2014-04-10(Thu)

STAP騒動と放射能汚染の相似形  4.12今中哲二さん学習会

昨日は風邪をひいて家で仕事をしていたので、小保方氏の会見特番を見ていた。

理研側の会見と違って、各種条件付とはいえ「記者クラブ」の制限がなかったので、大手マスメディアの意に反して独立系メディアや多方面の記者が質問に立ち、小保方さんを責める一方の場にはならなかった。

それでも、本来は理研の調査委員会とやらの報告に対する不服申し立てについての会見のはずだったのに、話はSTAP細胞を目の前で再現してみろという方向に・・・
下世話な質問は論外としても、理研の規定による「ねつ造」や「改ざん」だったのかどうか、という論点はどこかへかすんでしまった。

関西局の毎日放送などは、会見場から戻ってきた山本アナウンサーがかなり小保方氏に好意的なコメントをしていた。おそらく、キー局以外はその流れになりかけたところで、たぶん報道統制が入ったようだ。
今朝のモーニングバードでは、「同情するけど証拠がない」「やっぱりおかしい」という論調に統一。昨日の朝は「論文不正」が「研究不正」にすりかえられている と理研報告の確信問題を突いていたオオツキとかいうジャーナリストも、うって変わって他のコメンテーターに同調。
ネットで新聞各紙をみても、ほぼ同じ論調である。まさに、いつかみた光景だ。

2011年3月、原発が爆発した直後、テレビでは多くの学者が登場して「危ない」と言った。
しかし、翌日にはきれいさっぱりそうした識者は消え去って、「安全」「安心」を垂れ流す中川某などが出ずっぱりで顔を出すようになった。

もう少し前ならば、あの小沢一郎をめぐるいわゆる陸山会事件のとき。各社それぞれ取材もしているはずなのに、記事になると全社おなじ。右へ倣えの検察情報垂れ流し。

問題は報道管制という点に留まらない。
ことはファシズムという支配原理にまでおよぶ。

□■

多数決原理でものごとが決着しないとき、とられる強硬手段は3つある。
① 現政権が議会を解散または無効として独裁政権に移行する
② 議会等を暴力的に占拠して革命またはクーデターを起こす
③ 国民の「劣情」を扇動してファシズムをひきおこす

麻生が「国民の知らないうちにやってしまえ」と言ったのは、ナチスを引き合いに出してはいたが、パターンとしては①になる。戦前の日本も大政翼賛化という形で①だっと言える。
②の一番最近の例は、ウクライナだ。一部の武装部隊が国会を占拠して政権を崩壊させた。これは歴史上沢山ある。
ナチスドイツ以降、③の「成功」例は知らないが、今の日本に生きていて、こちらに突き進むのではないかという危機感はものすごく強い。

③のファシズムが①や②と違うのは、国民の中の「誰はばかることなくイジメを堪能できる」という悪魔の快感を最大限呼び覚まし、その快感に酔いしれた大国民運動にしてしまうことだ。
そして、快感を最大にするためには、イジメの対象は、一見恵まれた羨ましい存在である必要がある。

原発の問題にしても、放射能汚染にしても、あるいは集団的自衛権のことにしても、そもそも戦争をやるのかどうかにしても、今の自民党政権はじつは八方ふさがりになっている。
自民党といえども、これまでの従米一本槍ばかりではなくなっている。なぜならば、米国自体が方針を転換して、日本の原発村や嫌中嫌韓のようなドメスティックな勢力とは利害が一致しなくなっているからだ。

その中で、米国の言うことも聞き、原発村のような国内利権集団の言うことも聞き、戦争へ向かう一部の熱狂的な支持者の言うことも聞き、しかも続々と放射能汚染の被害は顕在化し、同時に世論調査も気にしなければならない。これは、好き放題やっているように見える安倍晋三も、じつはニッチもサッチも行かないどん詰まりに突き当たっているはずなのだ。

□■

秘密保護法やテロ資産凍結新法などを最大限に拡大解釈していけば、たしかに①と同じような独裁に持ち込むことはできる。いっきにやってしまえ、という麻生のアドバイスは、ある意味で敵なりの合理性はある。
しかし、これは逆に②を引き起こすかもしれない。要するに、寝た子を起こすことになる、という心配を支配層はする。また、米国もそこまでの独裁は自らの統制がきかなくなる恐れがあるので歓迎しない。

そんなこんなで、幸か不幸か安倍晋三がモジモジしているあいだに、わき起こっているのが③の機運だ。
安倍のようなお坊ちゃまにファシズムを扇動することはできないが、結果的にその下ごしらえをしているのは間違いない。ここに、例えば橋下徹のようなたたき上げの民衆感情をコントロールする天才が現れたら、一気に持って行かれる可能性が無いとは言えない。

橋下については、石原が子泣き爺のようにすがりついたり、色んな思惑があって幸いにも直ぐに飛び出してくるポジションにはないが、若い連中の田母神支持や投票率の圧倒的な低さなど、一触即発な状況はある。

ただ、まだ今のところ救われているのは、ナチスドイツでのユダヤ人迫害などのような、暴力的な劣情の噴出にまでは至っていない。これから何にそれが現れてくるのか。まず考えられるのは、例の「放射脳」なる言葉に代表される、放射能被害を訴える人たちへの迫害だろう。

国連科学委が、大人は癌にならない、子どもの甲状腺癌が最大1000人と言い出している。
福島原発事故によるがん増加「予想せず」、国連科学委が報告書
2014年 04月 3日 ロイター


これ以外は、ぜんぶ「放射脳」で切り捨てるつもりだ。
しかしそのためには、日本人はまだまだ良識が残りすぎている。イイヒト過ぎる。

□■

そんなおりにわき起こってきたのが、あのSTAP騒動だ。

ことの発端は、若い小保方さんが、成果を先輩に譲らなかったと言うことに端を発しているのだろう。そういう村の掟を守らない者を、持ち上げて落とすことで抹殺しようとした。
一度論文発表させてから「不正」を暴き、論文を撤回させ学会から抹殺。少なくとも部屋住みの窓際に追いやり、1年かけて次のノーベル賞候補だったS先生の成果として発表。STAPの巨額利権は無事、S先生と村のものにということだったのだろう。

ようするに、この特許申請の前のほうに並んでいる数人を取り除きたかったのだろう。

ところが小保方氏は論文を撤回しなかった。撤回しない限り、後々第三者による再現がなされたときの発明者は小保方さんのママである。
まさか、敏腕弁護士を何人もそろえて反撃してくるとは、想像もしていなかったのだろう。昨日の会見では言わなかったことがたぶん、小保方さんの決め球のはずだ。理研は頭を抱えているに違いない。

そんなSTAPの巨額利権をめぐる争いに、国民を扇動する機会を虎視眈々とうかがっていたマスメディアは飛びついた。
若くてきれいな女性で頭が良くてこのまま成功すれば巨万の富も手に入る。絶好のターゲットである。

3月に入ってからの小保方叩きは熾烈を極めた。
メディアは一斉に突き進んだけれども、しかしこれは理研の調査報告があまりに露骨すぎたこと、小保方氏が万全の体制で反撃に転じたことで、うまくはいかなかった。

大手メディアはそれでも「証拠を示せ」「客観性がない」と無駄吠えしているが、そんなものはこれからの理研との闘いのために温存しているに決まっている。会見でばらすわけがないではないか。

そんなこんなで、小保方氏を生贄にする作戦は不発に終わったが、これからもことある毎にこうしたファシズム育成の動きはあるに違いない。
ファシズムが、たんなる政治の動きであると思うことも、放射能汚染とは別次元のことだと思うことも、間違いだ。

※私は小保方さんに同情しているわけではない。たぶん彼女があの反撃体制を取れたバックにはハーバードが付いている。特許の筆頭もヴァカンティだし。ここから先は、理研VSハーバードの闘いになっていくのだろう。

□■

こうして、戦争のみならず、放射能汚染による被害を封殺するためにもファシズムは虎視眈々と狙われている。
しかも、一見政治とかけ離れた話題まで使って、「イジメ」の構図を作り出そうと意図されている。

それに対抗するには、やはり「誰にも文句の付けようがない」データが必要だ。
放射能汚染については、断片的な情報は数限りなくあり、また様々な都市伝説が出回っている。

おそらく、その都市伝説には多分の真実が含まれているのだと思う。
そのような形でしか、情報を広げることのできないもどかしさとともに。

しかし、いくらそこに真実が含まれていても、一切をもみ消そうという大きな力を対峙するとき、都市伝説は力にならない。それは残念ながら、一蹴され「放射脳」という罵声を浴びせられる。

やはり、すくなくとも「これは絶対だ」というデータが必要になる。

そして、その活動を事故直後から続けてこられたのが、京大原子炉実験所の今中哲二さんだ。
今中先生は、飯舘村に調査に入り、汚染と被曝についての調査をしてこられた。

今中さんに対する様々な批判があることも伝え聞いている。
研究結果を素人にもわかるようにお話しいただき、そのような批判も含めて冷静に討論する時間をとっていただいた。

少人数で濃い内容になるはずなので、今週の土曜日、ぜひともご参加いただきたい

【日時】 2014 年4月12 日㈯ 開場13時45分、開演14時
【内容】今中さんから講演、学習交流会式で進行
【場所】討論バー「シチズン」06-6537-7672
    地下鉄堺筋線「恵美須駅」1-B 出口1分
    
http://bar-citizen.jimdo.com/
【費用】資料代金700 円 お茶代500円
【申込】
[email protected]

主催 避難者と未来をつくる会
  (連絡先 黒河内 070-5669-3545)



■■■家づくり■■■

ここからは家づくりのコーナー
(反戦ばっかで家づくりがないじゃないかとよく言われるので)

6月14日(土)から「すがおの家」木づくりセミナーが始まります
1年を通して月に1回木の家についてのセミナーです。
講師は不肖わたくし。

第1回目のテーマは 「木の家のコスト」
高い高いといわれる木の家のお値段のホントを話しします。
会場は大阪梅田近くで、時間とともに正式決定したら公表します。

それに先立ち、5月17日(土)11:00~12:30
           プレセミナーを予定しています。
「木の家はなにが良いの?」
場所は当事務所で、予約があった場合にのみ実施します。
(住所等は右サイドの明月社リンクへどうぞ)

以上、お知らせでした




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報道統制一色

小保方騒動の見立ては私も同感です。
叩きや報道統制は小沢叩き同様に毎度お馴染み。既得権益勢力による利権争いの臭いがプンプンします。
おやっ?と思ったのは、日刊ゲンダイや東京新聞も叩き勢力に回っていること。
また、少なくとも私の周りの共産党系市民活動家も叩き勢力でした。これは小沢さんの時と同じです。
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