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DATE: CATEGORY: お嫁本編
 こんばんは、すいもうです。
 最近、「神獄塔 メアリスケルター」というゲームが気になっています。
 以前からDPSで紹介されていて、気になっていたんですけど、見た目は一番好きな子が、前日譚で語られているので、ますます気になってきました。
 まぁ、うん、おわかりの通り、赤ずきんが見た目は一番好きですね。次がアリスかなぁ。
 なんとなく、百合っぽくはならないのだろうけれど、気になる作品だったりします。
 まぁ、それはさておき。
 今回は、たぬきさんです。
 かなり端折りながら、内容を聞きます。
 どういう感じなのかは、追記にて。
 では、お黄泉ください。


 夢、吹きすぎし~月想う~ 百七十六話

「ある雪の日。同じ時間、同じ場所に、そのふたりは捨てられていた。路地の奥の奥にある寂れた教会。その扉の前に、そのふたりは捨てられていた。互いに毛布一枚で包まれ、刻一刻と体温を奪われながら、死が近づいていた。そんなふたりをある女医が拾い、名を与えた。その国を建国した王の側近である偉大なる騎士長とその妻である心優しき聖女の名を、ふたりに与えた。それがすべてのはじまりであった」
 王さまがゆっくりと語っていく。
 その内容はどこかおとぎ話のようなもの。実際王さまの口調はおとぎ話を語っているように思える。ただ王さまが語る内容は、どこか聞き覚えのあるものだった。
「ふたりは、女医に育てられながら、すくすくと成長した。しかしふたりが十四歳になった日、少女は少年と女医のもとから去った。もともと少女はその国の大貴族の娘だった。少女の父である大貴族は十年もの間、少女を探し続けていた。そして十年目のある日に、少女を見つけた。しかし大貴族は同時に気づいてしまっていた。娘である少女が、少年を愛していることに。そして少年もまた少女を愛していた。そのふたりの仲を裂くことを大貴族は躊躇った。だが大貴族にはもうひとり娘がいた。少女の妹だった。その妹は、姉である少女とともに暮すことをずっと夢見ていた。妹の夢を知っていた大貴族は苦渋の決断をした。すなわち、少女と少年が十四歳になるまでは、女医のもとに預ける。だが十四歳になったら、引き取ると大貴族は人伝で女医に伝えた。女医もまた苦渋したが、最終的には頷いた。そうしてふたりは一時的に別れることになった」
 よくある悲恋。王さまの話を聞く限り、そう思えた。現時点ではそう断するしかない。けれど王さまは言った。一時的に別れる、と。つまりふたりは再会できた。ただし、再会できたからと言って、結ばれたというわけではない。まぁ、最初に妻とか言っていたから、最終的には結ばれることになったのだろうけれど、その道中は決して平たんなものではなかったことだけはたしかだった。
「別れてから二年後。少年は、ある武道大会に出場することになった。その武道大会は、その国の王が主催する、御前試合であり、優勝者にはその国の騎士長として資格ととある大貴族の娘を妻にする権利が与えられた」
「その娘っていうのは、もしかして」
「うむ。少年が愛し、少年を愛した少女だった。おそらくは、その国の王は、少女と少年のことを知っていたのだろう。ゆえに少年は少女のためにその大会に出場した。そのためだけに女医の元を離れ、同じく、とある大貴族の養子に迎えられた。すべては勝利し、少女を取り戻すために」
「養子に迎えられた時点で、婚約してもらえばよかったんとちゃう? そうすれば苦労なんてしなくても」
「無理だ。なぜなら少年が養子に迎えられた時点で、少女が御前試合の優勝者の妻になることを決められていた。同じ大貴族であっても、王が決定を下したことを覆すことはできない。少年ができたのは勝者となるべく強くなること。それだけだった」
「なるほどな」
 王さまが下した決定を覆すことは、たしかに誰にでもできない。できるとすれば、同じ王同士くらいだろうか。それでも国の規模によっては難しい。決定された時点で、養子に迎えられてしまっていたのでは、少年が少女を取り戻すためには、御前試合に出場し、優勝するしか道はなかった。苦労することは確定だし、出場したからと言って、必ずしも優勝できるわけではなかった。それでも取り戻すにはそれしか方法がないのであれば、あたしも同じことをしただろうな、と思う。そしてその結果は、たぶんあたしの想像通りだろう。
「少年は、瀕死の重傷を負いながらも、御前試合をすべて勝ち抜いた。そして瀕死の体を引きずって、少女の元へと赴き、少女を取り戻した。その日はちょうど月のきれいな夜だったそうだ」
「ロマンチックやねぇ」
 笑ってしまいそうなほどに、最後はロマンチックなものだった。でもたしかに王さまが最初に言ったように、大恋愛だった。あたしとカリムもなかなかに大恋愛ではあったが、さすがにこの話のふたりほどではなかった。なのはちゃんとフェイトちゃんでもさすがにこのふたりには敵わないと思う。
「でも、その大恋愛を果たしたのに、ふたりは死に別れてしまったんやな」
「ああ。いろんな事情が複雑に絡み合った結果に、な」
 王さまがそっとまぶたを閉じる。ふたりの最期を悼んでいるのだろう。故人を想うのは別に悪いことじゃない。ただそれにしては王さまの様子がいつもとは違う気がする。そのふたりは、王さまにとってどんな人たちだったのか。なんとなくいまの王さまの様子を見るかぎり、わかる気がした。
「王さまにとって、大切な人たちだったんやね?」
「……我自身は、その少女には会ったことはない。少年、いや騎士長となったあのお方には一度だけ目通しをさせていただいたことがある。そのときは、まだ闇の書の構成体などという存在ではなかったがね」
「ふぅん」
 なんとも言えない話だ。まぁ王さまの過去が少しわかったのはいい。少年と少女の大恋愛を知れたのもいいとしよう。問題があるとすれば──。
「それでノっちゃんたちの前世とやらは」
「少なくとも、ひとりはすでに話に出たぞ」
「ひとり?」
「ああ」
 王さまはまぶたを閉じたまま言う。あとは自分で考えてみろ、ということなのだろう。与えられた情報から考えると、少女の妹だった相手が怪しい気がした。女医と大貴族はたぶん違う。となると残るのは少女の妹だった。たぶんノっちゃんたちの誰かが、その妹だったのだろう。
「少女の妹ちゃんやね? 身内に大恋愛をした人がいるというのはなかなかにレアな体験を前世でしたんやなぁ」
 いわゆる許されざる恋と言う奴だった。たしかに大恋愛に発展するのも頷ける話だ。
「ん?」
 ふと引っ掛かりを憶えた。許されざる恋。よくあるフレーズだ。しかし実に身近なところで、その恋が進行形であるのをあたしは知っている。なにせその恋は、あたしの息子がしていることだった。そしてその相手には妹がいる。なにかが急にかみ合うのがわかった。
「……なぁ、王さま」
「貴様の想像通りだ。少女の妹の名は、シンシア。シンシア・フォン・カッヴァリーノ。そして少女の名は、クレア・グラディウス・カッヴァリーノだ」
 王さまの言った名前にあたしは言葉を失った……。

テーマ : 二次創作 - ジャンル : 小説・文学

コメント

メアリスケルター、調べてみました。
ダンジョンRPG好きとしては気になりますが……主人公、男ですかぁ…残念。
……いえ、Wizとかメンバー固定でないダンジョンRPGは全員女性で百合設定にしてますから(笑)
剣と魔法と学園モノと言うゲームは、相関図と言うルールがあり、データとして、女性同士でも好き同士に出来る秀逸な設定がありました(笑)
ラプンツェルとグレーテル良いですね。
ラプンツェルならお姉さんでも良かったかもしれませんが(笑)
メガネ嫌いと言いつつ、グレーテルみたいなメガネさんは好きです(笑)
……まぁ、8月に世界樹の迷宮Vが出るので今年はそれにかかりっきりになるので他に手は出せないと思いますが……。

ロマンチックと言えば、エレノアさんとシンシアさんもそうでしたね。
エレノアさんの告白でボロボロ泣いてしまいましたからね、私(笑)
年の差カップル良いなぁと思いました……。
夜光珠がのあっちさんとシンシアちゃんの元に来たときも。

たぬきさん、クレアさん、シンシアさんとクレア姉さん、シンシアちゃんの名前の一致知ってしまうんですね。
……なのはさんに教えたら今の時点ならいっそうガっくんのことを危険視しそうな(笑)

女医と聞いたら、女医はシャマル先生と勘違いしそうですね(笑)
まぁ、王さまが構成体になる以前と言っているのでそれはなさそうですが(笑)
マテリアルDになる以前の王さまがどんな人物かも気になりますね。
少なくとも、はやての姿をコピーしたディアーチェの姿では無いですし……。
ユーリは元人間だったそうですが……。
そう言えばユーリ男の娘説はどこから来てるんでしょうね(笑)
……ユーリは男性名ですから、そこからかもしれませんが……それならレヴィもフェイトちゃんも男性名ですし……(笑)

さて、では、失礼します。
ハイスクール・フリートアンソロジーが思いの外百合……黒木さん×マロンちゃん推しなら大勝利でしょうね(笑)
いんたーばるっ(小説)はまだ来ませんでしたが(笑)

Re: タイトルなし

 コンセプト的には嫌いじゃないんですけどねぇ←しみじみ
 そう、そこが残念ですよねぇ。アリスが主人公であれば、まだ、ね←遠い目
 さすがすぎて言葉もないです←笑
 なんとまぁ、そんな素晴らしい設定があったんですね。手つけておけばよかった←ヲイ
 ああ、うん。予想通りのメンバーですね←笑
 まぁ、グレーテルはどうかなとは思いましたが、ラプンツェルは確定だろうな、とは思っていましたけど←笑
 って、ラプンツェルがお姉さんとか、完全に某お姉ちゃんっぽいですよ←汗
 ああいうメガネさんはOkなんですね。線引きが難しい←汗
 ああ、それじゃ無理ですねぇ。もっとも自分も九月頃から一気に忙しくなるので、手を出すかどうかは←汗
 歳の差百合のふたりだからこそのロマンチックだと思うのです。
 そう言っていただけると嬉しいです。わりと気に入っていますから、あのシーン←しみじみ
 伊藤ハチ先生的に言えば、「おねロリ」ですね←ヲイ
 あれはあれで結構大変でしたけどね。調べるのが←汗 その分いい感じになれたかなぁとは思いますが←笑
 知ってしまいました。そしてその先にもまた気づいてしまいます。詳しくは次回にて←ヲイ
 まぁ、危険視するでしょうね。あくまでもこの時点で知れば、ですけど←しみじみ
 基本的に女医と言えば、シャマル先生ですからね。もっともある意味では←思案顔
 まぁ、人物というか、データと言いますか。個人的には、アインスさんに似ているイメージですかねぇ。まぁ、あくまでもイメージですけど。
 少なくともたぬきさんには似ていないですね。
 ユーリの男の娘説は、たぶん、例の司書長関係じゃないですかね? なのフェイはやに似た子たちがいるならば~、みたいな?
 考えてみれば、レヴィとフェイトって、男性名ですもんね。もっともうちでは完全にネコなおふたりですが←笑
 今回もコメントありがとうございました。今後も頑張りますね。
 P.S.思いのほか百合ですか。それは楽しみだ。っていか、注文しなおしたんですね、結局←笑

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