ハルタ vol.120の感想
- 2024/12/15
- 17:39
ハルタ120号の感想です。
・ホテル・メッツァペウラへようこそ/福田星良
第43話。演奏会を前に飲み物を買いに行ったジュンは、そこでニルソンという男性と知り合う。ウロフ親子の問題も解決したし、ホテルにも団体客を呼び込めたし、すべてが上手くいった印象。
・珍獣のお医者さん/二宮香乃
第18話。神無先生の幼なじみで同じく獣医になっていた環が、神無家にお邪魔して近況を話す。今回は『公衆衛生獣医』の仕事についてのお勉強回といった趣き。これが何かストーリーに絡んでくるとすれば、エキゾのあいだで何かの病気が流行って……みたいな感じか。
・現象X 超常現象捜査録/温泉中也
第2話。冒頭で市警をクビになったアナンは、正式に国家警察に入りカナイとコンビを組むことに。早速、死体がミイラ化した事件の捜査を行う。100ページあたりからの緊迫感がすごかった。あと、前回感じたアナンの違和感だけど、人耳がないことに対してだな。なのに髪で隠していないのが珍しい。
・サーヴァント ビースト/森野鈴鹿
第16話。ジルから作戦の提案が。肝心のカギを盗む役目を誰が務めるかでモメるが……。石を奪えるくらいの混乱を生み出せたなら、そのまま城に潜入したほうが早い気もするけど……。
・悪魔二世/志波由紀
第11話。修学旅行がスタート。しかし、移動中の車内で体調を崩す生徒が続出してしまう。狙いは荒牧らしいが、巻き添えはやめていただきたい。バス移動になったことを愚痴る生徒の雰囲気が、なんだかリアル。
・THE 3RD EYE/大上亜久利
読み切り。小さな探偵事務所を営むジェニーは、迷い猫の捜索に手こずってしまう。そこで『サードアイ』という装置を使うのだが……。大上先生らしく、埃っぽく鉄と油のニオイがしそうなハードボイルドアクション。ラストの駅のシーンも、良いアクセントになっていたと思う。
・開花アパートメント/飴石
第15話。ドイツ語の詩集を読んでいる藤。そこに八千代が現れ、ある単語をどう訳すかで住民たちに話を聞いていく。ひとつのモチーフを通して、それぞれのキャラが深掘りされた感じ。八千代の最後の言葉も良い。
・神に誓って偽りです/松本水星
第12話。まつりの機転でなんとかピンチを切り抜ける。ボクシングで言えば、第1Rはポイントを取られたといったところか。次の商談で逆転できるか?
・いやはや熱海くん/田沼朝
第28話。辻くんが何者かの視線に悩み「生霊では?」と話がつながる。その正体は……。これまでにいなかったタイプで、熱海くん周辺をひっかき回してくれそう。まずアドレスとかじゃなくて、自分のポッドキャストを伝えるのか。
・クプルムの花嫁/namo
第47話。少し時間がさかのぼり、企画展のタイトルについてしいなが悩んでいるときの話。修が朝のジョギングに誘う。この企画展だったり、あさひの話だったり、周辺の人の話が続いていたので、2人の関係性を描いた話はひさしぶりか。
・本なら売るほど ‐古本屋十月堂とその客‐/児島青
第10話。同じホテルに泊まったご夫妻との話も良いが、やはり300ページからのお風呂のシーンが素晴らしい。オチのクロスワードの言葉も、いいスパイスになっている。
・司書正/丸山薫
第23話。蔵書楼に忍び込んだ玟華は、キビの言葉に耳を傾けずブラコンぶりを遺憾なく発揮する。しかし、そのせいで司書正に異変が……。司書正、こんなにもモロいものだったのか。回復するためには、もう一回体内に入らなければならないのでは?
・ヴラド・ドラクラ/大窪晶与
第47話。焦土作戦を展開しオスマンの補給に打撃を与えたヴラドは、さらなる作戦を提案する。見開きのゾンビっぷりなど、なかなかにインパクトがあった。最近はヴラドよりシュテファンのほうが主人公っぽい。
・虎は龍をまだ喰べない。/一七八ハチ
第37話。火竜の群れの攻撃を受けて、土竜は倒れてしまう。386ページの『ボシュ』で、子供を打ち出した感じか。しかし、火を吹けば火竜も死んでしまうとは。なかなかに残酷な世界観。
・アルケミックガール×バーサーカーボーイ/松賀諒真
第5話。意気消沈の鶴寿丸だったが、父親の言葉を受け立ち直る。主人公というか侍としての第一歩を踏み出した感じかな。そして、今後のライバルとなるであろうキャラも登場。次回は、肥後で顔を合わせる感じか。
・山を渡る‐三多摩大岳部録‐/空木哲生
第43話。五色ヶ原を出発して、雄山まで。これまでで最もハードな内容。1年生たちだけでなく、黒木たちも息を切らせながら一歩一歩進んでいく。見開きの山の迫力は相変わらずスゴイ。
・かくしか、まる。/魚沢なりた
読み切り。カタブツ生徒会長の一条くんには、栗花落さんという彼女がいた。しかし、周囲の目を気にするあまり対応がぎこちなくなってしまう。恋愛レベルとしては初歩の初歩もいいところだけど、だからこその甘酸っぱさが満ち溢れていた。続編を読んでみたいところ。
・かわいすぎる人よ!/綿野マイコ
第50~51話。今月も2話掲載。流星が過労のあまり倒れてしまう。2話目の青木君との“友達の友達”の距離感のやり取りが良い。メイちゃんは中学生だから、まだバイトはできないか。
・瑠璃の宝石/渋谷圭一郎
第33話。なっちゃんが化石好きになるキッカケとなった『アクアドラゴン』の化石を探すことに。なっちゃんも言っているように、異なる専門分野の視点を持ち寄って目標にたどり着くという展開はアツい。ルリとなっちゃんの一枚絵もバッチリ決まっていた。
・狼よ、震えて眠れ/犬童千絵
第4話。強姦魔たちに罰を与え、宝飾品を頂いたカリナたち。そこに被害者の父親が現れ「形見を返してほしい」と言うが……。お仕置きは分かりにくいけど、男たちのチ*コを撃ったってことなのかな?
・キラキラとギラギラ/嵐田佐和子
第30話。奪われたルルの制服を取り返すため、最恐高校に乗り込む禅くん。そこから学校同士の大喧嘩に発展してしまう。裏番の安芸山さん、彼女もキラキラ世界から来たということは、今後のキーパーソンとなっていきそう。
・先生、今月どうですか/高江洲弥
第44話。本格的に執筆活動を再開した四十万先生。桜庭さんもサポートする。これを書き上げて紫ちゃんに読んでもらって……みたいな感じなのかな?
・11番目のねこはねね/はりかも
第6話。キッチン担当のサラのお手伝いをしていたら、いつも以上にハナビにキレられてしまう。それ以降、今まで以上に態度が冷たくなってしまい……。次回は正面から気持ちをぶつけ合う感じか。
・殺し屋の推し/大島琳太郎
第15話。QIFがスタート。予選通過組のろ~ゼシアは、物販エリアで特典会をすることに。香李とチェキを撮るエンドウを見つけた望々果は……。はた目にはアイドルとファンなのに、その関係性が逆転してしまっているのが良かった。でも、次回以降で悪い方向に感情が爆発しそう。
・ファンシー革命/犬島ななこ
第7話。プロフィール帳の版下作りに苦戦するユメ。しかし、初心を思い出すことで状況を打開する。これで最後の砦の千世も攻略したし、今後は同期5人で協力して……みたいな展開もくるかな。
・煙と蜜/長蔵ヒロコ
第54話。姫塚家にお邪魔する土屋三兄弟。っていうか、あの家に洋室もあったのか。今回も10ページと短い。
・午前二時は食卓で/今東ともよ
第10話。充が過去を話し、タマミに除霊?をお願いする。これで状況は改善するだろうけど、だからといって呪いが解かれたわけではないような。どういう結末にするんだろ?
・峠鬼/鶴淵けんじ
第35話。人麻呂が現在の状況を説明する。ザックリ言うと分岐した世界線から、不来巳のいる元の世界線に戻らなければならなくなる。足女だけ状況を理解できないのが面白かった。妙や善も何度も修羅場を潜り抜けてきたからな。
・ウスズミの果て/岩宗治生
第29話。地下深くまで降りてきた小夜たち。そこが『地表』だということを知る。ということは、いままでの行程は、ある程度の高さのある場所を進んでいたのか。そして、他の都市との連絡が取れたかと思われた矢先に……。過去最大のピンチなのでは?
・ふしぎの国のバード/佐々大河
第63話。森の邂逅編。平取へ戻ろうとするペンリウク酋長の前に、伊藤とピピチャリが現れる。馬で苫小牧?まで往復して…というのも時間がかかりそうだけど、現状はこれがベストなのか。
・ハクメイとミコチ/樫木祐人
第119話。ハクメイの父ロカと友人のウラガが、娘に会うためマキナタを目指す。しかし、懐具合に不安が……。ウラガがクッキーについて熱弁しているときに、イカサマを仕込んだのか。ときどき、こっちの話も描いてほしい。
・魔女のエデン/ゆめじ
第24話。囚われのオークに語りかけるザクム。悪役としての所信表明だが、それよりもフルーディティラが暴走しないか気になる。そしてピリーは新米兵士として魔女狩りに参加することに。どういうふうに振舞うのか?
・唄よ響む空の獣/成海もか
読み切り。八咫烏杯受賞作。空を飛ぶクジラが地面に落下。その恵みを頂く。たとえば、アイヌがクマを狩って……みたいたことを描いているのだが、それ以上の何かが欲しかったところ。話者が口琴を演奏してからのシーンは良かったけど。
・NuttNet/雲岡栞
読み切り。八咫烏杯受賞作。突然、スマホの電源が入らなくなってしまう。日常をゆったりと過ごしていた波ちゃんだったが……。河原にヌートリアがいただけでもちょっと面白いのに、そこに宇宙人が後押しをかけてくるとは。スマホをパクられるのもいいオチになっている。レベル高し。
・歩道の歩き方/及川亮太
読み切り。八咫烏杯受賞作。自分のルールに従って、歩道をズンズン歩く男。そのセリフのリズム感がとても良い。ちゃんと目的地があって、それ以前の奇行の理由付けになってもいるのだが、個人的にはゴールがないまま歩いてほしかった気持ちもある。
・予告
次号は、2カ月後の発売。アパート、現象X、瑠璃、峠鬼、司書正、涙子が掲載。天野実樹の新連載が始まり、國分秋良、冬馬リツ、本山とらじろうの読み切りが載ります。
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