人工知能(AI)で記事を自動作成する取り組みが各所で始まっている。
この分野で情報収集する過程で、興味深い話を聞いた。ヤフー(Yahoo! JAPAN)がニュースの「トピックス(ヤフトピ)」でAIの活用を試行しているというのだ。
Yahoo!ニュースといえば、2016年8月の月間ページビュー数が150億を超えた人気コンテンツである。ヤフーのWebサイトを開くと、目立つ位置にニュースが表示される。13.5文字以内(半角は0.5文字)の見出しを閲覧できるのがヤフトピだ。
長い見出しも13.5字以内に短縮
同種のサービスには「Googleニュース」などもあるが、見出しの文字数は基本的に短縮されないまま表示され、30~40文字ある見出しを読むのには時間を取られる。その点で、文字数が少ないヤフトピは、今起こっている出来事を手早く把握するのに適している。
だが、ヤフトピを特徴づける13.5文字はいかにも短い。もともと30~40文字あるニュースの見出しを、意味を損ねないように、かつ、クリックしてもらいやすいように短縮するのは職人芸の領域だ。ヤフトピ担当部署には新聞社など既存メディアで経験を積んだ「プロ」が多数勤務しているという。
ヤフトピを担当するYahoo!ニュース編集の山本悠氏は「私の場合で、見出しの短縮作業には早いもので30秒、チームでの議論を要する場合で4~5分かかる」と言う。ヤフトピ担当者にとって見出しの短縮は重要ではあるが、あくまで業務の一部であり、効率化が課題になっていた。トピックスに取り上げるべき話題を発掘したり、関連記事リンクを探し出したりすることにも時間を割く必要がある。