今月読んだ20冊の中から選ぶ、お勧めの3冊
1. 未来からのホットライン
前半は少し退屈ですが、後半はスリリング。特に、遠い過去にメッセージを送れるようになって、世界が何度も書き換えられていくシーンは圧巻です。
SFでは、パラレルワールドを利用したり、過去に行っても歴史を変えることは出来なかったりと、様々な方法でタイムパラドックスを回避しています。この話の場合、世界は一つで過去にメッセージを送るたびに、今ある世界が無くなり、世界中の原子が再配置されるという世界観です。バック・トゥー・ザ・フューチャーに似てますが、なぜ世界が組み変わるのかを、細かく考察しているあたり、さすがJ・P・ホーガン!
2. 地球移動計画
SF的なウソがすごく面白い本。
タキオンをロケットの噴射剤として使うピアノ・エンジンのアイディアには驚かされました。知らず知らずのうちに、タキオンは超光速通信に使うものだ、という先入観に囚われていたようです。ピアノ・エンジンはおそらく、山本 弘さんのオリジナルのアイディアです。ひょっとしたら、私が知らないだけで海外のSFとかでは有名なかもしれませんが。
3. 呪いの時代
思想家である内田樹先生の最新刊。内田樹先生の著書には、つい夢中になって読んでしまうけれど、読み終わった後でまとめようとするとうまくいかない、という本が多いです。『呪いの時代』もその手の本です。
あえて、話のあらましを書くなら「呪いとは記号化であり、祝福とは対象を具体的な記述である」といった感じでしょうか。これだけ読んでも分からないですよね。この本の魅力は、内容ではなく結論を導き出すまでの文章の流れそのものに有ります。もし、書店で見かけたら、直接この本を手にとって数ページ読んでみてください。
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