米Microsoftは現地時間2011年1月5日、次期版Windowsで英ARM HoldingsのアーキテクチャーをサポートするとCESで発表した。ARMアーキテクチャーをベースにした米NVIDIA、米Qualcomm、米Texas Instruments(TI)のシステム・オン・チップ(SoC)に対応させる。
Microsoftは同日、NVIDIA、Qualcomm、TI製ARMチップと、Intel製x86チップを使った次期版Windowsの技術デモを行った。最新の「Internet Explorer(IE)」ブラウザーと組み合わせ、グラフィックスおよびメディア再生とWebブラウジングなどの動作速度を実験した。さらにARM環境におけるオフィススイート「MicrosoftOffice」のネイティブ動作も実行してみせた。
MicrosoftはARMアーキテクチャー対応により、急成長するタブレット端末市場での勢力強化を図る考え。Intel製チップとの組み合わせは、スマートフォンやタブレット端末などのモバイルデバイス市場では苦しい状況に陥っていると、米メディア(Wall Street Journal、PCWorld)から指摘されている。これまで複数のベンダーが「Windows 7」をベースにしたタブレット端末をリリースしているものの、消費者の心をつかむには至っていない。
今回の発表にあたり、NVIDIA社長兼最高経営責任者(CEO)のJen-Hsun Huang氏は「WindowsのARM対応は、コンピュータ業界の劇的な移行を示すものだ」と述べた。Qualcommインターネットサービス事業担当プレジデントのRob Chandhok氏も「コンピューティングの将来に向けた大きな一歩だ」とコメントした。
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