「医療人としていささかも容認できない」――山口県医師会も怒りの決議
ポチです。
今朝、早起きしてみたら、朝5時すぎには明るくなりはじめて、5時半にはすっかり明るくなっていました。季節の移り変わりを実感しました。
さて、後期高齢者医療制度です。
なぜ、こんなひどい制度を思いつくことができるのでしょうか。なにせ、一国の政府が「いずれ死を迎える高齢者からお金を使うのはムダ」というのですから・・・・・。
「人道」とか「思いやり」とか「正義」とかいう言葉は、この国からなくなってしまったのでしょうか。
政府は、医療費を2015年度には3兆円削減すると言いますが、そのうち2兆円を75歳以上の高齢者から、そして、2025年度には8兆円削減のうち5兆円を75歳以上の高齢者の医療費から削減するという目標を達成するために、この制度はつくられたそうです。
2兆円だとか5兆円。
たしかに少ない額ではありません。
しかし、一方で、道路の問題を考えてみましょう。「道路基本計画」は10年間で59兆円。福田首相は、道路特定財源はやめ一般財源化する、そして、これを5年に短縮するとは言っていますが、いずれにしても、何十兆円というお金が「必要な道路は造る」という「錦の御旗」のもとに「不必要な道路」の建設につぎ込まれることになるのでしょう。
道路につぎ込む「何十兆円」は「必要」で、高齢者の医療費の2兆円、5兆円は「不必要」だということなのでしょう。
あまりのひどさに、全国の医師会も抗議の声をあげました。
山口県の医師会も制度の「見直し」を求めました。
県医師会の「決議」が手に入りましたので、紹介します。
決 議
本年4月より後期高齢者医療制度が導入されたが、この制度にまつわる問題は行政の説明不足などとして連日報道されており大きな社会問題となっている。会員間ではこの制度そのものに反対する意見もあり、また一方では運用に問題があるという意見もある。このように多様な意見の中にあって、保険料の徴収を含めた財源の問題に国民の同意が得られていないこと、「後期高齢者診療料」に象徴されるように医療機関へのフリーアクセスを妨げ、医療格差を生じさせる構図にあること、年齢により受ける事のできる医療の内容に違いが生じることの3点において、医療人としていささかも容認できないということで意見が一致した。
これらの意見に鑑み、国民各層が納得できる制度の構築を目指して、高齢者医療制度の見直しを求めることを決議する。
平成20年4月24日
第159回山口県医師会定例代議員会
非常に良識ある「決議」だと思います。
自民党の強固な支持基盤と言われていた医師会。その医師会すら、こうした決議をあげざるを得ない、それほど今の日本の政治は道を踏み外しているということでしょう。
先日、仕事でおうかがいした家は、たまたま元地方議員の方でした。なにかの拍子に「後期高齢者医療制度」の話になり、「ワシもゴリゴリの自民党員じゃが、今度の制度は、本当におかしい。人の道に外れている。自民党という政党はもう信用できん」と怒っておられました。
自民党政治の終焉は近いのだろうなあと感じているポチでした。
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