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2005年11月 1日

主語の使い分け(You・We・無生物)

「テレコン英会話小冊子」というPDF文書がIBMのホームページに載っている。IBM本社や海外の開発部門とのコミュニケーションをスムーズにし、最終的には顧客満足度を上げようという活動の一環で、ソフトウェア=テクニカル=サービス部門の社員が作ったものだ。非常に実践的でわかりやすい。それだけでなく、こういう情報を社外にも公開する姿勢が素晴らしい。

さて、この小冊子に主語の使い方の注意書きがある。

修正プログラムを作成依頼する時
Can this be fixed?
  「Can you fix it?」では相手の能力を聞いているように取られるので注意。

「Can you ~ ?」は、何かを依頼するときに「Can you open the window?」などと言うから、何の気なしに「Can you fix it?」と言ってしまいそうだ。しかし、場合によっては相手の気分を害する。特に、声のニュアンスが伝わらず、補足説明もすぐにはできないメールで使うのは要注意である。

最近読んだ「反省しないアメリカ人をあつかう方法」(ロッシェル=カップ)に似たような話が出ている。それによると、問題を指摘するときの主語は、「you」ではなく「we」を使うとよい。「You have a problem.」と「We have a problem.」では、ずいぶん違って聞こえるとのこと。また、「we」や「let's」を使うと、一緒になって解決に取り組んでいるという気持ちが伝わる。

相手を責めているという印象を与えないためには、無生物主語を使う方法もある。これが「テレコン英会話小冊子」の例文「Can this be fixed?」だ。必然的に受動態になる。受動態は責任の所在があいまいになるという欠点があり、原則として避けたほうがよい。これを逆手にとって、相手を糾弾するニュアンスを抑えているわけだ。

ところで、「会議の技術」が特集の「プレジデント」最新号(2005.11.14号)の「IBM式 問題解決を3日短縮した電話会議の秘訣」という記事が「テレコン英会話小冊子」を紹介している。ちなみに、このブログ記事を書いたのは「プレジデント」を読む前。下書きのまま寝かせておいたら、タイミングよく「プレジデント」に記事が載った。これもまた、関心のアンテナを張り巡らせていると、情報が向こうから飛び込んで来るという「ジーンズ不安定性」のなせる技だろうか。

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