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【映画】『羊たちの沈黙』(1991年)サイコパスはどの時代でもはびこり世の関心を集めた!今またアメリカで最強のサイコが殺戮を繰り返す!捕まえることはできるのか? | ネタバレあらすじと感想

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◆映画『羊たちの沈黙』の作品情報

【英題】The Silence of the Lambs

【監督】ジョナサン・デミ

【脚本】テッド・タリー

【原作】トマス・ハリス『羊たちの沈黙』

【出演】ジョディ・フォスター、アンソニー・ホプキンス、スコット・グレン他

【配給】オライオン・ピクチャーズ、ワーナー・ブラザース

【公開】1991年

【上映時間】118分

【製作国】アメリカ

【次作】ハンニバル

【ジャンル】サイコホラー、サスペンス

【視聴ツール】U-NEXT、吹替

◆キャスト
クラリス・スターリング:ジョディ・フォスター
ハンニバル・レクター:アンソニー・ホプキンス
ジャック・クロフォード:スコット・グレン
バッファロー・ビル / ジェイム・ガンブ:テッド・レヴィン
フレデリカ・ビンメル:ブロック・スミス
ドクター・フレデリック・チルトン:アンソニー・ヒールド

◆ネタバレあらすじと感想
映画『羊たちの沈黙』のネタバレが含まれています。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。

『羊たちの沈黙』は、トーマス・ハリスの同名小説を原作とした1991年のアメリカ映画で、ジョナサン・デミが監督を務めました。この映画は、サスペンスとスリラーの要素を併せ持ち、その緊張感と心理的な深みから高い評価を受けています。
物語は、FBI訓練生のクラリス・スターリング(ジョディ・フォスター)が、連続殺人犯「バッファロー・ビル」ことジェイム・ガンブ(テッド・レヴィン)を捕まえるために、刑務所に収監されている精神科医であり、カニバリズムの罪で収監されているハンニバル・レクター博士(アンソニー・ホプキンス)の協力を得ようとするところから始まります。
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クラリスはFBI上司のジャック・クロフォード(スコット・グレン)から、レクター博士がバッファロー・ビルに関する情報を持っているかもしれないと告げられ、彼に面会するよう指示されます。
クラリスは、バルチモア州立病院で厳重に監禁されているレクター博士に会いに行きます。レクターは非常に知的で魅力的な人物ですが、同時に冷酷で残忍な一面を持っています。クラリスはレクターにバッファロー・ビルの情報を提供するよう頼みますが、レクターはクラリス自身の個人的な情報を引き出すことで取引を持ちかけます。クラリスはレクターの要求に応じ、徐々に彼に自身の過去について話し始めます。
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レクターはクラリスに対して、バッファロー・ビルの心理プロファイルを提供し、彼の犯行の動機や行動パターンについての洞察を与えます。
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その情報を基に、クラリスはバッファロー・ビルの手がかりを追い、彼がかつてどのような人物であったかを探り始めます。バッファロー・ビルは女性を誘拐し、その皮膚を剥いで自身の「スーツ」を作ろうとする異常者であり、その動機は自身の性別に対する強い葛藤から来ていることが明らかになります。
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一方で、レクターは自身の逃亡計画を練り始め、ついには機会を捉えて病院から脱走します。彼の脱走劇は非常に巧妙で、警備員を殺害し、その顔の皮を剥いで変装するという残忍な方法を用います。レクターの脱走により、クラリスはバッファロー・ビルの捜索に専念することを余儀なくされます。
最終的に、クラリスはバッファロー・ビルの隠れ家を突き止め、彼と直接対峙します。暗闇の中での緊迫した追跡の末、クラリスはバッファロー・ビルを射殺し、誘拐されていた女性を救出します。事件解決後、クラリスはFBIエージェントとして正式に認められます。
物語のクライマックスでは、レクターが南米のカリブ海に逃亡し、クラリスに電話をかけて再会を約束する場面で終わります。レクターは「古い友人を夕食に招待している」と語り、彼の次のターゲットがクラリスの上司であるクロフォードであることを示唆します。
『羊たちの沈黙』は、その緻密なストーリーテリングとキャラクター描写、そして圧倒的な演技力で観客を魅了し、1991年のアカデミー賞で主要な5部門(作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、脚色賞)を受賞しました。この映画は、犯罪心理学やサイコパスの内面に対する洞察を提供し、その後のサイコスリラー映画に大きな影響を与えました。

◆考察と感想
本作は、サイコロジカル・スリラーの名作として知られ、1991年の公開以来、その緊張感溢れるストーリーテリングと深いキャラクター描写で観客と批評家から高く評価されてきました。この映画は、単なる犯罪スリラーを超え、人間の心理の暗部に迫る作品として特筆すべきものがあります。
物語の中心にいるのは、FBI訓練生のクラリス・スターリングと、精神科医でありながら連続殺人犯のハンニバル・レクター博士です。クラリスは、レクターの洞察力を借りて連続殺人犯バッファロー・ビルを追う過程で、自己成長と過去のトラウマに向き合わざるを得なくなります。この構造は、観客に対してキャラクターの内面に深く入り込む機会を提供します。
クラリス・スターリング(ジョディ・フォスター)は、映画の中で強さと脆さを兼ね備えたキャラクターとして描かれています。彼女は幼少期に父親を亡くした過去を持ち、そのトラウマが彼女の行動や決断に影響を与えています。クラリスがレクターに自己開示する場面は、彼女の成長と変革を象徴しています。レクターはクラリスに対して鋭い洞察を提供する一方で、彼女の内面的な恐怖や脆弱さを無慈悲に引き出します。この関係性は、映画の緊張感を高める重要な要素です。
一方、ハンニバル・レクター(アンソニー・ホプキンス)は、知的で魅力的な反面、冷酷で残忍なキャラクターです。彼のカニバリズムという異常行動は、単なる恐怖の対象ではなく、人間の欲望や本能の極端な表現として描かれています。レクターは、クラリスとの対話を通じて、観客に対して人間の複雑な心理を示唆します。彼の知識と洞察力は、犯罪者としての彼の恐ろしさを際立たせる一方で、彼を単なる悪役として描かず、複雑な人間像を構築しています。
また、バッファロー・ビル(テッド・レヴィン)は、異常性を持つ犯人として描かれていますが、その行動の背景には性別のアイデンティティに対する深い葛藤があります。彼の犯行は、自己を完全に受け入れることができない絶望から来ており、その心理的な苦悩は彼を単なるモンスター以上の存在として描き出します。
映画全体を通して、監督のジョナサン・デミは視覚的および聴覚的な要素を巧みに利用して、緊張感と不安感を増幅させています。暗い照明や閉鎖的な空間、そしてハワード・ショアの不安を煽る音楽は、観客をキャラクターたちの心理的な闇へと引き込みます。特に、クラリスがレクターと面会するシーンや、バッファロー・ビルの隠れ家でのクライマックスは、その視覚的および聴覚的な演出が際立っています。
本作は、犯罪スリラーとしての魅力だけでなく、人間の心理の深層を探求する作品としての深みを持っています。クラリスとレクターの関係性は、単なる捜査官と犯罪者の枠を超え、師弟関係やカウンセラーと患者のような複雑なダイナミクスを見せます。この関係性が、映画をより一層魅力的で考えさせられるものにしています。
この映画を通じて観客は、恐怖や緊張だけでなく、人間の心理の奥深さ、自己成長、そして過去のトラウマと向き合う重要性を体験します。本作は、単なるエンターテイメントを超え、人間の本質に迫る傑作として、多くの人々に影響を与え続けています。




評価点   95点
お薦め度  94点


1991年  118分  アメリカ製作

 
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