昨年の春、チベット動乱や北京五輪聖火が欧米で強力な反対運動に会ったりなどチベット問題が世界の注目を浴びた当時、世界各地に支部を持つ米国のチベット支援団体「Students for a Free Tibet」(SFT) の活動に関する特集エントリーを組んだが、シリーズ第一回のエントリーで扱った2007年4月25日のエベレスト山ベースキャンプにおけるSFTのプロテストの後の中国当局による55時間の拘束に関して、プロテストメンバーのうちテンジン・ドルジェ氏とローレル・スザーリン氏自身による体験談がネット上に公開されているので、今回はそれらの体験談を中心にエベレストのプロテストに関して更に詳しく扱ってみようと思う。
2006年10月にチベットからネパールに国境を越えようとしたチベット人の一団が中国の国境警備隊に射殺された様子がルーマニア人に撮影され世界にショックを与えたその半年後の、2007年4月のパンチェン・ラマの誕生日に、亡命チベット系米国人のテンジン・ドルジェ氏がエベレストでチベット国歌を斉唱する様子が生中継でネット配信された事で、その翌年の世界規模でのフリーチベット運動への喚起となったこれは象徴的なイベントである。
そしてこれは北京オリンピックの1年4ヶ月前という、中国にとってみれば国際的評判に神経質になっているというその時期に、「チベット問題」という中国ではタブーになっている問題に触れた米国人活動家がどのように扱われたのかが非常に興味深い内容となっている。
トップ写真:2007年4月25日、エベレスト山ベースキャンプでのSFTのプロテスト。 (Students for a Free Tibet) [A1]
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