巨大化したデューン様との決戦前、失礼を詫びるつぼみちゃんに、ゆりさんがあなたの優しさに救われたと言葉を返します。
4人のプリキュアと妖精たちがハートキャッチミラージュの力で合体した姿が「無限シルエット」ですが、その姿はつぼみちゃんベースに見えます。声は本人そのものだし、技のネーミングセンスもまさしくつぼみちゃんです。サブタイトルからして「私は最強のプリキュア!!」ですから、無限シルエットさんのコントロールは、ほぼつぼみちゃんの意志でなされていたと推測できます。
「無限シルエット」がみんなの意識の集合体でコントロールされていたなら、サブタイトルは「私たちは…」になっているはずでしょうから。アフターパートでのエリカの様子から、他の人も意識はしっかりと持っていた様子ですが。
「愛で戦う」と宣言したハートキャッチプリキュアですから、憎しみに捕らわれそうになったゆりさんを救った愛と優しさを持つつぼみちゃんが無限シルエットの核となるのは納得です。つぼみちゃんはみんなの心の力を借りて、ついに最強のプリキュアまで上り詰めたのです!
完全に憎しみの権化と化しているデューン様ですが、無限の愛を持つ無限シルエットさんにはかないません。
「くらえ、この愛!」
「こぶしパンチ!!」
無限の愛を受け取り、子供の姿に戻って微笑みながら消えていくデューン様。
涙を流してそれを見送る無限シルエットさん。
このシーン、私は、両者が互いの気持ちを理解しあえたのだと感じました。
デューン様は最後に愛を、無限シルエットさんはデューン様の孤独と憎しみを同時に理解したのだと。デューン様の憎しみがどのようなものだったのか明確に語られませんでしたが、最後に子供の姿に戻ったことから、やはり親子問題が根底にあったのだと想像できます。
ハートキャッチプリキュアには、様々な親子が登場して、それぞれにいろんな問題を抱えていました。最も悲劇的であったのは、目の前で父を亡くしたゆりさんですが、デューン様もそれと同等もしくはそれ以上の悲劇を味わっていたのでしょう…。
憎しみに染まりかけたゆりさんの心を救い、砂漠の王たるデューン様の憎しみを癒したつぼみちゃんは実に立派な主人公です!
激闘の後、すっかり元通りになった世界で、4人はそれぞれのやりたいことを語ります。
プリキュアではない、自分自身の人生を生きていく。
きっと、この4人なら、どんな困難も乗り越えて、夢を実現していくのでしょう。
そう思わせてくれるだけの成長を見せてくれたと思います。
ハートキャッチプリキュア、一年間、毎回楽しく視聴できました。
スタッフの皆様には感謝の気持ちで一杯です。
どうもありがとうございました!!