キラキラ☆プリキュアアラモード 第22話感想
- 2017/07/10
- 22:15
「キラキラ☆プリキュアアラモード」第22話「やめてジュリオ! 憎しみのキラキラル!」の感想です。
~ オープニング前 ~
前話の続きです。プリキュア達の前に現れたジュリオは、これまで以上の強い敵意を抱いています。
「ノワールデコレーション! 我が内なる闇のキラキラルを解き放て!」
「心に宿る憎しみが、オレの力!」
「スイーツなど必要ない!」
そして、ジュリオは攻撃してきました。
これに対し、ホイップがホイップデコレーションを放ちますが、攻撃をかき消す事ができません。すぐに、カスタードイリュージョン、ジェラートシェイクを放つも、通用せず。
マカロンジュリエンヌ、ショコラアロマーゼも放ちますが・・・。
「そんな力で、今のオレを、倒せると思うなよ!」
強大な闇の力により、大ダメージを負う5人。
「ジュ・・・、リオ・・・? あの髪飾り・・・。」
ジュリオは、プリキュア達にトドメを差そうと突撃。
「やめて! ピカリオ!」
「やっぱりそうキラ・・・! あなたはピカリオキラ・・・!」
~ Aパート ~
「ピカリオ・・・。ピカリオなんでしょ・・・?」
「フン、やっと気付いたか。だが、そんな名前はもう捨てた。」
「え? 捨てたって何キラ・・・? ずっと心配してたキラ・・・。あなたを探して・・・。」
「うるさいんだよ!」
「オレの気持ちも知らないで、姉さんぶるな!」
「ピカリオ・・・。」
「お前なんか・・・、いなくなれ!」
強大な爆発により、5人は空洞に落ちていました。変身も解除されていました。
少しして、空洞内に光があふれました。
この光は、キラキラルのようです。ペコリンと長老も無事でした。
いちか達が、この光景に感動する一方、キラリンは悲しんでいました。先程「いなくなれ」と言われた事に。
「ピカリオ・・・。どうして・・・。」
キラリンとピカリオは、かつて、パリにスイーツ修行に出向いていましたが、その時に何があったのか?
キラリンとピカリオは、パリに来た後、小さな屋根裏部屋を見つけて、共に頑張っていました。
しかし、ある日の事でした。
キラリンが屋根裏部屋に戻ってきたところ、ジュリオはいませんでした。しかも、テーブルにあったスイーツが闇に侵食。
その直後・・・、
「スイーツもキラリンも大嫌いだ!」
そして、ピカリオは、キラリンの前から姿を消しました。
いちご山に帰ってきたのは、行方不明になったピカリオを探すためでした。ジュリオがスイーツ作りに詳しかったのも、合点がいきます。
その直後、ジュリオが現れました。強大な闇の力で、空洞内の綺麗な光景は、闇一色に。
「オレはすべてを超えるんだ・・・。お前も! プリキュアさえも!」
ジュリオを止めるため、5人は変身します。
~ Bパート ~
5人は、ジュリオの攻撃を抑えます。一方、キラリンは、ジュリオを説得しようと呼びかけました。
「どうしてキラ・・・? ピカリオも、一緒にプリキュアになろうって・・・。」
「違ったんだよ・・・。」
「違った・・・?」
「お前とは全然違ってたんだ・・・。こうなったのも、すべて、お前のせいなんだ!」
そう叫ぶのと同時に攻撃を強めるジュリオ。そんな時・・・、
「キラリン・・・。」
「これは・・・、ジュリオの・・・?」
5人は崖下へと落下。
「プリキュアを夢見る資格があったのは、才能があったお前だけ・・・。オレは・・・、何もかも、最初から違ってたんだよ!」
「何言ってるキラ! ピカリオだって・・・、あの時のワッフル!」
「あれは、キラリンが大事にしてた道具が壊れた時・・・、」
「ピカリオがキラリンのために一生懸命作ってくれたワッフル!」
「キラリン。」
「美味しいキラ! こんな美味しいワッフル、初めてキラ!」
「あの時の事、忘れないキラ!」
「フン、あんなの1回きりの偶然さ。」
「そんな事・・・。」
「そうだよな。お前は何も知らないよな。」
「え・・・?」
「オレの事なんか、見ちゃいなかったのさ!」
「お前が人間のパティシエの元でメキメキ腕を上げていったのに、オレは何をやっても、上手くいかなかった・・・。」
そんな時・・・、
「ピカリオ! 見て! 私、人間に変身できるようになったのよ!」
「スイーツ作りの腕を上げれば、人間に変身できるって本当ね! もしかして意外と簡単に、プリキュアになれちゃうかも!」
「あ、ワッフルを作ってたのね。どれどれ。」
「どう、キラリン?」
「うん、美味しいよ。でも、いちご山で作ってくれたワッフルの方が、もっと美味しかったな。」
「キラリンは、もっともっと修行してプリキュアになるキラ!」
「お前はどうでもよかったのさ・・・。オレの事なんて・・・。」
「全然・・・、気付かなかったキラ・・・。」
「でも、それで良かったのさ・・・。」
「絶望しているこのオレを、あの方が救ってくれたんだ・・・。」
「諦めるのはまだ早い・・・。君には埋もれた才能がある・・・。」
「君にしかない力が!」
「美しい闇の輝き。これが君の新しい力。」
「君の名はジュリオ。君の本当の力を見せてやれ!」
「キラリンが、ピカリオを追い詰めて・・・、あんな風に・・・。」
「おかげでオレは手に入れられたよ。プリキュアを超えるこの力を、お前を見返してやる力をな!」
「フフフフ・・・。さあ、来い! プリキュア! オレの力を試させろ!」
キラリンは、やめるよう言いますが、ジュリオは、黙ってみてろと、攻撃してきました。
ここは、ホイップが間に入って、守りました。その時・・・、
「キラリン・・・。」
「これは・・・、ジュリオの・・・?」
「見えたよ・・・。私、見えたんだ! ジュリオの心の奥にある想い・・・。ずっと、想い続けてきた気持ちが・・・。」
「みんな、私を支えて。私、もっともっと、ジュリオの事知らなきゃいけないの・・・。」
「お願い! 私を!」
そして、ホイップは、攻撃せず、ただジュリオの攻撃を受けるだけ。
「痛い・・・。痛いよ、ジュリオ・・・。」
「めちゃくちゃ痛いよ・・・、ジュリオ・・・。でも・・・。」
「キラリン・・・。キラリン・・・。」
「でも、本当に痛いのは、私じゃない・・・。」
「闇の力が強ければ強いほど・・・、感じる・・・。本当に痛いのは、ジュリオの・・・、ううん・・・。ピカリオの心・・・。大好きなお姉さんに自分を認めてもらいたかった、本当の気持ち・・・。」
「ジュリオの気持ち!」
「お姉ちゃんもスイーツも!」
「大好きな気持ち!」
「心の奥底の大切な気持ち!」
「そう、この闇の力は、全部、大好きな気持ちの裏返しって事!」
「何を言っている? 違う・・・。そんな事・・・。」
ジュリオの攻撃が止んだところで、5人は、ワンダフルアラモードを放ちます。
「ジュリオ・・・。私には伝わったよ・・・。あなたの気持ち・・・。」
「あなたは言った。スイーツなんかで想いが伝わるかって。でも、心の奥でそれを信じていたのは、あなた・・・。」
「やめろ・・・!」
「想いを込めたスイーツなら、大好きなお姉さんにきっと・・・、想いが届くって・・・。」
「やめろ・・・! スイーツなんか・・・、スイーツなんかで・・・!」
「大好きから始まった気持ちはね、それが生まれた時から、ずっと、消えずに残っているの・・・。」
「やめろ・・・! やめるんだ・・・!」
「ここに・・・。」
「ウソだ・・・。ウソだ・・・。やめてくれ・・・!」
ちょうどその時・・・、
そして、闇の力が浄化されました。
「ずっとずっと一緒にいたのはキラリンなのに・・・、ピカリオの気持ち、全然分かってあげられなかったキラ・・・。」
「いちかみたいに、苦しみを理解してあげられなかったキラ・・・。キラリンには、いちかみたいな力はないキラ・・・。気持ちを受け止めて、キラキラにして返す力・・・。」
この空洞には、光り輝く何かがありました。長老は、古のプリキュアの存在を感じます。
そんな中、空洞の上から、キラリンとピカリオを見下ろすノワール。
ノワールは何を思ったのか?
今回は、これで終了です。
次回:「翔べ! 虹色ペガサス、キュアパルフェ!」
キラリンの弟・ピカリオは、キラキラルを集めて闇に変えようとしているノワールのしもべになっていました。
自分のせいでピカリオをそこまで追い詰めてしまったと落ち込むシエルは、スイーツショップを休業してしまうようで・・・。
次回予告直後の提供画像
次回は、6人目のプリキュア「キュアパルフェ」が登場しますので、その告知。
誰がなるかは、公式ホームページなどを見ていれば、分かっているでしょう。どのようにして、プリキュアになるのか、しっかり見届けたいと思います。
今回のエンドカード
こちらは、10月28日(土)公開予定の劇場版の告知。タイトルは「パリッと! 想い出のミルフィーユ!」。
今回公開された「メモワールミルフィーユ」と「キラリンクッキー」は、劇場版の公式ホームページにてレシピが紹介されているスイーツ。劇場版に出てくるキースイーツなのでしょう。公開までまだ3か月以上もありますが、楽しみにしたいと思います。
【まとめ】 ※今回は、かなり長いです。長文苦手な方は、ご注意下さい。
ジュリオがキラリンの双子の弟・ピカリオである事、スイーツを嫌う理由が明かされましたが、プリキュア達の力により、闇の力が浄化されました。
という事で、今回は、ジュリオの真実が明かされた回。これについては、おおむね予想通りでしたので、これといって語る事はありません。
それよりも重要なのは、「天才」シエルに欠けているものがハッキリした事でしょう。それが、ピカリオに影を落とし、「ジュリオ」を生み出してしまったのは、なかなか興味深く感じました。
シエルに欠けているものは「他人に寄り添う事」でしょう。それゆえ、前々話で「普通」と評した、いちかの作ったパンケーキに沢山のキラキラルが宿っていた事を不思議に思ったのでしょうね。
シエルは、一級品の素材と卓越したスイーツ作りの腕で、最高の一品を求めています。それは、伝説のパティシエ・プリキュアになるため。
素材の力と天才的なスイーツ作りの技術で万人を納得できれば、世界的に有名なパティシエとして名をはせ、プリキュアになる事に繋がるでしょう。その分、他人との親密な繋がりが希薄になりがちですが、沢山の人を幸せにできるのであれば、それはそれで悪くないと思います。
しかし、ピカリオに対しては、それは良くなかったのでしょうね。
キラリンとピカリオは双子であり、生まれてからずっと一緒。そして、同じ目的を持ってパリに渡りましたが、姉は成功続き、弟は失敗続きとなれば、ピカリオとしてはショックで、スイーツ作りの才能の違いを大きく痛感した事でしょう。
加えて、キラリンが人間化できるようになった事が、追い打ちをかけてしまったでしょうね。生まれた時から同じ目線で物事を見てきたのが、姉からは上から目線で見られ、しかも、頑張って作ったワッフルがまだまだだと評されれば、傷口に塩を塗られるようなものであり、絶望を味わうのも分からなくはないと思います。
とはいえ、キラリンが人間化できるようになったのは、修行の賜物。年頃の女の子が夢に向かって頑張って、何かしらの大きな結果を残したとなれば、あまりの嬉しさから、自慢したい気持ちを抑えられず、つい他人に対する気遣いを怠ってしまうものでしょう。
キラリンが、ピカリオの気持ちに気付かずにはしゃいでしまったのは、致し方ない部分もありますが、ピカリオを傷付けてしまったのは事実。それが、キラリンにもショックを与えてしまい、自信を失っているようですが、大事なのは、あんな事するんじゃなかったと後悔するよりも、これからどうすればいいか前を向く事でしょうね。
それが、次回、キュアパルフェになる事に結び付くかと思われますが、一体どうするのか? しっかり注目したいですね。
・・・と、ここまで、キラリンの事ばかり言及し、ピカリオには何の非もないような書き方をしてますが、ピカリオにしても、欠けているものはあったでしょう。
ピカリオは、修行では失敗続きでしたが、キラリンのように、人間のパティシエの元で修行していた描写がなかったんですよね。ずっと1人であの屋根裏部屋で頑張り続けて、自分の納得できるスイーツを追い求めていたんじゃないかと思います。
スイーツ作りに限らず、どんな事でも、個々の力では限界があり、自分には見えないものが沢山存在します。しかし、誰かがいれば、それまで見えなかったものが見えるようになり、自分の感じていた限界を超える事ができます。
キラリンが、人間のパティシエの元で修行していたのは、それゆえなのでしょう。キラリンに眠っていたスイーツ作りの腕が開花して、人間化に至ったように思いますね。ピカリオも、屋根裏部屋を出て誰かの元で頑張っていれば、悲劇は避けられたのかもしれませんが・・・。
それに、失敗続きだった時に、自分の悩みを誰にも打ち明けずに抱え込んでしまったのも良くなかったでしょう。ピカリオは、姉に自分の悩みを気付いてもらいたかったと思いますが、大好きな姉も自分同様頑張っているのに、悩みを話して迷惑をかけてしまっては、大好きな姉に申し訳ないという気持ちがあったんじゃないかと思うんですよね。それゆえ、何も言わなかったのかもしれません。
しかし、自分の悩みを溜め込んでしまうのは、暗い気持ちをいつまでも持ち続ける事になり、自分をダメにしてしまうもの。特に、真面目な人ほど、そうなりやすいんですよね。おそらく、ジュリオは姉以上に真面目なのでしょう。
キラリンがピカリオを追い詰めたのは事実ではありますが、ピカリオもまた、自分自身を追い詰めてしまったんじゃないかと思いますね。
キラリンにもピカリンにも、至らないところはありましたが、目を向けるのは、過去ではなく、先の事。仲直りするためにこれから何をするかでしょうね。
今話では、プリキュア達が、ピカリオの闇を浄化しましたが、当然、これだけで解決とはなりません。やはり、当事者達、すなわち、キラリンとピカリオが真摯に向き合う必要があるでしょう。
キラリンとピカリオは、どのようにして、元の仲良し姉弟に戻るのか? しっかり見届けたいと思います。