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【映画】『メイズ・ランナー』(2014年) 巨大な迷路に隠された真実!記憶を失った少年たちのサバイバルと脱出劇が始まる! | ネタバレあらすじと感想

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◆映画『メイズ・ランナー』の作品情報

【原題】The Maze Runner

【監督】ウェス・ボール

【脚本】ノア・オッペンハイム、Gran Pierce Myers、T・S・ノーリン

【原作】ジェイムズ・ダシュナー『メイズ・ランナー』

【出演】ディラン・オブライエン、カヤ・スコデラリオ他

【配給】20世紀フォックス

【公開】2014年9月

【上映時間】113分

【製作国】アメリカ

【ジャンル】サイエンスフィクション、アクション、アドベンチャー、スリラー

【視聴ツール】Prime Video、吹替

【次作】メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮

◆キャスト
トーマス:ディラン・オブライエン
テレサ:カヤ・スコデラリオ
ニュート:トーマス・ブローディ=サングスター
ミンホ:キー・ホン・リー
ギャリー:ウィル・ポールター
アルビー:アムル・アミーン

◆ネタバレあらすじ
本作、映画『メイズ・ランナー』は、ある日突然、記憶を失った少年トーマスが巨大な迷路の中心にある謎のエリア「グレード」に送り込まれるところから始まります。彼が目を覚ますと、自分がどうしてここにいるのか、過去の記憶が一切ないことに気づきます。彼を待っていたのは、同じく記憶を消された数十人の少年たち。彼らは「グレーダーズ」と呼ばれ、定期的に食料や物資が届くこの閉ざされた世界で、サバイバル生活を送りながら迷路からの脱出を目指していました。
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グレードを囲む巨大な迷路は日中は開きますが、夜になると閉ざされ、迷路の中には「グリーバー」という恐ろしい生物が徘徊します。そのため、夜間に迷路に残されると、ほとんどの者が生きて帰れないと言われていました。グレーダーズのリーダーであるアルビーや、頭脳明晰なニュート、迷路を走り回って脱出の手がかりを探す「ランナー」と呼ばれるミンホらは、何年もかけて迷路の構造を調べていましたが、未だに出口は見つかっていません。
トーマスは最初こそ戸惑いながらも、次第にこの奇妙な世界に適応し、迷路からの脱出に強い執念を燃やすようになります。特に彼は、迷路の「ランナー」として活躍することを強く望み、やがてその機会を得ます。しかし、彼がグレードに現れた直後から、これまで安定していた状況が一変します。例えば、通常は1か月に1人ずつ新たな少年がグレードに送られてくるのに、トーマスが到着して間もなくして、唯一の少女であるテレサが送り込まれ、しかも彼女はトーマスの名前を知っていました。さらに、彼女が到着した後から迷路やグレードのシステムに異常が生じ、彼らの生存を脅かす事態が次々と起こります。
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トーマスは過去の記憶を少しずつ断片的に思い出し、彼自身がこの迷路に関与していた可能性があることに気づきます。彼はテレサと共に、なぜ自分たちがここにいるのか、誰がこの迷路を作ったのかを明らかにしようとします。一方で、迷路の外にはさらに大きな謎と危険が待ち受けていることを感じさせる伏線が張られています。
物語の後半では、トーマスとミンホがグリーバーとの戦いに挑み、トーマスがその過程で自らの記憶の一部を取り戻す場面が描かれます。そして、グレーダーズたちは一致団結し、迷路からの脱出を決意。トーマスたちは脱出のための最終的な鍵を見つけ、命懸けの戦いの末、迷路からの脱出に成功します。
しかし、彼らを待っていたのは、新たな敵とさらに大きな試練でした。彼らが外の世界で目にしたのは、文明が崩壊し、ウィルスによって荒廃した世界。彼らは、全てがある組織「WCKD(ウィケッド)」によって仕組まれた実験だったことを知ります。迷路から脱出したものの、彼らの試練は終わっておらず、さらに困難な未来が待ち受けていることを示唆しつつ、物語は続編へと繋がります。
『メイズ・ランナー』は、終始ハラハラさせる展開と、迷路の謎が徐々に解き明かされていくスリリングなストーリーが特徴です。キャラクター同士の絆や葛藤も描かれ、アクションやサスペンスだけでなく、友情や自己犠牲といったテーマも描かれています。また、記憶を失った状態で自分の正体を探るという設定が、観客にも強い共感と興味を引き起こす要因となっています。
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映画は、ジェームズ・ダシュナーによる同名小説を原作とし、ディストピアSFの要素を取り入れた青春アクション映画として高い評価を得ています。観客は主人公たちと共に謎を追いながら、次々と明らかになる衝撃的な真実に引き込まれていきます。

◆考察と感想
映画『メイズ・ランナー』は、謎に満ちた迷路と記憶を失った少年たちが繰り広げるディストピアSFです。この物語は、迷路という物理的・心理的な閉鎖空間を通じて、自己発見や生存を巡る深いテーマを描き出しています。
考察
1. 迷路の象徴とキャラクターの成長 物語の中心に位置する迷路は、単なる脱出すべき障害ではなく、心理的な象徴として捉えられます。記憶を失い、自分が誰であるかもわからない少年たちが迷路の中で自己を見つけ、成長していく姿は、現実世界における自己探求と挑戦のメタファーと考えられます。特に、主人公トーマスは迷路に投げ込まれることで、リーダーとしての資質や勇気を試されることになります。彼がランナーとして迷路の探求に参加する過程は、外界の真実を求める一種の「啓蒙」の旅とも捉えることができ、彼の成長が物語の鍵となっています。
2. WCKDと実験倫理の問題 「WCKD」という組織が、迷路を通じて少年たちを実験の対象にしているという設定は、科学や権力が人間を管理・監視し、時に犠牲にしてしまうという倫理的なテーマを浮き彫りにしています。WCKDは、崩壊した外の世界を救うという大義のもとに、少年たちを犠牲にしていることが示唆されますが、この「目的のために手段を正当化する」思想は、現実の科学技術の発展や社会の管理主義に対する警鐘とも読めます。倫理を超えた実験による「選ばれた者」の育成は、現代における科学技術の進展と、その裏に潜む倫理的ジレンマを暗示していると言えるでしょう。
3. 記憶の喪失と自由意志 トーマスたちは記憶を消された状態で迷路に投げ込まれますが、これは自由意志の抑圧とコントロールの問題を象徴していると考えられます。自分たちの過去や意図を知らずに迷路に閉じ込められた彼らは、外部の力によって操作されている存在です。しかし、トーマスが迷路からの脱出を決意し、行動を起こすことで彼らは支配に抗い、自由を勝ち取ろうとします。この対立構造は、人間の自由意志と抑圧的なシステムの戦いという普遍的なテーマを反映しています。
4. 友情と協力の力 『メイズ・ランナー』のもう一つの大きなテーマは、協力と友情の力です。グレーダーズの少年たちは、迷路の厳しい環境の中で互いに支え合いながら生き抜いています。トーマスを中心に、ニュートやミンホとの友情が深まっていく過程は、物語の中で重要な位置を占めており、孤独では生きられない人間の社会的な側面を強調しています。迷路という極限状況の中で、彼らが協力し合うことで成し遂げられる成果は、団結の力を強く示しています。
感想
『メイズ・ランナー』は、観る者を緊張感で包み込むサスペンスとアクションが満載の映画です。物語のテンポは非常に速く、次々と繰り広げられる謎とその解明が観客を引き込みます。特に、迷路の構造やその中で生き延びるためのサバイバル要素が巧みに描かれており、緊迫感のある展開に圧倒されます。迷路自体が独特の閉塞感を持ち、そこから脱出するための戦いが視覚的にも感情的にも強いインパクトを与えています。
また、キャラクターの描写が魅力的で、特にトーマスの成長が物語の軸となっています。彼が迷路の中で自分の役割を見出し、リーダーシップを発揮する姿には共感を覚えます。同時に、ニュートやミンホといった仲間との信頼関係や、ギャリーとの対立がドラマに深みを与えており、単なるサバイバルストーリーにとどまらず、人間関係の複雑さが描かれています。
一方で、映画が提示する数々の謎が全て解明されないまま終わるため、続編への期待が高まります。特に、WCKDの真の目的や迷路の外の世界がどうなっているのかという大きな謎が残されており、続編でのさらなる展開が気になるところです。この未解決の謎が映画の魅力を引き立てており、シリーズ全体を通して観たくなる作りになっています。
総括
『メイズ・ランナー』は、ディストピア的な世界観と個々のキャラクターの成長が魅力の映画です。迷路という独自の設定が物語の緊張感を高め、サバイバルのスリルを提供すると同時に、記憶喪失や実験倫理といった深いテーマも描かれています。謎が多く残された結末は続編への期待を高め、シリーズ全体としての完成度が楽しみです。圧倒的なビジュアルとスリリングなストーリー展開に加え、友情や成長が丁寧に描かれており、多面的に楽しめる作品となっています。




評価点   84点
お薦め度  86点


2014年  113分  アメリカ製作

 
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