ジョブアサインの判断の軸
上司として自分のチームメンバーに仕事を割り振る(ジョブアサインする)時は、行き当たりばったりになったり、思いつきで割り振ってメンバーのモチベーションを下げないように、判断の軸、判断基準が必要だ。原理・原則といっても良い。
私が軸としているのは、いまのところ次の3点である。
・その人にしかできないタスクか、ほかの誰かでもできるタスクか
・その人の成長に寄与するタスクか、特に苦労せずに簡単に片付けられるタスクか
・そのタスクをアサインすることによって節約できる作業工数と、そのタスクを実行することでできなくなるタスクによる損失のバランス
必ずしも、その人の成長に寄与するタスクのみをアサインするべしというわけではない。もちろん、そういったタスクでチャレンジングなもの、そして本人がやる気を出しているのであれば、どんどんアサインして伸ばしていくチャンスだ。しかし場合によっては、既存のスキルの範囲でできるものをアサインしたほうがいいという判断もあり得る。その人が熟練している作業であって、かつ期限がきわめてタイトな場合などだ。
協力会社に依頼するタスクの一部を社内で実施すれば、支払いを節約できると考える人がいる。しかし、社内要員の作業量が増えるため、残業代が余計にかかったり、元々やる予定だった作業が遅れることによる機会損失などでコストが発生する。見えるコストと見えないコストを十分に見極めなければならない。
チームメンバーのジョブアサインだけでなく、自分自身へのジョブアサインでも、同じ判断の軸を持つように心がけたいところだ。マネージャ職でない人たちにとっては、将来チームを持ったときに備えての予行演習にもなる。「ひとつ上の視点を持つ」わけである。
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