空深ク、彼方へ ―

めんまの願いを探し当てるため、まさに西へ東へと奔走し続ける仁太と他メンバーの前向きな姿。

そんな彼らの雄姿を見ているとだんだんとみんながみんな昔のあの頃の関係にまた
戻りつつあるのかなぁなんていう風にも思ってしまうわけですが、
でもその肝心の “願い” といったものはそう易々と見つかるものではなくて、今の状況は
本当に手探りをしながら落し物を探しているようなそんな状況にも例えられるわけです。


云わばそれは、まさに “サバイバル” であって手持ちの駒を頼りにそれぞれがぞれぞれで
一生懸命自分の出来ることというのを考えて、動いていくしかもう方法は残されていない。

しかもそれは “仁太にはめんまが見えている” という根拠も何もない、それぞれの心持ち次第で
その大きさが良くも悪くも変化してしまう一つの想いが一種の希望であり、また根拠とも成り得て
いるわけで、これだってそう簡単に信じてもらえたり、認めてもらえるものではないはずなんです。

だから、今じゃああやって前へ進み続けながら頑張っている彼らだって、きっと一人のままじゃ
どうしたって動き出せなかったはずだし、むしろそれぞれが心に暗い闇を抱えたままに違いなかった。

誰しもがサバイバルなんて始める勇気も出せぬまま、同じ場所に立ち尽くしていたはずなんです。


　


でも “彼ら” は仁太を信じ、また強要されることも決してなく、それぞれが自らの意思で
サバイバルに参加をすると手を挙げ始めたわけなんですよね。

それはもちろん、めんまのためにどうにか願いを叶えてやりたいとみんなが考えているからこその
行動であるには間違いないのですけど、でもそういう考えに至るには先程も述べたような
「根拠も何もない仁太の言い分を信じる」 という思考が前提になければ成り立たないわけなんですよ。

では何故、ぽっぽやあなるは彼のことをそこまで信じられるのか･･･？
そんなの、答えは一つに決まってますよね。

だって彼は “超平和バスターズのリーダー” なんですから。

それはつるこも言っていたような、みんなの前を常に走っていて、勇敢でカッコいい彼の姿。
そしてあなるが言っていたような、みんなの事を自分よりも大切に考え気遣う優しい彼の姿。

そういった仁太の姿勢こそに、彼がリーダーたる所以の全てが込められているわけで
むしろそれ以上のことなんて周りのみんなは望んでないし、必要としていない。
そんな昔のままの仁太で居てくれれば、彼らが仁太を信じない理由なんてどこにもないんですよ。


　


だから、あなるはそんな自分のリーダーを支えたいと思うし、一緒に居たいと想うことができる。

彼女が実際問題、めんまの存在を信じているのかどうかは分かりませんけど、
でもそんなめんまのために昔のような姿を仁太が取り戻したからこそ、
今そこにいるありのままの彼を信じたいし、信じていられる。共に前に向かって歩み出せる。

それに、彼女が “じんたん” と呼び、仁太が“あなる” と呼ぶこの関係性だって、やっとお互いがあの日と同じように、肩を並べて一緒に歩み出し始めたことの表れでもあるわけじゃないですか。

そしてそれは仁太にとってもあなるにとっても、間違いなくプラスになることもであって
昔に原点回帰しつつも前に進むといったこの行動はきっとめんまだって強く望んでいる
彼らの将来の在り方に違いない。

そう考えれば彼らは今大きく成長していて、凄く良い方向に進んでいるのだとも言えますよね。


　


またそれは、ぽっぽと仁太における関係についてもほとんど同じことが言えるわけで
しかも彼の場合は本気でめんまのことを信じている。

そしてそれはつまり仁太に対する信頼度に対してもイコールとして繋がっていくわけで
故に彼は本当にぶれないのですよね。昔のまま。ありのままの姿でドッシリと構えている。

だからこそ彼はハッキリと言うことが出来るのでしょうね。
「カッケェんすよ、じんたんは」 って。

むしろ彼はそのことを今まで一度だって疑ったことはないのだと思います。
自分のリーダーはじんたんであって他の誰でもないし、たった一人の憧れの人なのだと。

ただ、そういう彼の実直な想いから全てはまた動き出したと言っても過言ではないわけで
その点においては仁太も大きな感謝をしなければいけないところではあるのでしょうね。


　


そしてさらに言えば、ゆきあつやつるこだってもう気持ちは同じ方向を向いていて、やっぱり
仁太をリーダーとしてしっかりと認めているし、彼に力を貸すつもりでもいるはずなんです。

ようは、もう彼らはちゃんと足並みを揃えることが出来ているわけで、あとはもう
この暗く長いトンネルを抜けて、一つの答えを導き出すだけなんですよね。

加えて、その答えが今回彼らが辿り着くことの出来た “打ち上げ花火” ということであるのなら
もうその出口も目の前に見えているわけで、あとはもう最後の最後で打ち明けられた
めんまのお母さんの心情と誤解というものが最終的な壁になるのかなとも思えるところ。

ただ、ゆきあつの言っていた仁太には打ち明けられないめんまの想いというのが未だに明かされていないわけで、それ故にもう二転三転ぐらいは展開としても残っているのかなと個人的には思っていたりします。


　


というわけで、少し話が逸れてしまいましたが、ようはみんなはもう昔の頃の超平和バスターズに
戻りつつあって、それはめんまも含めた他の5人が再び仁太を信じ始めた証でもある。

そしてそうやって、強い信頼と絆で支えられているからこそ、仁太もより前に進んでいけるし
今回のように働くことの喜びみたいな、生きてるっていう実感を得ることが出来たわけで
故に彼はまた人一倍頑張ることができるし、そういう彼の姿勢を見て他の4人もまた頑張ろうと一生懸命に “今” を生きることが出来る。

またそれは “仁太の生きてるっていう実感を感じることで、生きてるって実感できる” と言った
めんまにとっても同じことであって、こうやって彼らは相互扶助の関係の中で支え合いながら
生きていくのだろうなぁと考えると、やっぱりこの作品には 「いいなぁ･･･」 って思わさせられる
というかね。。

人って繋がりがなければ凄く脆い生き物で、だからこそこういった横の関係って
凄く大切なんだなぁって改めて感じさせられたというか。
当たり前なことなのだけど、当たり前すぎて忘れていそうなことをまた実感させてくれるのですよね。


まだまだこれから、彼らには苦難がいくつか待ち受けていることでしょうけど、そんな風に感じさせてくれる彼らだからこそ、必ずその正しさを証明してくれるのだろうと強く思ってますし、多くの壁も苦労しながら這い蹲ってでも乗り越えてくれるであろうと信じていたい。

だから私もみんなと同じように仁太のことを信頼して、最後には
「だからカッケーんだよ、じんたんは！」 って言ってやりたいなぁと。

そんな願いを抱きつつ、次回のさらなる展開に期待しておきたいなと思います。




次回　 「(未公開)」

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