自衛隊高級幹部の官舎事情
「陸自総監官舎放火は26歳業者「工事、間に合わず…」 兵庫」(産経新聞10年8月3日)
ニュース自体は、どうでもいいニュースです。
ただ、このニュースを見て違和感を覚える方もいると思うので、自衛隊高級幹部の官舎事情について、少し書いてみたいと思います。
自衛隊の官舎というと、マンションのような集合住宅を思い浮かべる方が多いと思います。
実際、現存するほとんどの官舎が集合住宅様です。
しかし、過去には戸建ての官舎も結構ありました。これは何も贅沢でそうなっていた訳ではありません。鉄筋コンクリート製の集合住宅の建設費が高かった時代では、土地代の安い場所では、戸建ての方が安かったからです。
ただし、高級幹部用の官舎に関しては、敢えて戸建てで建てられた所もあります。
実際は知りませんが、今回の事件の場所も恐らくそうでしょう。
敢えて戸建てで建てたものなので、未だに戸建てで現存しているという訳です。
基準の詳細は知りませが、ある程度の高級幹部(恐らく指揮官職の三つ星将官)クラスになると、官舎は公邸としての位置付けになり、居住空間の他に、応接用のスペースが設けられます。
私が実際に知っていたケースでも、応接セットが置かれた応接室が官舎の一部に設けられていました。
ただし、三つ星将官にも関わらず、そのスペースは6畳ほどしかなく、率直に言って恥ずかしくて使えるものではありませんでした。
そんな代物なので、実際に使われたケースも知りません。接遇が必要な場合は、部隊の庁舎を使うか、部外のホテル等を使います。
応接用スペースがある以外は、高級幹部用の官舎だからといって、取り立てて変りはありません。
各室が若干広い程度です。
分かりやすく言えば、思いやり予算で建てられた一般米兵用の宿舎より劣る程度というところでしょう。
三つ星将官の官舎は、庭でパーティがやれる程度でも良いと思う(米軍の接遇には必要)のですが、他省庁の高級官僚でも大差ないようなので、この辺は日本の文化なんでしょうね。
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