日本ヒューレット・パッカードは2009年6月16日、高密度設置対応のラックマウントサーバー2機種を発表した。ともに軽量、低消費電力が特徴。床荷重や電力に制限のあるデータセンターでも高密度にサーバーを設置できる。加えて、多数のサーバーを要する環境では、一般的なラックマウントサーバーよりも低コストにできるという。
新製品は1000ノード以上の大規模環境向けの「ProLiant SL」シリーズ(写真1)と、数百ノード以下の中規模環境向けの「ProLiant DL1000」シリーズ(写真2)となる。ProLiant SLは主にSaaS事業者やWebサービス事業者、ProLiant DL1000は一般企業が主な対象と位置付ける。ProLiant SLは8月下旬から、ProLiant DL1000は7月下旬から出荷を開始する。
ProLiant SLの特徴はLANポートなど主要なインタフェースを前面に集中したこと。ラックの裏側にまわらずにサーバーの増設や構成変更を容易に行える。背面は電源と電源ケーブル、ファンだけとなる。電源とファンを備えた2Uの箱である「シャーシ」と、演算装置や記憶装置を搭載した「トレイ」から構成。用途に応じてトレイを選択することで、性格の異なるサーバーを構築できる。
トレイには次の3機種を用意した。1トレイに2ノード搭載した「ProLiant SL2x170z G6」、1ノードでHDDを6台搭載した「ProLiant SL170z G6」、1ノードで二つのPCI Expressスロットを搭載した「ProLiant SL160z G6」である。上ぶたを撤廃するなどの工夫で軽量化を図っている。
シャーシ1台とトレイ2台の構成単位で販売する。最小構成の価格はSL2x170zが52万3000円、SL170zとSL160zが29万3000円となる。
ProLiant DL1000は2Uの筐体に最大4ノードを搭載できるラックマウントサーバーである。ProLiant SLとは異なり、前面へのインタフェースの集中はしていない。ノード単位のばら売りはせず、2ノードまたは4ノードを搭載したタイプから選択する必要がある。
価格は、4ノードの「ProLiant DL4x170h G6」が63万2000円、2ノードの「ProLiant DL2x170h G6」が36万2000円となる。ともに1ノードごとに演算装置はXeon 5504を搭載し、6Gバイトの主記憶装置を持つ。補助記憶装置は搭載しない。主記憶装置の容量などをオーダーメイドできるタイプもあり、メモリ1Gバイトの最小構成で30万円から。