだろう。医師不足か売り手市場か知らないけど、医学生、初期研修医にこびをうりすぎじゃないですか?医師不足だからといって、若い医師をちやほやして馬鹿を増やしたら、医師不足の上に若いバカ医師がはびこることになって現状よりもさらに悪くなるのではないかと心配するのは僕だけなのですか?医師不足のこのきつい状況を第一線で闘わないといけなくなると予想される彼らにどうして媚を売ってちやほやして甘やかすのか全く理解できない。戦争に兵士を送り込むのに、厳しい訓練をしないで送り込む軍隊があったら教えて欲しい。それは、戦争のため、国のためにちがいないのだけど、戦争で死なないで生き延びるという本人のためでもある。生き残るための教育をほどこさない今の大人の医師は、研修医がいて簡単な仕事はやってくれた方が自分が楽できるし、自分が楽できればそれでいいといったところが本音なのかもしれない。それにしても、大人のずるさを見抜いて、それを打ち破って成長するのが若者なのに、それに気付かず、ちやほやにふあふあとのって、戦場に行きはするもののすぐさま逃げ帰る若者には言葉もない。


心臓外科なんて、きついのはわかっているのだから、ちやほやする必要なんて一切ない思う。そんなんで心臓外科医になったところでどうせ使い物にならないし、すぐやめるし。


何が言いたいかというと、僕は、これまで通り、学生さんであろうと誰であろうと、同じようにきちんと大人として礼を尽くします。そのかわり、学生さんや若い先生の失礼な態度や無礼な行いは、きちんと指摘した上で訂正をもとめるつもり。謝ってくれとか、そういうつまらないことは絶対に言わない。謝罪なんて何の意味もない。逆に謝れば何でもすむかのような態度そのものが嫌いだ。そうではなくて、姿勢そのものを直して欲しい。相談はもちろんのりますし、出来る限りのお答えをします。しかし、それは時には厳しい内容になることもあるでしょう。必ずしも意見を肯定して、すごいね~がんばって!というつもりはありません。ちやほや一切なしです。もちろん、素晴らしいと思った事に関しては、正直にそうお伝えします。本名を名乗らないメールにもお答えしますが、それは著しく社会的に間違っている行為と自分を恥じて欲しいです。相談に対する答えに対して何のリアクションもないのは、うんこの後におしりを拭かないのと同じだと知って下さい。

学生さん、若い先生方、僕にメールを送ってくる時は、どうぞ大人のルールでお願いします。もちろん、メールはいつでもどんな内容でも歓迎ですし、誠心誠意お返事をするつもりです。















俺は、なるよ。頑固じじいになるよ。






はだかの王様は、こどもが王様に裸だ~という話だけど、いまは、はだかの子どもに大人たちが裸だ!と言えない世の中。それどころか、素敵なお洋服をきてまちゅね~とおだてて馬鹿を増やしている始末。おっさんの感覚で、変なものは変。間違っているものは間違っているときちんといえる大人にならなければ。



































このブログの登場人物
A教授:この病院のボス。手術中の紳士的な態度もさることながら、普段の笑顔も素敵。 H先生:A教授と同じ立場のボス。手術中は吠える鬼神に化す。手術を離れるとびっくりするくらい温かい人。実はいろいろな人のことをよく考えているのはこの先生。スロバキア人。 心臓先生:定年まじかのベテラン心臓外科医。みんなの指導医で、論文の数も凄まじく、統計処理も天才的。アフリカのブルンジ人。 J先生:兄貴のような執刀医。明るくて楽しいのだけど、感情の起伏が激しくて手術中は叫びまくることも。でも、その次の瞬間には笑っている。ギリシャ人の血をひくドイツ人。2012年の8月からベルリンの小児心臓外科のボスとして赴任。 C先生:推定年齢45~48歳の女医さん。だれも本当の年齢は知らない。長くこの病院に勤めていて、J先生の去った後、ようやく執刀医の位置に。ドイツ人。 L先生:J先生の後がまで赴任してきた先生。アメリカで修行した経験あり。ドイツ人らしい慎み深いいい人。 P先生:30歳の唯一の若者。元気でいい奴だけど、ちょっと性格が悪く看護師さんからは嫌われていたりいなかったり。H先生と同じスロバキア人で、H先生の保護下にいる。やや過保護?! D君:元々はスクラブナースだったけど才能を見いだされて手術アシスタントに。
プロフィール

遮断鉗子

Author:遮断鉗子
心臓外科医のブログです。
小児心臓外科医(35歳 心臓外科 10年目)のドイツ留学記です。
2010年7月からドイツに。

毎日の手術の事を中心に。ドイツビールの紹介もしていきます。

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