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DATE: CATEGORY: お嫁本編
 こんばんは、すいもうです。
 今日は雨の中ラーメン屋さんの新規開拓をしていました。
 今日食べたのは、杉並区の高円寺にある「ラーメンあいはらや」さんです。
 食べログには、あっさり風味と書いてありましたが、まさにその通りです。
 しょうゆとんこつなのに、あっさりとしていました。
 味は横浜家系に近いんですが、こってりとはしていないんです。
 そういう意味では、結構食べやすいラーメンでした。
 こってり好きには物足りないカモですけど←苦笑
 まぁ、それはさておき。
 今回はシンシアちゃんです。
 ラストでぷっつんですね。
 どういうことなのかは、追記にて。
 では、お黄泉ください。


 夢、吹きすぎし~月想う~ 百六十二話

 お父さんが私を見つめている。
 私を見つめるそのまなざしは、とても真剣なものだった。いままでも真剣だったけど、いまのまなざしはそれまで以上に真剣なものだった。
 蒼髪女を擁護しようとしているわけじゃない。たぶん純粋に私に話があるんだと思う。その内容は言われるまでもなく理解していた。
「……始めるの?」
「いつまでも先延ばしにしていても仕方がないからね。それとも自信がないのかな? お父さんに論破されてしまう、と思っているとか?」
「冗談はよしてよ。逆に論破する自信があるもの」
「そう、なら始めようか」
 にこりとお父さんは笑った。その笑顔には、たしかな自信がうかがえた。なんでそんな自信を抱けるのか。私には理解できなかった。
「すごい自信だね、お父さん。どう考えても私が正しいのに」
「なにごとも、正しいか正しくないかのどちらかでしか考えられない子供に負けるわけがないからね」
 お父さんが言う。その言葉にむかっと来た。正しいか正しくないか。白黒をはっきりとつけることのどこが悪いのか。お父さんの言い方では、白黒をつけることは正しくないと言っているようなものだった。白黒をはっきりとさせることのなにが悪いのだろうか。正しいことは正しい。正しくないことは間違っている。そうはっきりと言うことのなにが悪いのか。悪いわけがない。白黒をはっきりとつけることは正しいんだ。それはどんなことにも通じる。でなければ、時空管理局なんて存在しない。間違っていることをする人を正すための組織が時空管理局じゃないのか。その管理局に籍を置くお父さんが、なんでそんないまさらなことを言うのかが私には理解できない。そもそもなんでそれだけで子供と言われなければならないのか。意味がわからなかった。
「正しいことを正しいと言うことのどこが悪いの? 正しくないことを間違っていると突きつけることが悪いと言うの?」
「……厳密的に言えば、シンシアの言う通りだよ。正しいことは正しく、正しくないことは間違っている。それ自体はおかしいわけじゃない。でもね。なにごともその観点で見ることは間違っているんだよ」
 間違っている? なにが間違っていると言うんだろう。私はなにも間違ってなんていない。私は正しい。だって私は正論を言っているのだもの。正しい論理と書いて、正論と読む。その正論が間違っているわけがない。正論は正論だからこそ正しいんだ。お父さんの言っていることは昨日からなにひとつ変わらない、言い訳にしかすぎないんだ。なのにどうしてお父さんは、お父さんの目には迷いがないのだろう。迷いなくまっすぐに私を見つめられるのだろう。それが私にはわからなかった。
「なんで? 私の言っていることは正論だもの。正論は正論だから正しいんだよ。だから私の言っていることは」
「……聞こえのいい、正論という言葉に当てはめた、ただの押し付けにすぎなかったとしても?」
「え?」
 なにを言われたのか、一瞬理解できなかった。私の言葉をただの押し付けとお父さんは言った。私が誠心誠意を込めて言っていることを、押しつけと言い放った。なにかが胸の内で渦巻いていくのがわかった。
「聞こえなかった? シンシアの言っていることは、ただの押し付けにしかすぎない、と言ったんだよ」
 でもお父さんは私の変化に気づかずに続けた。いや気づかないんじゃなく、どうでもいいのかもしれない。私のことを大切な娘とか言っているけれど、そんなのはただのポーズにしか過ぎないんだ。だってそうでなければ、私の気持ちを無視するようなことなんて絶対に言わない。なのにお父さんは言った。私のしていることは、ただの余計な世話だって。
「……なんでそんなことを言うの?」
「お父さんも本当は言いたくないよ。シンシアを傷つけることにしかならないとわかっているから。それでも言わなければならなかった。だってそうしないとシンシアは──」
 都合のいい言葉を隠れみのにし続けるだけだから。お父さんは悲しそうな顔をしていた。胸がちくりと痛む。けれどそれ以上に激情が私を包み込んだ。お父さんの腕の中から強引に抜け出した。さっきまではいくらやってもできなかったのに、今回は簡単に抜け出せた。お父さん自身が抵抗しなかったということもあるのかもしれない。でもそんなことはもうどうでもよかった。
「お父さんは、やっぱりちゃんと私と向き合う気なんてないんだね」
「向き合っているよ。お父さんはずっとシンシアと向き合っている」
「嘘だ! お父さんは私なんかとまともに言葉を交わす気がないんでしょう!? 私とこうやって話をすることだって無意味だと思っているんでしょう!? 私がどんなにお父さんとお母さんのことを心配しているのかを理解せずに、自分勝手なことばかり考えているでしょう!?」
「……人はみんなどこから自分勝手なことを考えるものだよ。それはお父さんもお母さんもクレアお姉ちゃんも、そして──」
 シンシア、君自身もそうなんだよ。お父さんはまっすぐに私を見つめながら言う。まともに向かい合う気がないくせに、向かい合っているようなことを言い募る。そんなお父さんに、明確な苛立ちが募る。そんなお父さんと対峙しながら、私は静かにシュピーゲルを起動させるのだった……。

テーマ : 二次創作 - ジャンル : 小説・文学

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