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【映画】『仮面病棟』(2020年) その病院、脱出不可能――。密室で暴かれる命と嘘の真実! | ネタバレあらすじと感想

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◆映画『仮面病棟』の作品情報

【監督・脚本】木村ひさし

【脚本・原作】知念実希人

【出演】坂口健太郎、永野芽郁、内田理央、江口のりこ、大谷亮平、高嶋政伸他

【配給】ワーナー・ブラザース映画

【公開】2020年3月

【上映時間】114分

【製作国】日本

【ジャンル】ミステリー、サスペンス

【視聴ツール】Netflix

◆キャスト
速水秀悟:坂口健太郎
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川崎瞳:永野芽郁
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田所三郎:高嶋政伸
東野良子:江口のりこ
佐々木香:内田理央
小堺司:大谷亮平

◆見どころ
1. 密室のサスペンス
物語は病院という閉鎖的な空間を舞台に展開します。登場人物が限られている中で、緊張感ある心理戦や隠された謎が観客を引き込みます。「誰が味方で誰が敵か」という疑念が絶えず湧き上がる展開が魅力です。
2. スピーディーな展開
冒頭から病院への立てこもり事件が発生し、時間制限のあるスリリングなストーリーが進行します。テンポの良い展開により、息つく暇もなく物語に引き込まれます。
3. 坂口健太郎と永野芽郁の演技
主役の医師役を演じる坂口健太郎と、事件に巻き込まれる女子大生役の永野芽郁が、それぞれのキャラクターの葛藤や成長をリアルに演じています。二人の掛け合いや信頼関係の変化も見どころの一つです。
4. 謎解き要素
事件の真相だけでなく、登場人物の背景や行動の動機にも謎が隠されています。観客も一緒に推理しながら楽しむことができます。
5. 映像演出
病院の無機質で不気味な雰囲気が、緊迫感をさらに高めています。閉鎖的な空間が恐怖感を倍増させる演出が巧みです。
6. 原作の魅力
原作小説(知念実希人作)を基にした作品で、医師でもある作者ならではのリアルな医療描写と、独特の世界観が映画にも反映されています。
謎解きやスリル、緊迫感が好きな人におすすめの一本です!

◆ネタバレあらすじ
ある夜、平穏を装っていた田所病院に突如、拳銃を持った仮面の男が侵入する。男はコンビニ強盗を犯した後、逃走中に負傷した女子大生・川崎瞳を人質に、病院を占拠する。この夜だけの代理医師として勤務していた速水秀悟は、突如として非日常の恐怖に巻き込まれることになる。
仮面の男の要求はシンプルだ。瞳を治療し、警察には通報しないこと。速水は医師として、恐怖心を抱きながらも傷の手当てを始める。しかし、事件を通じて次第に病院の異様な雰囲気に気づき始める。田所病院は普段、入院患者をほとんど受け入れず、院内のほとんどが空き病室となっている不自然な施設だった。
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一方、負傷しているにもかかわらず、瞳の冷静な振る舞いや勇敢な態度が速水の目を引く。瞳は一見ただの巻き込まれた被害者のように見えるが、彼女自身がこの病院の「何か」に疑念を抱いているようで、速水に信頼を寄せていく。二人は協力しながら、仮面の男の目をかいくぐり、病院内を探索することを決意する。
調査を進める中で、速水と瞳は、田所病院がただの療養施設ではないという事実を突き止める。そこでは過去に非倫理的な医療実験が行われていた可能性があり、その痕跡が未だに院内に残されていたのだ。入院しているわずかな患者たちも、何かしら不自然な症状を抱えており、医療施設としての倫理観を大きく逸脱していることが明らかになっていく。
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さらに、仮面の男の行動にも不可解な点が多い。彼の目的は単なる逃走のためだけではなく、この病院の「秘密」を知ることにあるのではないかと速水は推測する。実際、仮面の男は病院の院長である田所三郎と密接なつながりがあるように見える。院長自身もまた、速水と瞳の行動を監視し、何かを隠しているようなそぶりを見せる。
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次第に、速水は自らの過去と向き合うことになる。彼もまた、医師としての信念を失いかけていた時期があり、この一夜が彼にとって自分の医師としての在り方を問い直す機会となる。そして、瞳の勇気ある行動に触発され、彼は医師として再び人命を守るために立ち上がる。
物語は終盤、病院に隠された恐るべき事実が暴かれるとともに、仮面の男の正体やその動機、そして病院全体に隠された陰謀が次々と明らかになる。速水と瞳は力を合わせて、絶望的な状況からの脱出を試みるが、次々と立ちはだかる危機に直面する。果たして二人はこの一夜を乗り越え、無事に生還することができるのか――。
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この映画は、密室での心理戦、緊迫した展開、そして謎が次々と解き明かされるスリリングな要素が魅力です。また、速水と瞳の成長や葛藤も、ストーリーに深みを与えています。

◆考察と感想
【考察】
『仮面病棟』は単なる密室サスペンスにとどまらず、人間の本質や倫理観に迫るテーマが盛り込まれた作品です。物語を深く考察すると、いくつかの重要なポイントが浮かび上がります。
1. 仮面の象徴性
仮面の男は物語の表面的な敵役として登場しますが、その行動の裏には強い動機が隠されています。彼の仮面は、文字通り顔を隠すための道具であると同時に、「誰もが心に仮面をかぶっている」という象徴的な意味も持ちます。病院の医師や院長、さらには速水自身も、それぞれの事情や立場により真実を覆い隠していました。観客は、彼らの「仮面」が剥がされていく過程を通じて、表と裏の二面性について考えさせられます。
2. 病院の役割と人間の倫理
田所病院が隠していた医療実験の事実は、物語の中で最もショッキングな要素です。医療とは人を救うものであるべきなのに、この病院ではそれが歪められ、倫理が失われていました。この設定は、現実社会における医療の在り方や、科学技術の進歩がもたらす功罪を問いかけているとも言えます。また、速水が医師として一度は失いかけた信念を取り戻すプロセスは、人間が倫理的な選択を迫られる際の葛藤を象徴的に描いています。
3. 速水と瞳の成長
主人公である速水とヒロインの瞳は、互いに影響を与え合いながら成長していきます。速水は医師としての使命を再認識し、瞳は自身の恐怖を乗り越えながら行動します。二人の絆が深まる中で、信頼と勇気がいかに危機的状況を乗り越える鍵となるかが描かれています。
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【感想】
1. 緊張感あふれる展開に引き込まれる
冒頭から病院に侵入する仮面の男、次々に明らかになる謎、そして時間制限のある状況下でのスリリングな展開が続き、一瞬たりとも目が離せない映画でした。特に病院内の不気味な雰囲気や暗い廊下の演出が、物語の緊張感をさらに引き立てていました。
2. 坂口健太郎と永野芽郁の好演
坂口健太郎が演じた速水の冷静さと内面の葛藤がリアルに伝わり、観客として感情移入しやすかったです。また、永野芽郁演じる瞳の芯の強さや勇敢さも、彼女のキャラクターに命を吹き込んでいました。二人の共演は、物語全体を通して非常にバランスが取れており、観ていて引き込まれるものがありました。
3. 現実への示唆
映画の中で描かれる医療実験や倫理観の問題は、完全にフィクションというわけではありません。現実の医療現場でも、時に利益や効率が人命に優先されることがあります。この映画はエンターテインメントでありながら、私たちが考えるべき社会問題を示唆しており、観終わった後にも余韻が残る作品でした。
4. エンディングの余韻
エンディングでは全ての真実が明らかになりますが、それでもなお視聴者に想像の余地を残す構成になっています。速水と瞳がその後どのような道を歩んでいくのか、また田所病院が持つ闇が完全に消えたのか、といった問いが心に残ります。
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【まとめ】
『仮面病棟』は、単なる娯楽映画にとどまらず、深く考えさせられる要素が詰まった作品でした。密室サスペンスとしての完成度も高く、さらに登場人物たちの人間ドラマや社会問題への問いかけが絶妙に絡み合っており、多くの観客が何度でも楽しめる映画だと感じました。観る人によって異なる解釈ができる点も、本作の大きな魅力だと言えるでしょう。




評価点   84点
お薦め度  82点


2020年  114分  日本製作

 
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