米iSuppliは米国時間2009年5月28日,加速度センサー市場の調査結果を発表した。それによると,2013年に同市場は17億ドル規模に拡大し,マイクロマシン(MEMS)としては最も高い売り上げを創出するようになる。
同社MEMS担当主席アナリストのJeremie Bouchaud氏は,「現在,最も売れ筋のMEMS製品はインクジェット・ヘッドとDLP(Digital Light Processing)チップだが,2013年には,加速度センサーがそれらを抜いて1位になるだろう」と説明する。同氏によると,iPhoneやWiiなど,モーション・センサーを搭載したスマートフォンやビデオ・ゲーム機の人気の高まりが,加速度センサーの需要を増大させるという。
2009年のMEMS世界市場は,売上高が前年比8%減少し,2008年(前年比7%減)から2年連続で前年を下回る見通し。しかし加速度センサーの売上高は,2009年に1.8%微増し,2010年には14.1%の成長が予測される。その後,2011年と2012年も2桁の成長を維持する見込みだ。
Bouchaud氏は,加速度センサーの普及が一気に拡大した要因として低価格化を挙げる。「2008年に1ドルを下回り,さまざまな製品で採用されるようになった。今後はさらに低価格化が進み,スマートフォンだけでなく,幅広い機種に搭載されるようになるだろう」という。
主要サプライヤを見ると,消費者向け電子機器および無線端末の市場で大きな成功を収めた仏伊合弁のSTMicroelectronicsが,2008年末の時点で首位を奪取した。同社の2008年における加速度センサー売上高は2億2000万ドルで,前年の2900万ドルから大幅に増加した。市場シェアも,2006年の4%から16ポイント増となる20%に拡大した。
[発表資料へ]