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【映画】『猿の惑星:新世紀』(2014年) 人類の文明が崩壊し、猿たちが新たな支配者となる時代が始まる! | ネタバレあらすじと感想

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◆映画『猿の惑星:新世紀』の作品情報

【英題】Dawn of the Planet of the Apes

【監督】マット・リーヴス

【脚本・原作】リック・ジャッファ、アマンダ・シルヴァー

【原作】ピエール・ブール『猿の惑星』

【出演】アンディ・サーキス、ジェイソン・クラーク、ゲイリー・オールドマン他

【配給】20世紀フォックス映画

【公開】2014年6月

【上映時間】130分

【製作国】アメリカ

【ジャンル】SF、アクション、ドラマ、アドベンチャー

【視聴ツール】Prime Video、吹替

◆キャスト
シーザー:アンディ・サーキス
マルコム:ジェイソン・クラーク
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ドレイファス:ゲイリー・オールドマン
エリー:ケリー・ラッセル
コバ:トビー・ケベル
アレクサンダー:コディ・スミット=マクフィー

◆ネタバレあらすじ
本作、『猿の惑星:新世紀』の物語は、人類が壊滅的なウイルス「シミアン・フルー」に襲われ、文明が崩壊してから約10年後の地球が舞台です。知性を持つ猿たちは、リーダーであるシーザーのもと、サンフランシスコの森で平和に暮らしていました。彼らは人類が絶滅したと考えていましたが、ある日、少数の人間グループが森に迷い込みます。人間たちは電力を復旧させるために、森にある水力発電所を探していたのです。
シーザーは人間たちとの接触を避けようとしつつも、和平の道を模索します。彼は、リーダーであるマルコムと信頼を築こうとし、猿と人間の共存の可能性を探ります。マルコムもまた、家族を守りながらシーザーとの信頼を深め、協力関係を築きます。
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しかし、猿の中には、かつて人間に実験台にされたコバのように、人間への憎悪を抱いている者もいました。コバはシーザーの方針に反対し、人間と敵対する道を選びます。
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コバは、シーザーの人間への寛容さを弱さと捉え、猿たちを扇動し始めます。そして、シーザーを裏切り、猿たちと共に人間の居住地を襲撃し、戦争を引き起こします。この反乱によって、猿と人間は全面的な戦闘状態に陥り、平和を目指していたシーザーとマルコムの努力は無に帰します。
最終的に、シーザーはコバと対峙し、激しい戦いの末に彼を倒します。しかし、この対立により、猿のコミュニティは大きな傷を負い、人間との和平の道も閉ざされます。シーザーは、コバとの争いを通じて、信頼と裏切りの痛みを学び、彼の信念が揺らぎます。
この映画は、猿と人間が共存できるのかという問いを投げかけつつ、友情、裏切り、リーダーシップについて深く掘り下げています。また、シーザーというキャラクターを通じて、文明の崩壊後の新たな秩序やリーダーの葛藤を描き出しています。

◆考察と感想
本作、『猿の惑星:新世紀』は、単なるSFアクション映画を超えた深みのあるテーマを多く含んでおり、観る者に考察の余地を提供します。この映画の中心テーマには、種族間の信頼と憎悪、リーダーシップのあり方、そして共存の可能性が存在します。
まず注目すべきは、シーザーとコバという対照的なリーダーの描かれ方です。シーザーは、人間から知性を授かったことに感謝の念を抱きつつ、平和と共存を目指しています。彼は、人間と猿の間で共通の理解と信頼を築くことが可能だと信じ、マルコムという人間との協力関係を築こうとします。この姿勢は、恐怖や不信ではなく、理解と対話による和解を目指すという理想主義的なリーダー像を体現しているといえます。
一方、コバはかつて人間から虐待された過去があり、それが人間への深い憎悪となっています。彼にとって人間は敵であり、彼らと共存することなど不可能だと考えています。コバの行動は、過去の痛みやトラウマに基づいており、シーザーの理想とは対極に位置しています。このような対照的なリーダー像は、観客に「真のリーダーシップとは何か」という問いを投げかけます。過去の傷が新たな憎悪を生むことが、いかに悲劇的な結果を招くかをコバの姿を通じて表現しているのです。
また、猿と人間の関係性は、私たち人間社会における異なる文化や信念を持つ集団の関係とも重なります。互いの違いを認め合い、共存する道を見つけようとするシーザーとマルコムの努力は、現代社会における異文化理解の重要性を象徴しているようにも感じられます。しかし、その試みがコバの反乱によって無に帰するシーンは、憎しみや不信感がいかに容易に和平の努力を破壊してしまうかを示唆しており、深いメッセージ性を持っています。
さらに、この映画では、文明崩壊後のサバイバルという設定も印象的です。人類の文明が崩壊した後に、猿たちが新たな社会を築く姿は、自然の摂理や進化に関する問いを投げかけます。シーザーが築こうとする社会は、平和で安定した共同体である一方で、コバの暴力的な反乱によって脅かされます。この状況は、秩序と混沌、平和と戦争の狭間で揺れる人間社会そのものを投影しているように感じられます。
個人的な感想としては、この映画は単なる娯楽作品にとどまらず、観る者に多くの考えを促す作品であると感じました。特に、シーザーとコバの対立に象徴される「理解」と「憎悪」のテーマは、現代社会においても依然として重要な問題です。また、シーザーの葛藤や決断は、リーダーが抱える責任や重圧をリアルに描写しており、共感を呼ぶと同時に、リーダーシップとは何かを考えさせられました。
『猿の惑星:新世紀』は、SFやアクションの要素を楽しむだけでなく、複雑なテーマと深いメッセージを含む作品です。種族間の壁を越えて平和を築くことの難しさや、それでもなお対話を諦めないことの重要性を強く感じさせる本作は、観る者に深い余韻を残す秀逸な映画といえるでしょう。



評価点   96点
お薦め度  96点


2014年  130分  アメリカ製作

 
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