政務調査費での飲食全面禁止に（品川区）: さるのつぶやき

2006年12月 8日 (金)

政務調査費での飲食全面禁止に（品川区）

　品川区議会は昨日（12月7日）、政務調査費交付条例を改正し、「研究費、会議費、研修費の使途基準から飲食費、食料費、交流会経費などを削除」して飲食を全面禁止し、同日から実施することを、全会一致で決めました。

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　これは、品川自民党区議団が政務調査費からカラオケスナック、バー、クラブ、パブ、屋形船観光船の船宿、懐石・中華料理店、焼肉店などに飲食費を支出したのは違法だとして､品川区民オンブズマンの会の区民3名から、品川区議会事務局長に対し､同区議団に約769万円を返還させるよう求めた住民訴訟につき、全額の返還を求める判決が下りながら（東京地裁2006年4月14日）、品川区議会事務局長は「政調費の使い方は議会各会派に委ねられるべき」と控訴している中で、成されたものです。10月8日の区長選・区議補選でも一大争点となっていました（9月29日付「安藤たい作のやりたいこと」の記事）。

　世論の高まりと日本共産党の努力により、10月8日の選挙直後の区議会（第3回定例会）で議長提案により「政務調査費あり方検討会」が設置され（10月21日付の記事「安藤たい作ニュース6号」）、また品川自民党区議団は世論の批判に耐えられなくなる中、12月27日の住民訴訟控訴審の判決を目前にした11月30日にこっそりと原告の請求額全額を返還していました（12月7日の「自民党が“こっそり”飲食代（政務調査費）1,128万円を区に返還していた」の記事）。

　日本共産党品川区議団の南恵子団長は「政調費による飲食禁止は、区民世論の勝利であり大歓迎です。議会自らむだ遣いをなくすため、引き続き海外調査の中止、議員の費用弁償制度の見直しを求めてがんばります」と語っています。

　品川区民オンブズマンの会は、先の地裁判決で返還が認められ、11月30日に品川自民党区議団が返還したのは2001年度、2002年度の政調費に限られることから、「2003年度以降はまだ返還されておらず、今後も返還を求めていく」としています。

　品川自民党区議団は、ここに至っても12月7日の記者会見で区民への明確な謝罪はせず、11月30日に返還した理由を「条例改正に合わせた」などとするにとどまり、過去の飲食費への支出について「使途基準に沿って使った」として誤りがなかったと開き直っています。

　また、大学教授と区内の中華料理店で会議したと説明したものの実際には教授は米国にいたこと、台東区関係者らなどと料理店で会合したと説明したものの区役所側が全面否定していることなどについては、「係争中」として説明せず、2001、2002年度以外の飲食費の返還についても、「今後議論する」とするだけでした。

　品川区民オンブズマンの会のHPは、

　　　http://www.s-omb.org/

　同会は、4月28日に品川区議会の各会派に対し政務調査費について公開質問状を実施していますが、品川自民党区議団と品川区議会公明党は回答を拒否しています。また、品川区民連合（民主党など）は、裁判進行中であり中立性を保つうえからもコメント出来ないとしたそうです。

　　　http://www.s-omb.org/report/05/index.html

　このような態度にもかかわらず、品川自民党区議団は「今回政務調査費の見直しは、品川自民党区議団が主導的な役割を果たし」としたコメントをHPで発表していますし、品川区議会公明党は「政務調査費が、公明主導で見直しされました」とHPで発表しています。事実を偽るものとしか思えませんね。

（品川自民党区議団）http://www.shinagawa-jimin.jp/

（品川区議会公明党）http://www.shinagawa-komei.org/kugikaikomei/

　この件に関するしんぶん赤旗の記事は、

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-04-15/2006041514_03_0.html

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-12-05/2006120504_03_0.html

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-12-08/2006120804_03_0.html

　また、東京新聞にも詳しい記事があります。