総務省は2008年4月14日,3月28に開催された「携帯端末向けマルチメディア放送サービス等の在り方に関する懇談会」10回会合の配布資料や,議事録を公開した(配布資料と議事録)。この会合自体は,非公開で実施されていたものである。
公開された議事録や配布資料などによると,VHFハイバンド(周波数帯域幅は14.5MHz)はSFN(単一周波数ネットワーク)を基本に議論を進めることを確認した。VHFハイバンドに関しては,SFN混信を避けるために,SFNを基本としながらも別に2から3チャンネル程度を組み合わせるという案が浮上していた(関連記事)。この結果,実際に利用できる周波数は5MHz幅弱となり,参入ワクは極めて狭くなる可能性があった。これに対して,MediaFLO技術の採用を計画する事業者などは,SFNだけでネットワークを構成できると強く反発していた。
今回公表された資料を見ると,MediaFLO技術の採用を予定するメディアフロージャパン企画やモバイルメディア企画だけではなく,ISDB-Tファミリーの採用を予定するマルチメディア放送企画もSFNによる対応が可能と主張した。この結果,SFNを前提に検討を進めることが了承された。
VHFローバンドでは,デジタル新型コミュニティ放送については,地方ブロック向けデジタルラジオ放送を行う事業者に割り当てた周波数などによるアンダーレイによる実現を今後検討することが了承された。