楽天は2012年7月4日、自社開発した分散ファイルシステム「LeoFS」を、オープンソースソフトウエア(OSS)として公開した。「Amazon S3」互換のAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を備えたオブジェクトストレージを構築するためのソフトであり、複数台のPCサーバーをピア・ツー・ピア(P2P)構成にすることで、数ペタバイトの容量を実現できる。楽天の技術開発部門である楽天技術研究所が開発した。
楽天は2011年夏に、Webサイトで使用するデジタル写真のストレージとして「ARIA」を自社開発し、実際のサービスで運用を開始している。今回開発したLeoFSは、このARIAの後継バージョンである。Web用写真に多い数十~数百Kバイトのファイルを高速に読み書きできるように、キャッシュアルゴリズムなどを工夫した。
LeoFSは、データを保存するストレージクラスターがP2P構成であり、ストレージクラスターを管理するノードが複数台存在する構成となっているため、可用性は高い。プログラミング言語には関数型言語の「Erlang」を主に採用。全体の98%をErlangで、残りの2%で主にキャッシュに関わる部分を「C」で開発している。