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人魚の眠る家

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脳死状態。
これが現実だとするならば、どう言う選択をするのが一番良いのだろうか。
脳死の我が子をどうするかは自分たち、生きている人の意思に掛かっている。
誰しもそんなに簡単には、脳死を受け入れられないが、
その中で、主治医から臓器移植の話を持ち出される
のは酷だ。
ただ、臓器移植をしなければ、心臓の停止を以って
死とする。臓器移植をするとすれば、脳死判定を
して、そこで死となると言うのだ
。
主治医は、今はそう言う法律になっていると言うのだ。
何とも理解しがたい現実だ。
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「この子は生きています。」そう誰しも親だったら
思いたいだろう。寝ているだけで、それ以外は、息もして
身体も動かせれば、死を受け入れたくないのは
僕でも分かる。

子供を持つ親になった事がないので、
如何に悲しいかは程度が分からないが、一生
死んでいる娘を思うのは、可哀そうでならない。
何か区切りがないと受け入れられない。
おばあちゃん(松坂慶子)は、自分が監視している中での事故で
脳死になったので、一生、自分を責めるだろう。

「星野さん(坂口健太郎)は、第二の父親なんです」
父親って、そんな存在なのだろうか。
母と共に子供を育てる無くてはならない存在だ。

段々、人間の領域を越えて、人が脳死状態でも
動けるのは、気味が悪い雰囲気で有るのを感じた。
笑顔さえも人の力で作れれば、脳を使わなくとも
生きているように見えるものだ。死体と共に生活して
いると考えたら気持ちが悪い。

大切な命。
「学校でみんな言っているよ。気持ち悪いって。」とは
男の子の言葉。子供は時として的を射ている事を言うが
この言葉はズバリだ。

医学的には、ミズホは死んでいる。それを受け入れるのに、
篠原涼子はどれほど身を削ったのだろう。
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「お母さんありがとう。今までありがとう。」篠原涼子の夢に出てきた
ミズホが言った言葉。この言葉が有って、初めて子供の死を
篠原涼子は受け入れた。
僕は、西島秀俊の言う「心臓が止まったのを見て、死んだと
感じる
」と言うのに同感だ。

子供の笑顔はいたいけなだけに、こうした子供の死を扱った
作品は心が痛かった。
東野圭吾も実によくこうした難しい命題に対する果敢な挑戦を
したものだ。
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評価点 85点
お薦め度 86点

2018年 120分  日本製作

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