総プレイ時間は、多分80~90時間くらいかな?
サブクエストである浮世草全てと、拠点解放、お稲荷さん、神社、温泉、和歌、練習台は全て解放。
装備品だけ全部集めきってない感じかな?そんな感じで先週月曜にクリアできました。
僕的には、大満足でしたね。
しかし、このゲーム、「どこが面白かったのか?」と聞かれると、あんまりおもしろい事が言えない感じがするんですよねw
まあ、言う必要も無いのですが・・・w
というのも、このゴーストオブツシマ、ゲームとして尖がった部分が特に無いんですよね。
サムライや日本をテーマにしたオープンワールドっていうあまり見ない世界観っていう部分はそうなのかも知れませんが、ゲーム的には突出してここがすごい!っていうのが無いんですよ。じゃあそれなりのゲームなの?って思われるかもしれませんがそうじゃない。
世界観、テーマ、ストーリー、ゲームシステム、アクション性、グラフィック・・・それら全てが高クオリティなだけではなく、それら全てが綺麗につながっているってのがすごい。なんとも美しい佇まいに仕上がっているんですよね。
たくさん語りたい事があるのですが、今日はそのあたり4点に絞ってレビューしていきたいと思います。
■ 作り手が伝えたい事、見せたいものがはっきりわかる。
まず、プレイしながら感じたのはこの感想ですね。ほんとここのアイデアがすごかった。
まずこのゲーム、グラフィックが綺麗と言うより、美しい。
元寇時代の対馬を舞台にしているので、昔の日本の風景がメインになるわけですが、それをリアルに再現しているわけではないんですよ。というのも、ひとつの島の中に四季が織り交ざって表現されてます。季節が春なのか夏なのか冬なのかわからないw 島全体が、日本にあるあらゆる植物や風景としてのオブジェクトをミックスして作ったジャパンファンタジーワールドって感じになってます。
鎌倉時代の日本をリアルに再現!ではなく、鎌倉時代の日本を美しく再現!の方に全力で舵を切っている。
それゆえに、過剰なまでに色彩豊かな美しい世界が作り上げられている。
それがオープンワールドというゲームにびっくりするくらいマッチしてた。例えばオープンワールドのスパイダーマンは、ニューヨークの街をリアルに再現していてとても綺麗なのですが、どこまで行ってもビルって感じじゃないですか。レッド・デッド・リデンプション 2は基本荒野。なので基本画面はグレーっぽい色が続いたり、ブラウン系の色がメインだったりするんですが、ゴーストオブツシマは、行く先々によって、赤、黄色、緑、白とメインカラーが移り変わっていくんですよね。なので、いくら駆け回ってもなかなか飽きないんですよね。オープンワールドでは単調になってしまう長距離の移動も、色が切り替わる度に、あー・・・きれい・・・って思ってしまう。
そんな美しく仕上がった世界を、作り手側はユーザーに見てほしい!そんな気持ちからか、画面上にUIが無い。
オープンワールドのゲームって目的地へ移動する事が多々ありまくるのですが、その時便利なのが、周囲の状況や方向が一目でわかるミニマップだったりするんですよね。ゴーストオブツシマにはそのミニマップが無い!っていうのがすごいですよね。
この思い切りはすごいなと思いましたねw タッチパッドを撫でると目的地に向かって風が吹くのでそれを追っていくっていうシステムなのですが、それがまた良い。正直、いくら美しい風景が見られるゲームだったとしても、ミニマップがあったら、風景に慣れてくると、どうしてもそっちを注視してしまうんですよw それを思い切って捨てた事で、多少不便に感じる事があったけど、その分画面の風景を見る事が多くなり、おかげでこの美しい世界を存分に楽しむことができた。
この取捨選択のジャッジは勇気が必要だったろうし、それだけ風景に自信があったんでしょうねー・・・この美しい風景を絶対見てほしい!という意思が感じ取れて、それが見事に刺さった感じです。
■ いわゆる美系キャラがいない。
風景に関しては、あれだけ誇張して美を追求しているのに、登場人物に関しては徹底的にリアルに造形しているw
この上のSSの方は、主人公の心強い仲間の一人で、ドラクエでいうとアリーナとか、FFで言うとリュックみたいな立場のNPCなんですが、おばあちゃんですからねっ!!w しかもだいぶ痛い。 クリア後、ゴーストオブツシマに出てきたキャラクターの中で一番萌えたキャラは誰だったかなー?って考えた時、僕の中で出てきた答えは「馬」でしたからねw
でも、これもうまいなあと思ったのは、やっぱり現実的でない美男美女がゲームに出てくると、僕らはその人たちを「人物」として見ずに、「キャラ」として見てしまう。
キャラとして見てしまうと、かっこいいなあとか、かわいいなあとか、ツンデレだなあみたいな感情が先に立ってしまい、一人一人を「好み」「好みじゃない」みたいな簡単な感情で片づけてしまうのかもしれない。
しかし不思議なもので、言い方は悪いですが、各登場人物の顔やスタイルが全部期待できない場合、不思議とその人物達を内面で評価し始めて、より深く心情を知りたいという気持ちにかられた。これも今までのゲームではあまり体験した事がない新しい感覚でしたね。
これもミニマップと同じ様に美男美女を登場させない事で、登場人物の心情の移り変わりをプレイヤーに見てほしかったのかもしれない。
■ プレイヤーのゲーム体験と、ストーリーが見事にリンク。
これがしゅごい。これができているゲームってあんまり無いのかなあって思う。例えばスーパーマリオ。これは素晴らしいアクションゲームではあるんですが、さらわれたピーチ姫を助けに行く、というストーリーの中でクリボーやノコノコを踏んで倒すじゃないですか。なんで武器を使わず踏んで倒すの?って話ですよね。剣で倒しても良いし、銃を使っても構わないんですが、その理由は説明され無いじゃないですか。なので、ゲーム体験とストーリーは特にマッチしてないんですよね。
ゴーストオブツシマは、急に攻めてきたモンゴル帝国に対して、武士としての「誉れ」を尊重して戦っていては、勝てないので、卑劣な手段を使う「冥人」となって戦う事になり、その苦悩を描いたストーリーになっている。
でも、ゲームシステム上では、ずっと「誉れ」を貫き通し、武士道に従って名乗りを上げて正々堂々戦い抜く事もゲーム的には可能な雰囲気はあるんですよ。でも・・・ゲームが進んでいくうちに、複数人に囲まれると即死しちゃうとか、誉れを尊重して戦っていく事がどんどん難しくなっていく。
だからついつい飛び道具を使ってしまったり、闇討ちしたりする方法をプレイヤーの意志で、自ら使うようになっていく。
そうした方が先に進みやすく作ってある。
なので、ストーリー上で主人公が、「誉れとかやってられません!」みたいな事を言うんですが、プレイヤーは状況としてそれを感じているので、ものすごく説得力があるw ストーリーを進めると少しずつ主人公と同様にプレイヤーも「冥人」に堕ちていく。堕ちていかされるw その上でストーリーが進んでいくので、主人公の心情が他人事ではないw
そして最後はそのうえで・・・・!とプレイヤーが料理されてしまうので、ゲーム体験とストーリーが綺麗にリンクしていて、ほんと素晴らしかったですね。
■ 海外製。
そしてこれだ・・・・。このゲームは日本を舞台にしているのですが、海外の方々が作られたゲームなんですよね。
もちろん、先ほど書いたように、鎌倉時代の日本がリアルに再現されているわけではないですが、あらゆるものの作り込みが半端ない。全てにおいて日本に対する、そして時代劇に対する愛でできている。
僕は日本人なので、プレイしている時、なんだかとても嬉しかった。
終始、このゲームを作った海外の方々から「ニホンノコウイウトコロイイヨネ!」って言ってもらえているような気分になったからだと思う。ストーリーもそうだし、風景もそうだし、あらゆるところで褒めてもらえているような気分になれた。
きっと最後まで飽きずにプレイできたのは、そういう所も大きいのかなーと思います。
80~90時間プレイしてクリアしましたが、まったく飽きることなく最後まで遊ぶことができました。
Ghost of Tsushima、極めて楽しかったです。