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【映画】『初恋』(2019年) 絶望の中で出会った二人、一夜限りの逃避行が運命を変える──暴力と希望が交錯する、愛と再生の物語 | ネタバレあらすじと感想

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◆映画『初恋』の作品情報

【英題】First Love

【監督】三池崇史

【脚本】中村雅

【出演】窪田正孝、大森南朋、染谷将太、ベッキー、内野聖陽他

【公開】2019年9月

【上映時間】115分

【製作国】日本

【ジャンル】アクション、恋愛ドラマ、クライムスリラー、ブラックコメディ

【視聴ツール】U-NEXT

◆キャスト
葛城レオ:窪田正孝
い

モニカ(桜井ユリ):小西桜子
大伴:大森南朋
加瀬:染谷将太
ジュリ:ベッキー
権藤:内野聖陽

◆ネタバレあらすじ
『初恋』は、三池崇史監督によるアクション・恋愛ドラマで、東京の夜を舞台に、若いボクサーと薬物密売に巻き込まれた女性の一夜の逃亡劇を描いた作品です。以下は1500字程度でまとめたあらすじです。
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主人公の葛城レオ(窪田正孝)はプロボクサーとして将来を期待される若者。しかし、突然の体調異常により脳に腫瘍が見つかり、余命が限られていることを医師から告げられます。この知らせにショックを受けたレオは、人生に目的を見いだせなくなり、試合に集中できず敗北を喫します。彼の心は虚無感に包まれ、無為に夜の街をさまよっていました。
一方、家族の借金によって人身売買に巻き込まれたモニカ(小西桜子)は、薬物中毒にされ、夜の街で薬物取引の片棒を担がされていました。彼女の過去は壮絶で、薬物依存の苦しみと悪夢に苛まれる日々を送っています。そんな中、モニカは偶然にも裏社会の大規模な陰謀に巻き込まれてしまいます。
ヤクザの加瀬(染谷将太)と悪徳警官の大伴(大森南朋)は、薬物密売の利益を横取りしようと計画を立てていました。その計画の一環として、モニカを利用して薬物を運ばせようとします。
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しかし、計画は次第に混乱し、裏社会の各勢力間で裏切りが勃発。状況は混迷を極めていきます。
レオとモニカの出会いは偶然でした。ある夜、街を歩いていたレオは、追われていたモニカを助けようと彼女を連れ出します。当初は他人事のように関わりを避けようとするレオでしたが、モニカの必死な姿に心を動かされます。「どうせ余命が短いのなら、彼女を助けるために何かをしよう」と決意するレオ。二人は協力して逃亡を図り、ヤクザや警察、さらに薬物密売組織の追跡から逃れようとします。
一方、モニカを巡る事件の混乱はさらに拡大。加瀬と大伴の計画は次第に失敗に近づき、ヤクザの権藤(内野聖陽)を始めとする勢力が介入し、血なまぐさい戦いが始まります。また、ジュリ(ベッキー)はモニカの友人で、彼女もまた事件に巻き込まれながらも助けを試みます。東京の夜を舞台に、逃亡劇は緊張感を増しながら、登場人物たちの運命が交差していきます。
次第に、レオとモニカの間には絆が芽生えます。
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孤独で生きる意味を失っていた二人が、互いに支え合いながら希望を見出していく過程は、物語に感動的な深みを与えています。モニカは過去のトラウマを乗り越えようとし、レオは初めて誰かを守りたいという感情に突き動かされます。
クライマックスでは、全ての勢力が一堂に会し、銃撃戦や激しいアクションが繰り広げられます。命がけの戦いの中、レオとモニカは互いの存在を確かめ合いながら生き延びるために奮闘します。果たして二人はこの夜を生き延びることができるのか。そして、その先に何を見つけるのか――。
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映画『初恋』は、暴力的なアクションと感動的な人間ドラマが融合した作品です。暗い世界に生きる人々が、絶望の中で見つける一筋の希望を描いており、観客に強い印象を残す物語となっています。

◆考察と感想
『初恋』は、三池崇史監督らしい大胆な演出とアクション、さらに人間ドラマが巧みに織り交ぜられた作品です。表面的には東京の裏社会を舞台にしたアクション映画ですが、その奥には生と死、孤独、希望といった普遍的なテーマが描かれています。以下は考察と感想を800字程度にまとめたものです。
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考察
『初恋』の中心には、「人生の絶望の中で、どのように希望を見つけるか」というテーマが据えられています。主人公の葛城レオは、余命が限られたボクサーとして、自らの存在意義を見失っています。一方、ヒロインのモニカは薬物中毒と人身売買の犠牲者として、過酷な現実の中で生き延びることすら困難な状況にあります。物語を通じて、この二人が偶然出会い、互いに影響を与え合いながら変わっていく姿が描かれます。
レオは、自分の死が避けられないと知ったことで、これまで持たなかった「他者を守る」という意識を持つようになります。モニカを救おうとする彼の行動は、余命への諦めを越えた、生きる意義を見つける過程そのものです。一方で、モニカは初めて「誰かに守られる」という体験をし、絶望的だった人生に希望の光を見いだします。彼女の過去にある虐げられた経験や依存症の苦しみは、現代社会における弱者の姿を象徴的に描いています。
裏社会のキャラクターたちもまた興味深い存在です。ヤクザや悪徳警官の中にも、自己保身や欲望だけでなく、それぞれの背景や葛藤が垣間見えます。とくに加瀬のキャラクターは、単なる悪役ではなく、生存のために選んだ道で足掻く人間の脆さと滑稽さを体現しています。こうした多面的なキャラクター描写が、映画全体にリアリティを与えています。
感想
『初恋』の魅力は、何よりもその疾走感あふれる物語展開と、激しいアクションシーンにあります。特に終盤の銃撃戦や格闘シーンは、三池監督らしい過激さとユーモアが絶妙に混ざり合い、エンターテインメント性を高めています。一方で、その暴力描写の中にも、キャラクターたちの内面や成長が丁寧に描かれており、観客に深い感情移入を与えます。
また、映画全体に漂うユーモアのセンスも印象的です。シリアスな物語の中にコミカルなシーンやキャラクターを織り交ぜることで、緊張感と笑いの絶妙なバランスが保たれています。特にベッキー演じるジュリのキャラクターは、暴力的な展開に軽妙さを加え、観客の心を和らげる役割を果たしています。
一方で、暴力描写や一部の過激なシーンに関しては好みが分かれる部分もあるでしょう。三池作品に慣れていない人には衝撃的に映るかもしれませんが、それもまたこの映画の個性と言えます。
最終的に、この映画は「絶望の中でも人は希望を見つけ、進むべき道を選び取れる」という力強いメッセージを伝えています。主人公二人の旅路は、単なる逃亡劇を超えて、人間の再生と絆の物語として観る者の胸に深く刻まれるでしょう。『初恋』は、暴力的でありながらもどこか希望に満ちた、忘れられない一作です。

◆本作から得られる教訓
『絶望の中にあっても、希望や生きる意義を見つけられる』




評価点   72点
お薦め度  70点


2019年  115分  日本製作

 
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