写真1●radiko.jpのPC用ホームページ
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ログイン後のエリアフリー状態のため、東京からでも関西地区の番組を聴取できる。
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 インターネット時代の今はあまり見かけなくなったが、30数年ほど前、日本海側の某都市に住む小学生だった筆者は、ラジオ聴取を趣味としていた。中波(AM)の周波数間隔が10kHzから現在の9kHzに変わった1978年よりも前の話だ。

 短波も受信できる松下電器産業(現パナソニック)のラジオ「COUGAR 2200」を親に買ってもらい、海外を含む放送局の番組を楽しんでいた。もちろん中波で流れる国内ラジオ放送もよく聴いた。

 そんな元ラジオ少年が、radikoが提供する、インターネットを通じた地上ラジオ放送のサイマル(同時並行)配信サービス「radiko.jp」を使うことになった(写真1)。

雑音と混信に悩まされたラジオ受信

 日本海側の都市で中波放送を聴いていた当時、悩まされたのは二つの問題。昼間は遠方からの放送が雑音に遮られることと、夜には海外からの放送が混信するというものだ。

 もう少し具体的にいうと、中波帯の電波が地上に近い電離層に吸収される昼間は、遠方まで電波が届かない。当時の筆者はファンだったアイドルが出演するラジオ番組を聴くため、毎週日曜日の昼に文化放送(当時は1130kHz、以下同)にダイヤルを合わせていた。しかし電波状況の良い日に、せいぜい雑音の向こう側にかろうじて話し声や曲が聴き取れる程度で、とても番組を楽しめるレベルではなかった。

 夜になると、電波を吸収する電離層が消えるため遠方にある放送局の電波も受信できた。ところがそれだけでなく日本海の向こう側にある海外の放送局からも電波が届くため、今度は混信に辟易とさせられた。

 最大の“敵”は、ニッポン放送(1240kHz)の隣の周波数(1250kHz)にあったモスクワ放送。海外向けに大出力で放送していたため、ニッポン放送の番組の裏側で、ソビエト連邦の音楽やアナウンサーの声が漏れてくる。番組に集中したい気分が、見事に台無しにされたことをよく覚えている。

 そんな少年時代を送った筆者だが、ここ20年はラジオ受信機をほとんど使っていない。超短波(FM)放送をエアチェックしたのは高校生くらいまでだったし、短波ラジオはまだ捨てていないものの実家に眠ったまま。自宅にあるラジオは非常用だけで、とても番組を楽しめる状況にない。