「つながりやすさNo.1」という嘘 その2  このエントリーをはてなブックマークに追加

http://nosoftbankno.blog84.fc2.com/blog-entry-273.htmlの続きです。
前の記事では、いわゆる「プラチナバンド」とその基地局普及具合と、そして利用者の実感がまるで伴っていない事。
そしてつながりやすさNo.1なんてとんでもない嘘である事を書きました。

この記事では、ソフトバンクが「つながりやすさNo.1」とする根拠となっている「第三者機関の調査」という点についてツッコんでおきます。
全然第三者機関でもねーし。信頼性もねーし。

恐らく明日2013/03/21の記者会見ではこの辺をしつこくプレゼンするはずですが、あらゆる面から見て嘘ですので、皆さん白い目で見てあげて下さいね!(※やっぱり嘘だらけでした)
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2.「第三者機関によるデータ」ではない

さて、このソフトバンクがCM・広告・記者会見で強調する"第三者機関"が調査したというデータは2つ。
スマートフォンの「通話接続率」と「データ接続率」なる調査の結果です。
通話接続率はイプソス株式会社、データ接続率は株式会社Agoopが発表したものです。

確かにこれらの会社はソフトバンクとは関係の無い会社のようです。
しかし、良く見なくても、パッと見てすぐにおかしいとわかる部分があります。
それはデータ接続率の調査方法。
株式会社Agoopが行ったのは、単に統計分析処理だけなんですよね。
肝心のデータ提供は、孫正義が会長を務める、ソフトバンクのグループ会社であるヤフーです。
ヤフーがAndroid/iOSに提供している「防災速報」というアプリがあるのですが、この内Android版から得た定期的な接続データを元に出した数字が「データ接続率」だそうです。

もうこの時点で第三者機関による調査ではないです。グループ会社による調査です。
CMや広告の内容は完全に嘘です。
JAROや公正取引委員会に通報すべき問題です。

当然の話ですが、グループ会社のヤフーが提供したデータを使った事により、調査の公正さなど一切担保されていません。いくらでも結果を操作出来ますからね。
ドコモやauユーザーからの通信を落として、ソフトバンクユーザーは優先的に通すことだって可能です。
それどころかデータ自体を捏造することも可能です。
あ、ついでに言うとAgoopもソフトバンクグループだそうですよ! 終わってるね!

lier.png

また、データの利用は利用者に了解を得ているとの事ですが、実際にアプリを入れてみたところ、そんな了解は一切取られていません。
アプリをインストール後、現在地連動設定の設定が出てくるのですが、そこには『詳しくは「現在地連動設定について」をご覧下さい』と書かれているだけで、そこにあるリンク先を見てようやくデータが利用されると書かれてあるのを見る事が出来るだけです。

現在地連動通知とは、位置情報を自動取得し、「地域の設定」で設定した地域以外の災害速報をプッシュ通知する機能です。例えば、旅行先や、移動中などでも、その地域の災害速報を受信でき、災害状況の迅速な把握にお役立ていただけます。

この機能を利用するには、Android端末の設定から、「位置情報サービス」「現在地情報」等の利用をオンにしておく必要があります。位置情報の取得頻度は、約30分に一回程度です。

この機能を利用すると、通信状態を含むご利用環境情報が取得されます。この情報は、通信環境改善のための参考資料として通信事業者に提供する場合がありますが、個人や端末が特定される情報は取得しません。利用規約も合わせてご確認ください。


これしか書かれていないんですが、これでどうやって了解取ってるんですかね?
アプリの起動時にも「アプリを起動した時点で利用規約に同意した事になる」なんて事すら出てきません。
何がどう「了解を取っている」なんですかね? 糞企業が。

・・・まさかこんな事のために使われるとは誰も思っていなかったでしょうね。
アプリはありえないぐらいモッサリだったので即アンインストールしました。
こんなもん災害時に使いもんになるかボケ。


・・・おっと失礼、話が若干それました。
で、通話接続率の方は、この点に関しては問題無いと言えます。
しかし、もっと根本的な問題点を抱えています。

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3.調査方法の詳細と合否の基準がまるで示されておらず、信頼性が皆無

非常に単純な話なのですが、「調査をした」とはありますが、その調査方法について一切の詳細が示されていません。

通話接続率に関しては、イプソス株式会社の発表によりますと「携帯電話に対する固定電話回線からの音声通話の発信。・協力者あたり月間15回、7時-23時までの時間帯で、ランダムに発信」とあります。
これだけしか書かれていません。どこを探しても、これ以上の調査方法が書かれていません。
これでは提示されたデータの信憑性を評価することは不可能です。

同じように考えたインターネットコムは、以下の記事にてイプソス株式会社に電話取材を行なっています。

ソフトバンクの「つながりやすさ、No.1へ」に SNS からは厳しい声も - インターネットコム
http://japan.internet.com/allnet/20130311/7.html

もうひとつは、調査方法に関するものだ。イプソス社によると、この調査は朝7時から夜23時の間に、全国の調査対象者に向けてシステムがランダムに通話発信し、接続率を調査しているという。

(略)

ユーザーの利用動向によっては、どのキャリアでも通話圏外になるような場所にいる場合や、サンプル対象者の端末が電池切れや電源を OFF にしている場合など、どうしても“つながらない”場面は想定できる。18万回以上の通話発信に対して接続失敗率がどのキャリアでも3%を切っているというのは、考え方によっては“想定の範囲内”であり、各社の差は“誤差”だと言うこともできるのではないだろうか。イプソス社の担当者はこの調査結果の評価について「ノーコメント」としている。


イプソス株式会社では調査方法としてシステムがランダムに通話発信しているそうですが、これって実は「ワン切り」しているだけなのではないでしょうか?
さらに、何がどうなれば「接続成功」「接続失敗」とカウントされるか、その閾値も示されていません。

コール音が鳴った時点で接続成功なのですか?
相手が電話を取った時が接続成功なのですか?
何が何秒間続けば接続成功なのですか?
一瞬でも繋がれば接続成功なのですか?
何がどうなれば接続失敗なのですか?
圏外・電源オフアナウンスが流れたら接続失敗なのですか?
コール音が鳴り続けても電話に出なければ接続失敗なのですか?
機内モードにしている場合は考慮されていますか?

これらの事は、何もわかりません。
何せイプソス株式会社に聞いても「ノーコメント」ですから、この時点でこの調査に何ら信頼性を持てないです。
調査会社自身が調査の評価が出来ない、その程度の意味不明な調査ですし。

ソフトバンクの緊急(笑)記者会見でもこれは明かされる事は無いでしょうね。
もしくはいつものソフトバンクフォント(極小文字)で明かすだけですかね。


また、このイプソス株式会社が出したデータに基づいてソフトバンクがグラフを提示しましたが、これを見るとデータ自体がおかしい事が見て取れます。

鈴の音情報局blog ソフトバンクの実感ナンバー1詐欺についてモノ申す(追記)
http://suzunonejh.blog15.fc2.com/blog-entry-3460.html


鈴の音さんが見事にツッコんでおりますので、そちらから引用します。
鈴の音さんが書き加えたグラフをご覧下さい。

kiji20130131i.png

何が言いたいかというと、このデータ、各社が同じように1年掛けて徐々に通話接続率が上がっていってるんです。
おかしいですよね? auやドコモもソフトバンクと同じように右肩上がりのグラフを描いてる。
そして、この傾きから考えると、過去に遡れば遡るほど通話接続率が低くなっていってるんですよ、ドコモやauも。
半年で1.5%ほど上がってる事から考えると、3年前なら9%減ってる計算に。
この2社が3年前に90%切ってるなんて考えられないですよね。

もちろん、これは通話の話なのでLTEは関係ありません。通話は各社各端末全て3G通信です。
ドコモはLTEのエリアが狭いだの繋がらないだのと言われていますが、通話は3G回線なのでLTEは関係ありません。

また、ソフトバンクは公表していませんが、この通話接続率はスマートフォンだけでなくフィーチャーフォン(ガラケー)の分も統計を取っており、算出されています。

http://www.ipsos.jp/images/%E5%BE%93%E6%9D%A5%E5%9E%8B%E6%90%BA%E5%B8%AF%E9%9B%BB%E8%A9%B1_0305.png

こちらを見ると、ソフトバンクはブッチギリ最下位なんですよね。
それだけを見ると、スマートフォンで多くの機種が対応しているプラチナバンドの効果が出ている・・・なんて話になりかねませんが、実際は900MHzの免許が下りる前に900MHz対応機のPANTONE 4 105SHを発売してたり、他にもあれだけガラパゴス機能と呼ばれるおサイフワンセグ防水を批判していたにも拘らずそれらを搭載したフルスペックなフィーチャーフォンである109SHを発売したり(実際この3月は結構売れてる)しているわけで、こちらにも影響出てもおかしくないんですよ。
で、実際グラフにしてみればわかると思いますが、スマートフォンでのソフトバンクの傾きとフィーチャーフォンでのソフトバンクの傾きはほとんど同じなんですね。
さらに、こちらもやはりauもドコモも1年掛けて徐々に接続率が上がっていってる。

どう考えても、この調査データ自体がおかしいんですよ。
こんな数値はありえないんです。

さらに言っておくと、このグラフは相変わらず原点が書かれていません。
というか良く良く考えると、各社97%ほどで推移してるわけで、実はほとんど差が無いんですよ。
原点をゼロにすれば良くわかると思いますよ。


こんな調査結果を提示されてしまっては、イプソス株式会社の調査には信頼性が全く無いという結論を出さざるを得ません。
イプソス株式会社を信頼する事が出来ません。そうとしか結論出せないんです。
そもそもソフトバンク曰く「世界第2位の調査会社」だそうですが、一体何が第2位なのかサッパリわかりませんし、あくまでもその日本法人ですからね。

さらに言っておくと、イプソス株式会社に調査方法を指定して調査を依頼したのはソフトバンクだと思うのですが、もしそうならこの調査にはやっぱり信頼性は持てないですね。
もし調査内容の詳細が明かされても、ソフトバンクは最初から内容を知っているわけですからいくらでもそこで良い結果が出るように調整出来ますし。

という事で、イプソス株式会社様には、自身の信頼性に関わる事態となっておりますので、第三者に調査内容に妥当性があるかどうかを判断してもらうためにも、是非とも調査方法の詳細を公開して下さい。
調査方法の評価は第三者が行います。

それまで、ソフトバンクや孫正義がいくら「第三者機関が調査した信頼性のある結果」「ソフトバンクはつながりやすさNo.1」と言っても、何の説得力もありません。
また、信頼性が無いと俺が主張する根拠はまだあります。
というかさらに根本的な問題です。


4.そもそもこの調査はそれぞれの「接続率」なるものを示す物ではない

良く良く考えてみると、この調査は本当に「接続率」なんてものがわかるのでしょうか?


まず、通話接続率。
再度掲載しておくと、調査方法は「携帯電話に対する固定電話回線からの音声通話の発信。・協力者あたり月間15回、7時-23時までの時間帯で、ランダムに発信」です。

で、これのどこが通話の接続率なのでしょうか。
これは、携帯電話からの発信ではなく着信のみを見ています。
携帯電話は着信だけでなく発信も行うわけですが、さてそちらの「接続率」はどこへ行ったのでしょうか。
これでは受け身の状態しかわからないですし、受け手の状態は一切考慮されていません。
しかも、通話としながらも「実際に通話できたか」という事は一切考慮されていないと思われます

何せシステムが自動的にランダムに発信しているわけで、システムと会話なんて出来ませんから。

つまり、この調査からわかる事は「通話出来る確率」ではなく、「固定電話から着信出来る確率」です。
しかも明かされている調査方法を鑑みると、「固定電話から携帯電話にワン切り出来る確率」である可能性が高く、通話、さらには会話出来ているかどうかも考慮されていない確率が高いです。
これでどう通話部分のネットワークの信頼性が証明出来るのでしょうか。

どうしても通話接続というものを数値化したいのなら、「電話発信して相手が電話を受けて、30秒会話する」ぐらいを接続成功基準として算出すべきです。
そう思いません?


さらに、データ接続率。
こちらも、ユーザーが自らの意志でパケット通信を行ったのではなく、30分間隔で行われるアプリの自動通信によるパケット通信です。
これをネットワークの信頼性と結びつける時点で大間違いです。

これで通信出来たかどうかを見たところで、実際にユーザーが能動的にデータを取りに行った時にどうかというのは全くわかりませんし、この調査で使われたのは800MHzや900MHz帯に対応したAndroidスマートフォンであり、Androidなら節電のために画面オフ時の通信を切るようなアプリも存在します。
自動タスクキラーも存在します。
アプリ利用時に「接続率の調査のためにログ取ります」なんて了解は一切取ってないのですから、ユーザーがこういった事を意識するとは思えないですね。


そもそもこの調査は「ネットワーク上にデータが流れたか」を問うものではなく、「ヤフー謹製アプリがちゃんとデータを流しているか」という調査に他なりません。
大体、このアプリが通信に関して100%信頼をおけるものではないですし、アプリはau版GALAXY S2でもモッサリモサモサ。
こんな不安定なアプリで定期通信させてログ取らせるとか、その時点で終わってるんですけどね。

さらに、機種により2GHzや800MHzや900MHz帯だけではなく1.5GHz帯や2.5GHz帯に対応していたりしますし、通信方式も3GだけではなくLTE、TD-LTE、WiMAXと多岐にわたります。
もうauではWiMAX搭載機の新製品は出ませんし、ドコモは800MHzや1.5GHzのLTE対応機が出始めています。
結構この調査ってナンセンスなんですよねぇ。
もちろん機種による性能の違いもありますし、そもそもiPhoneを除外している時点で各社のAndroid端末比率も考慮しなければならないですが、そこは全く考慮されていません。

さて、こんな状態で、たかだか1つのアプリの自動通信だけで何がわかるのでしょうか?
そもそも、ソフトバンクだけYouTubeやDailymotionなどの無料動画サイトに、動画閲覧出来ないほどの速度規制を掛けていたりするわけで、実際の通信の使い勝手がどうかなどは別の話です。
そう考えると、データ接続率ってのは何が基準なんでしょうね?

・・・ああ、そういえば東京で震度5の地震が起きた時、ソフトバンクは真っ先にネットワークが輻輳したり、防災速報アプリを提供するヤフーのトップページが全く繋がらなくなったりしたそうですが、そういった事も考慮しなければならないんですよね。
それらを合わせたものが「データ接続率」じゃないんですかね?

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という事で、そもそもこの「つながりやすさ」調査自体が無意味という結論であります。
何の比喩でもなく本当に無意味であり、ユーザーの声は完全に無視されています。
実際、あのCM打ちまくってからネガティブツイートが温泉掘り当てたみたいにドバーッと溢れ出てきました。
が、ツイッターではSBCareもmasasonもその他社員も全力でスルーして宣伝ツイートに必死。おかしな会社ですねぇ。良心の呵責は・・・あるわけ無いか。

さて、3/21の記者会見ではこれ以外にも色々言うつもりらしいので、もしかしたらその3も書かないといけないかもしれません。
徹底的に行きますかね。
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テーマ : 許されない出来事
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