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殿下執務室2.0 β1

  : 

有芝まはるが綴る、競馬話その他の雑談、そしてYet Another Amateur Photography。

自作自演説の背景 

Soul for Saleさま、最近アンテナで引っ掛からなくなったからどうなったのかなぁと思ったら、H5師匠のエントリで移転されていたことに気が付く。で、早速同じ記事に対してトラバ。
#いや、このWeblogにトラバ打つのは初めてか……。
ミシュランに掲載されている情報が多くなるほど、ミシュランに載らないレストランの存在が見えなくなっていくのと同じで、カメラがある方向から何かを映し出す時、その死角で起こっていることに対する想像力を、僕たちは失う。
これは確かに同意。今回の事件も、
「ある時点において、日本における状況だけから判断すると」
という条件で、「自作自演が一番説明がつく」という面があったのですよね。
ちょっと前に某板で書いたことと通じますが、そういう条件(=未解決の状況)の中で「筋が通り過ぎる」意見って案外脆いから喰い付きたくナイナーってのはありました。個人的にはイタリア人誘拐を納得いく文脈で説明できる狂言説とかももうちょっと待ってみたい気はしますが(悪)。
一方、
翻って一般のマスメディアでは、自衛隊の即時撤退か、もしくは小泉政権批判が中心的な関心となっている。こうしたメディアの流す、ある種「お約束」的な反対図式に対する認知的な不協和が、マスコミ情報の「裏をかく」ような狂言説や陰謀論によって埋め合わされているのではないか、と考えることが出来る。
認知的不協和という点では、今回に関してはこういうアンチメディア的図式もなくはないのですが、それ以上に何と言っても
「被害者およびその家族の政治的信念と、加害者のそれが相当に一致してる」
というのが最大の認知的不協和なのですよね。
要するに、(本来事件の長期化に伴って発生するべき)ストックホルム症候群が初めから出てるみたいな、ある意味異常な状況の事件である、と。正直、2ちゃんねらーでもブロガーでもなく、思想的にはリベラル寄りな麻智さんのような人ですら、反射的に「自作自演説を疑った」そうで、結局のところ「自身の(ややラディカルな)政治的信念を初期の段階でこれでもかというばかりに『マスメディアを使って』晒してしまった」というのが、今回の被害者家族の戦術的な大失策だった、というのが今回の件の特徴だと思われます。
せめてそのジェンダーフリーカットは怪しすぎるからカツラぐらい被っとけとか。
#いや、流石にそこまで考える余裕はないか……。
で、事件初期でのネット界における「ヒミツの大計画」怪文書なんかの流通振りなんかは、別に目新しい事例というよりは、一昨年の正月だかに2ちゃんねるで起きた「浜崎祭り」で、「あゆが罵倒した相手は車椅子席の少女」というデマが飛んだみたいなのとよく似た動きであり、要するにデマの媒体としてネットが使われた事例の一つなのかなと。一方で、そういうデマとは別に週明け辺りから「自作自演説」が勢いを増してるのって、保守系のメディアの側がある程度論調をアジャストした結果、マスコミとネットの間である種のシナジーが生じたようにみえ、この辺のマスコミとネットの愛憎というか共犯関係みたいなのはちょっと興味深いものはあるのかなと。お互い、倫理面の兼ね合いである程度ひよってたのが、ちょっとくらい書いていいかも……みたいな感じでぶっちゃけちゃうという感じに見えます。
要するに、
「何が真実か」
というよりは、
「どこまで言っていいか」
みたいな空気で論調の多寡が動いてるのかな。

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