レッドハットが2010年11月17日に開催しているユーザー向けイベント「レッドハットフォーラム2010」の基調講演に、米レッドハットのアジアパシフィック担当副社長、ダーク・ピーター・ファン・ルーウェン氏が登壇。11月16日に販売を開始したばかりのサーバー向けOS「Red Hat Enterprise Linux 6」(RHEL 6)がオープンソースの製品であることの優位性をアピールした(写真)。
RHEL 6には、無料のLinuxディストリビューション「Fedora」やミドルウエア「JBoss」、仮想化機構「KVM」(Kernel-based Virtual Machine)および仮想化ライブラリ「libvirt」、クラウドAPI「デルタクラウド」などオープンソースプロジェクトの成果を組み込んでいる。各プロジェクトには同社のエンジニアが多数開発に参加している。
ダーク氏は、こうしたオープンソースプロジェクトと緊密な関係を保ちつつ、オープンソースであることが、同社の製品における急速な技術革新の原動力になっていると説明した。
例えばFedoraプロジェクトでは現在、開発者として参加しているユーザーは1万8014人、テストやフィードバックなどを通じて協力しているユーザーは478万2352(ユニークなIPアドレスの数)に上るという。「Fedoraを使うことで、今後のRHELがどうなっていくかを先行して誰でも体験できる。そうした体験からのフィードバックがLinuxの技術革新をさらに進めている」とダーク氏は話す。
オープンソース化が技術革新の速度に与える最も分かりやすい例として、ダーク氏が紹介したのはKVMの開発だ。レッドハットはKVMを、今後の最も有望な仮想化技術であると位置付けている。 同社はKVMの開発元である米クムラネットを2008年に買収。KVMやリモートデスクトップのための独自プロトコルであるSPICEなどを含めてオープンソース化している。「わずか1年ほどで7000人もの開発者が参加し猛烈な勢いで開発を進めている。真に優れた技術はオープンソース化で急速に進化する」とダーク氏は強調する。