日米プログラマの自由度と地位
ポッドキャスト「@ITナナメ読みウィークリー」3月4日号の中から、@IT発行人編集長の新野淳一氏とIBMエバンジェリスト米持氏の対談の要約。
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/podcast/naname.html
IT エンジニアの人気が日本の若い人たちの間で低下している。「3K(きつい、給料安い、彼女できない)」がその原因と言われる。実際にきつい仕事なのは確かだが、自由度が少ないことも問題である。建築業界と同じような考え方で、一箇所に人を集めて拘束し、なるべく安くたくさんのものを作ろうとする考えが強い。会社の生産性は評価されるが、個人の生産性を評価しない。創造性をプログラマに求めていない。結果として、ゲームやアニメ業界に人材が流れる。
アメリカのプログラマは自由度が高い(日本と似た現場もあるが)。科されたノルマを達成すれば、いつどこで仕事をしようが関係ない。基本的な「モノの考え方」が違う。
自由度もそうだが、日本でプログラマとSEを比べると、どうしてもプログラマの地位が低い。要件定義ができて仕様書を書けるSEが上で、仕様書に従ってプログラムを書くプログラマの方が下に位置づけられる。実際、平均給料もプログラマのほうが低い。私が日本のITベンダーでシステム開発業務に携わっていたとき、原価を計算する単価は三段階に分かれていて、一番下がPG(プログラマ)だった。
IT 業界の人気を回復し、IT産業を支えるプログラマの地位を向上するために、まず「SE」「プログラマ」という区別を止めるべきではないだろうか。少なくとも、プログラマはSEの下に位置するという序列を止めたほうがよい。よしんば「SE」としてシステム設計を行うとしても、プログラミングのスキルが基本である。いいシステムを設計するには、プログラムがどう動くかという理解が欠かせないはずだ。プログラマのチームを適切に導くにも、彼らの仕事内容をきちんと理解できる素養が必要である。
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コメント
確かに指摘の通りです。なぜこうなっているか、しかも変わる気配が見えないので不思議です。
投稿: それ | 2016年3月14日 08時50分