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2015年11月の3件の記事

2015年11月16日

iCloudミュージックライブラリの諸問題(再生回数・日時が反映されない)

再生回数や最後に再生した日をベースにスマートプレイリストを作り、今日聞いた曲を振り返ったり、最近あまり聞いてない曲を掘り返したりしている。iCloudミュージックライブラリを使ってない場合は、iPhoneやiPodを母艦iTunesに同期したときに、デバイスから再生情報がiTunesライブラリに反映されていた。

iCloudミュージックライブラリをiPhoneでオンにした場合、再生回数と最後に再生した日時は、すぐにはiCloudミュージックライブラリに反映されない。2015年11月現在、12時間の反映中断期間がある。例えば9:00に曲を再生してiCloudに反映したとすると、21:00まではiPhoneで再生してもiCloudに反映されず、iPhone内にキューイングされる。21:00過ぎに何か再生すると、それまでの未反映分がまとめて反映される。反映中断期間は、以前は24時間だったらしい。

iTunes Match vs. Play Counts | Apple Support Communities
https://discussions.apple.com/thread/3495653?start=450&tstart=0

再生情報がキューイングされているときにiCloudミュージックライブラリをオフにすると、当然のごとく情報は消失してしまう。

なぜこんな期間を設けてバッチで反映しているのか。トランザクションを減らしてクラウド側の負荷を減らしたいのか?面白いことにラブやレートをiPhoneで変更すると、それは即座にiCloudに反映される。これができるのに、なぜ再生情報を反映しないのか。全くAppleのやることはよく分からない。

iTunesとiPodが出たときは、そのシンプルさに感動したものだ。iCloudミュージックライブラリで一気に複雑になり、思うようなライブラリ管理ができなくなった。CDから取り込んでiTunesライブラリを育てるような面倒なことはするな、Apple Musicのストリーミングで聞き、Apple MusicになければiTunesで買えということなんだろうか。最近のMacにはCDドライブすら付いてないから、あながち的外れではないような気がする。

確認したバージョンはiTunes 12.3.1.23 (Windows 7)とiOS 9.1。

(2015年11月28日追記)
マイミュージックに登録してないApple Musicプレイリストを再生しても、iPhoneの中に溜まっている再生情報をiCloudに反映できるようだ。ステーションの再生ではだめだった。

(2016年8月23日追記)
2016年夏のApple Music仕様変更でマッチ精度が上がったのだが、再生回数・再生日時の反映は相変わらずリアルタイムではなく、一日2回のバッチ処理だ。

(2016年9月21日追記)
iOS 10でも一日2回のバッチ反映のままだ。タイミングはiOSアップグレード時刻(とその12時間後)に移動した。

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iCloudミュージックライブラリの諸問題(アートワークが違う)

iCloudミュージックライブラリで違う曲にマッチすると、アートワークも別のアルバムのものが表示されてしまう。曲ファイルのタグ情報にアートワークを自分で埋め込んでいても、マッチした曲にはApple Musicのアートワークが使われる。そのため、オリジナルアルバムなのにコンピレーション盤のアートワークが表示されたり、ベスト盤のトラックなのにオリジナルアルバムのアートワークが表示されたりする。

せっかく時間を掛けてアートワークを設定してきたのに、一枚のアルバムの中で曲毎にアートワークがバラバラという残念なことになってしまう。アルバム一覧で表示されるアートワークは、複数あるアートワークのどれかが自動的に選ばれる。見慣れないジャケ写がアルバム一覧に並ぶわけだ。

さいわいiCloudミュージックライブラリ側に違うアートワークが表示されていても、母艦iTunesのアートワークは上書きされてないようだ。もっとも、アートワークをファイルに埋め込まずにiTunesからダウンロードした場合、それがめちゃくちゃにされたという事例もあるから安心はできない。

Apple Music によってめちゃくちゃにされた iTunes のアルバムアートワークを修正する方法 | R
http://wp.me/p4kidi-1nj

解決策は今のところ見つかってない。強制アップロードさえできれば、自分で設定したアートワークも一緒にiCloudに反映されるのだが・・・

(2015年11月17日追記)

解決策を見つけた。アルバムの一部の曲がアップロードされ、一部がApple Musicにマッチして別のアートワークが設定されている場合には、マッチした曲のアートワークをiCloud側で削除すればよい。アートワークが設定されてない曲には、同じアルバムの別の曲のアートワークを使う仕組みになっているのだろう。

母艦iTunesと別のPCにiTunesをインストールし、Apple IDでログインして、iCloudミュージックライブラリをオンにする。このiTunesはiCloudミュージックライブラリ管理専用だ。意図しないアートワークが付いている曲のプロパティを開き、アートワークを削除すると、iPhoneに表示されるアートワークが、マッチしてない曲と同じものに置き換わる。念のため母艦iTunesのアートワークを確認したが、ファイルに埋め込んだものがそのまま残っている。母艦の曲ファイルの更新日付が書き換わるが、それ以外のメタデータや曲データ以外に変化はない。

確認したバージョンはiTunes 12.3.1.23 (Windows 7)とiOS 9.1。

(2016年8月2日追記)
Acoustic fingerprintingでマッチするようになったので再度テストしてみたら、マッチしてもしなくても、ファイルに埋め込んだアートワークが表示されるようになっていた。ファイルに埋め込んでない場合は、Apple Musicで見つかったアートワークをあてがっている。改めて埋め込むと、それが表示される。面倒なことは考えず、iTunesライブラリでアートワークをファイルに埋め込めばよいので楽だ。

これを応用して、マッチ先を探すこともできる。マッチした曲の聞こえ方がなんかおかしいときは、いったんiCloudミュージックライブラリから削除し、ファイルに埋め込んだアートワークをiTunesで削除し、再びiCloudミュージックライブラリに登録する。マッチしたアルバムのアートワークが使われるはずだから、それを手がかりに、マッチしたアルバムを調べられる。
確認したバージョンはiTunes 12.4.3.1 (Windows 7)とiOS 9.3.3。

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iCloudミュージックライブラリの諸問題(違う曲にマッチする)

Apple Musicで見つけた曲やプレイリストを保存するには、iCloudミュージックライブラリが必須だ。iCloudミュージックライブラリをiPhoneでオンにすると、iTunesとの同期はiCloud経由になる。USBケーブルで接続しても音楽は同期しない。iTunesからiPhoneに曲を転送するには、iTunesでもiCloudミュージックライブラリをオンにしなければならない。すると母艦のライブラリをスキャンして、Apple MusicにマッチしたものはアップロードせずにiPhoneで聴けるようになるし、マッチしないものは曲ファイルをiCloudにアップロードして、やはりiPhoneで聴けるようになる。便利だ、素晴らしい。もしマッチがうまくいけば。

実際にはマッチ精度が低くて、別の曲にマッチすることがよくある。これはiTunes Matchの頃からの問題で、Appleのディスカッションフォーラムにいくつもスレッドが立っている。ビートルズのモノラル録音がステレオ盤にマッチするというのが有名のようだ。

私が経験したのは次のようなパターンだ。同じ曲の別録音や別のライブ音源にマッチする。例えばカラヤンとベルリン・フィルがEMIで1971年に録音したチャイコフスキー交響曲第4番の第4楽章が、グラモフォンでの1966年の録音にマッチしたり、佐野元春「Heartland」の「インディビジュアリスト」が、「THE GOLDEN RING」収録の別のライブ音源にマッチしたりした。全然違う曲にマッチすることもある。宮本文昭の「明日の記憶」が娘・宮本笑里「明日への道」にマッチしていて、ちょっと笑ってしまった。

おそらく音楽の波形を部分的に採取してハッシュを取って比較しているのだろう。ビットレートを高くしておけばマッチしやすいという噂もあるが、AAC 256kbpsでも起きた。

iCloud側の曲をiPhoneで削除して、母艦iTunesでiCloudミュージックライブラリに追加すると、再びマッチング処理が始まって、こんどは誤マッチせずアップロードすることもある。おかしな曲を見つけたら、とりあえずiPhoneで削除しておくというのも手である。母艦iTunesでiCloudの状況が「削除されました」になるから、そういう曲を自動抽出するスマートプレイリストを作っておけば、あとでまとめて処理できる。運が良ければ、誤マッチを訂正できる。運が良ければ、というのが玉に瑕だ。

波形編集ソフトでファイルを編集してマッチしないようにし、アップロードが始まる前に元のファイルに差し替えるという力業を考え出した人もいるが、これを全ての曲でやるのはとても無理。

WORKAROUND — Found a Way to Force iTunes ... | Apple Support Communities
https://discussions.apple.com/thread/4544764?start=0&tstart=0

強制アップロードするオプションが必要という声が海外でも上がっている。しかしAppleがわざわざiTunes Matchの仕組みを捨てるようなことをするわけがない。

Some User Tips (April 2015) | Apple Support Communities
https://discussions.apple.com/docs/DOC-4113

いろいろ調べてようやく編み出したのが、iPhoneに曲を転送したあとiCloudミュージックライブラリで置き換えるという方法だ。

  1. 母艦iTunesからiCloudミュージックライブラリに曲を全てアップロードもしくはマッチしておく。
  2. iPhoneでiCloudミュージックライブラリをオフにする。Apple Musicの曲やプレイリストがiPhoneから消える。もしiPhoneに曲が残っていたら、それも削除する。もちろん原本が母艦iTunesにあることが前提だ。これでiPhoneの音楽ライブラリが空っぽになった。
  3. iPhoneをUSBケーブルで母艦に接続し、曲をiPhoneに転送する。
  4. iPhoneを母艦から取り外し、iCloudミュージックライブラリをオンにする。「結合」か「置き換え」かを聞いてくるので、「置き換え」を選ぶ。

これで、母艦から転送したファイルはそのまま残り、ライブラリの曲情報がiCloudからダウンロードされて曲と紐付けられる。曲毎にダウンロード済みのアイコンが表示されていて、ファイルがiPhoneに存在することが分かる。

母艦iTunesにCDから曲を追加したときは、上の手順を頭からもう一度やり直せば良い。面倒だが、おかしな曲が流れるよりよほどマシだ。

確認したバージョンはiTunes 12.3.1.23 (Windows 7)とiOS 9.1。

(2015年12月5日追記)

再アップロードで「アップロード済み」になったのでしめしめと思っていたが、iTunesで「iCloudミュージックライブラリを更新」を実行したら「Apple Music」になってしまった。そしてアートワークは母艦iTunesのもの、曲自体はApple Musicにマッチしたもの(モノラル録音)というおかしなことになっている。

(2016年7月20日追記)

Apple Musicのマッチの仕組みが分かったので、別ブログ記事に書いた。

iCloudミュージックライブラリの諸問題~マッチは曲名とアーティスト名だけで比較
http://raven.air-nifty.com/night/2016/07/apple-music-34d.html

(2016年8月23日追記)

2016年夏のApple Music仕様変更でマッチ精度がかなり上がり、トラック間のつながりがおかしいのがたまにあるだけで、違う曲が流れてくることはなくなった。

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